• 小説『こどもの国』は、子供と大人の視点が交錯する王道エンタメ!
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2019.06.17

小説『こどもの国』は、子供と大人の視点が交錯する王道エンタメ!

こどもの国

令和元年5月17日、徳間書店よりWEB小説家やゲームライター、アニメライターなど様々なジャンルのクリエイターを集めた、新エンターテインメント小説シリーズ『アークライトノベルス』が創刊された。

『アークライトノベルス』第一弾として刊行された『こどもの国』の著者、藤守麻行さんとイラストを手がけた岩元辰郎さんにインタビューを敢行。日本の架空の町「ハバネ市」を舞台に、ミステリー要素を含みながら展開する物語、<因果の糸>を駆使して戦う能力バトル、登場人物が生き生きと描かれる群像劇……と、盛りだくさんのエンターテインメントが込められた本作品について、ふたりに様々な角度から話を聞いてみた。

●「こどもの国」の見どころはどんなところでしょうか?
藤守 「こどもの国」は、“こども”と“おとな”二つの視点で物語が進行します。
由太を中心とした“こどもパート”の見どころは、“泥臭い超能力バトル”です。ちょっと不思議な力を使えるものの、由太はフツーの中学生。超人的な戦闘技術や、鋼の心を持っているわけではありません。そんな等身大でヒーロー未満の少年が、七転八倒しながら戦う様を楽しんでもらえたら嬉しいです。
そして、佐田を中心とした“おとなパート”の見どころは、“謎”です。都市伝説のヒーローの正体を追う佐田の前に、さまざまな謎が顔を出します。久しぶりに帰ってきた故郷で、いったい何が起きているのか? 佐田と同じ気持ちで、謎めいたハバネの町に迷い込んでもらえたらと思います。

●岩元さんは「こどもの国」を初めて読んだとき、どんな印象をもたれましたか?
岩元 最終稿ではない状態で読ませて頂きました。
キャラクターを探る目的で読んでいたのですが、中盤あたりまで読んでいて、寝る前に少し読もうとしたら止められずにラストまで読んでしまい、朝を迎えてしまいました。勢いのあるストーリーだと思いましたね。

●その勢いのある物語を、藤守さんはどこから着想を得て執筆されたのでしょうか?
藤守 アメコミヒーローや仮面ライダーなど、数あるヒーローものコンテンツが好きで、自分でも“超能力バトルもの”を書いてみたい! と思ったのが始まりでした。
その後、中島みゆきさんの名曲「糸」を聞いていたときに、「世界は、〈因果の糸〉で編まれている」というイメージが浮かびました。その糸を操れるとしたら――それこそが超能力ということなんだろうと。
そんな世界観のイメージを膨らませながら、全体の物語を組んでいきました。

●ちなみに藤守さんは初著書ということですが、小説を執筆するにあたり心がけたことは?
藤守 読んだ方の頭の中に“映像が浮かぶ”ような描写をすることを心がけました。
とくに、超能力の描写や、アクションシーンなどは、できるだけ映像的にイメージしてもらえますように! と念じながら書きました。

●岩元さんは多くのゲームやアニメーションのお仕事もされており、たくさんのキャラクターを生み出されていますが、今回の「こどもの国」でのキャラクターはどのように制作されたのでしょうか?
岩元 ゲームやアニメと違い、小説の場合は実際に動いているところや表情を見せられる訳では無いので、脳内で再生してもらえるかどうかがキモになると考えました。
ハバネ市に暮らしていると感じてもらえるかどうか、絵として伝えられれば楽なのですが……。これまでずいぶん楽をしてきたんだなと痛感しました。
そこに、キャラクターとして面白いかどうかという私の得意分野をどれだけ入れられるか、せめぎ合いでした。

●そんななかで、お気に入りのキャラと見て欲しいところを教えてください。
岩元 佐田大志ですね。登場人物の中で比較的私と年齢が近く、感情移入して読んでいました。
なかなか格好いいオッサンなんで、彼の活躍にも注目して欲しいですね。
佐田大志
▲佐田大志。十年ぶりに生まれ故郷のハバネに戻ってきた新聞記者。


●最後に、これから「こどもの国」を読む方へのメッセージをお願いします。
藤守 『こどもの国』では、一枚の“織物”のような作品を目指しました。
小さなヒーローの物語であると同時に、ハバネの町に生きる人々のドラマが絡み合う“群像劇”でもあります。そして、ひとつのエンターテインメント作品としても、さまざまな要素を織り込みつつ、全体としては“王道どまんなか直球勝負”の物語が浮かび上がるように頑張りました。すみずみまで楽しんでいただけたら幸いです。

<著者プロフィール>
藤守麻行:本書がデビュー作となる。

<イラストレータープロフィール>
岩元辰郎:イラストレーター・キャラクターデザイナー。カプコン在籍時に担当した『逆転裁判』シリーズを皮切りに、フリーとなった現在も多くのゲーム・アニメなどに携わる。


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作品名:こどもの国
著者名:藤守麻行
イラスト:岩元辰郎
発売日:2019年05月17日
ISBN:978-4-19-864851-0
判型/仕様:B6判 368ページ
定価:本体1400円+税

『こどもの国』特設サイト
アークライトノベルス公式HP

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