• アニメージュ7月号「小林靖子入門 OUT TAKE」白倉伸一郎プロデューサーが語る小林靖子
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2019.06.13

アニメージュ7月号「小林靖子入門 OUT TAKE」白倉伸一郎プロデューサーが語る小林靖子

「小林靖子入門 OUT TAKE」白倉伸一郎プロデューサーが語る小林靖子

好評発売中のアニメージュ7月号には、注目の脚本家・小林靖子さんにスポットを当てた特集「小林靖子 入門」が掲載されています。

特集内では、『仮面ライダー龍騎』、『仮面ライダー電王』、『仮面ライダーアマゾンズ』などで小林さんと仕事を共にした東映・白倉伸一郎プロデューサーが、小林さんのキャラクターの描き方について語ってくれていますが、実際の取材では、それ以外にも「脚本家・小林靖子」についてさまざまな内容をお聞きできました。

そこで今回は誌面に掲載しきれなかった内容をピックアップ、白倉プロデューサーインタビューのアウトテイクを特別公開します!!



 


私が見た小林靖子――アニメージュプラスVer.

白倉伸一郎【東映】

『仮面ライダー電王』にせよ、『仮面ライダーアマゾンズ』にせよ、靖子にゃん(小林さんの愛称)にはわりと、お題がハードなものというのか、企画ができあがるまでにいろいろ議論を重ねる必要がある難しいものをお願いすることが多いですね。それは、靖子にゃんが企画の根幹に切り込んでくれる方だからです。

その意味では、『電王』の時のやりとりが印象深いです。

「次のライダーお願いできませんか」と伝えて、内容はまだ白紙も同然の時、最初に彼女が言い出したのは「変身って“形”が変わるだけですか?」ということでした。

「変身」といえば姿形が変わる。さらに「フォームチェンジ」といって、剣のヒーローになったり、槍のヒーローになったり、銃のヒーローになったりする。でも、それに対して靖子にゃんは「赤い人が青くなったりして、見た目が変わるだけですか? 見た目だけじゃなく心も変わるような、そういう“変心”ってできないでしょうか?」って言い出して。そう聞いて、「それはいっちょう、掘ってみる意義があるな」と感じました。

もちろん、そんなことをやろうとしたら膨大な議論が必要になるのは必至なわけですよね。変身やフォームチェンジによって誘発される人格の変化って、どういう意味なのか? それを具現化するにはどうしたらいいのか? はたして面白く表現できるのか? と、延々と議論をしました。

最終的には赤かったり青かったりするモンスター(イマジン)が憑依するという設定に至ったわけですが、それもこれも靖子にゃんの最初のひとことーー「心も変わる変身はできないのか?」、そこが出発点でした。

当時(『電王』の放送は2007年)でもう30年以上の歴史があった『仮面ライダー』の根幹にある「変身」という概念に疑義を唱える、メス入れることで、「新しい変身」に行けるかもしれない。そんな小林靖子の直感があったから、『電王』は生まれたということですね。

そんなふうに、「“仮面ライダー=変身”で本当にいいの?」と根本の部分から考えることを厭わないのが小林靖子という脚本家なんです。だからこそ、気軽に「じゃあ次の『ライダー』お願いします」という話はできない面もあります。少なくとも『龍騎』だ『電王』だと一緒に走ったこちらとしては、靖子にゃんにお願いするとなったらそれは、何か根幹から考え直す必要があるような、難しい作品になるという覚悟というか、予感というか……必ず地獄を見ることになる(笑)。

でも、靖子にゃんが書いてくれるなら、地獄を見てもいいかなって思えるんですよね。


 

小林さんご本人のロングインタビューのほか、小林さんと過去にお仕事なさった方のコメント、フィルモグラフィーも掲載した特集「小林靖子 入門」掲載のアニメージュ7月号は、絶賛発売中です!

 

アニメージュ7月号 絶賛発売中 特別定価1080円(税込)

アニメージュプラス編集部