• 御坂美琴役・佐藤利奈さんが語る「とある」シリーズ〈これまで〉と〈これから〉
  • 御坂美琴役・佐藤利奈さんが語る「とある」シリーズ〈これまで〉と〈これから〉
2019.06.06

御坂美琴役・佐藤利奈さんが語る「とある」シリーズ〈これまで〉と〈これから〉

佐藤利奈さん


──先ほどのイベントの中で、長年演じられている中で自分のレベルが上がっていくのと同時に、正解というか選択肢の幅が広がったっていうことを話されていましたけど、レベルが上がることによって出来ることが増えてしまうので、もしかしたら迷いも余計に増えてしまうかもしれないみたいなお話かなと思ったんですが。

佐藤 そうだと思います。微々たるものだと思うんですけど、昔よりは今のほうが経験値も色々と積んできて見えるものも広がってはいると思うので、その広がった中からどれをつかみ取っていくのか、どこに焦点をおいていくのか、みたいなさじ加減だったり。とはいえ、本能のまま突き進むこともすごく多いんですけどね。たとえば『超電磁砲』だと美琴主体なので、一本道をガッと見ていればいい感じがするんですけど、『禁書目録』だと、当麻から見ての美琴で描かれている可愛らしい部分があったり、年齢相応のものがあったり、でもそれでも強く出るところもあったりするから、より悩む傾向がありますね。

──キャラクターとしての抜き差しが多いっていう部分でより幅が広い。

佐藤 そういうところはありますね。あんまり抜けてしまうと、今まで築いてきた美琴じゃなくなっちゃう気がして、でもそれをやりすぎちゃうと、当麻から見た美琴にはならない気がして、っていう、なんかとっても微妙なところが、いつも難しいなと思いながら収録していますね。

──『禁書目録』3期は2期から間が開いていたので、余計に難しかったのではないですか。

佐藤 その間にも、コラボレーションのアプリ収録や、『バーチャロン』(PS4ソフト『電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機』)の収録があったりしたので、あんまりそういうブランクは感じなかったですね。ただ今期は物語がすごく凝縮された感じだったので、そういう難しさはあったと思います。なので、今期は特に原作小説と照らし合わせて収録に臨んでいますね。前期は美琴が主体の話も多かったんですけど、今期の美琴は物語の要所要所で登場しますし、『超電磁砲』とかも間に挟んでいるのでさらに難しくて。でもそこがあるからこそ今やらせていただけているっていうことだと思って、それを踏まえた自分でいきたいと思っています。10年くらい前に一回目を録っているので、少しずつ変化はしてきていると思うんです。でも、そのときにしか出せないものがあったと思いますし、その分あのときに出せなかったものを今なら出せるとも思うんですね。そこのいい塩梅を自分で見つけて、「皆の思う美琴」と、「鎌池先生が描いている美琴」と、「私の思う美琴」とをブレンドしていきたいなって思っているんです。


「とある」をライフワークにしていきたい


──三木さんは『グイン・サーガ』超えを狙っているとも仰っていました。そうなってくると、きっと「とある」シリーズもアニメ化を重ねていくことになるかと思うんですけど、これからもずっと美琴を演じていきたいというお気持ちですか。

佐藤 そうですね、黒子役の新井里美ちゃんと「ライフワークになったらいいね」なんて、『超電磁砲』が始まるくらいのときかな、そんな話をしていて。とても魅力的な世界観とキャラクターたちで、パワーのあるものに携われて、やっぱり私たちの仕事の何が楽しいって、生きていて経験できる以上のことを、物語の中だったら経験できたり、なれないようなものにもなれたりすることじゃないですか。それが声の仕事が面白いなと思っているところなので。「とある」の世界はまさにそうですよね、魔術と超能力が使える世界。そこの面白さに自分はやっぱり引き込まれていますし、ずっとやっていきたい、やれるとうれしいなと思います。

──それは楽しみです!

佐藤 でもちょっと頑張らないと、どうしたって大人な自分が等身大の女の子に勝ってしまうときがあって、それは今後の課題だなあとずっと思っていることなんですけど。でもあんまりそれを作りすぎても違うなあっていう気がして。人って、ある一定の音だけで生きているわけじゃないじゃないですか。だからこそ、自分の使える声帯のいろんな音を使って、この子なりを表現したいと思うと、やっぱちょっと外れることもありまして。なんかそういう、テクニカルな面でも、いろいろと試行錯誤を重ねている(笑)というのが昨今なんです。

──まさに日々挑戦なんですね。

佐藤 そうですね。何よりも一番、思いというか、いま彼女がどう思って行動していて、誰に何の思いをぶつけているのかみたいなことを大事にはしているんですけど、プラスアルファで、昔はやるだけで精一杯で出来なかったことを少しでも乗せていきたいと思っています。

──それでは最後になりますが、「とある」シリーズのファンに向けてのメッセージをいただけますか。

佐藤 初期から知って下さっている皆さんとは長いお付き合いになっていますし、10年という時間の中で色々なところから皆さん知って下さっていて、学生さんだった方がお酒を飲める年齢になっていたりとか、実はずっと見ていて今回この作品に携わるようになったんです、みたいなお声をいただくこともあったんですね。それって、皆で同じ時間を共有してきて今があるんだなあっていうか、こんなに長く続かなければ出来なかった出会いだったり再会だったりっていうことが、すごく運命的というか、奇跡みたいな感じだと思ったんですよ。鎌池先生が精力的に作品を紡いで下さっていること、支えて下さっている、作って下さっているチームの皆さんがいること、応援してくれている、一緒に時を紡いでくれている皆さんがいること、その全てに感謝の気持ちでいっぱいです。

これから先も、今年は『とある科学の一方通行』もありますし、『超電磁砲』も3期制作決定っていう発表があったりしているので、まだまだ皆さんと会える機会がありますし、そうやって思いを共有する場を設けてもらえるっていうことが、とってもうれしいなあと思っています。小説にしてもアニメーションにしても、エンターテイメントはやっぱり楽しんでもらうことが一番大切なので、より多くの方に見ていただきたいですし、そしてまた「あのときからもう10年かー!」みたいな話を皆でできるといいなと思うんです。

──さらに10年後に。

佐藤 そうそう! そうなんですよ!

──それは素晴らしいですね!

佐藤 そんなに長い時を一緒に過ごしたなんて信じられない、みたいな話を、皆でしていきたいなと思います(笑)。

──ありがとうございました!


「とある」プロジェクト×Tファン https://toaru-project.fan.tsite.jp/

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