• 異世界転生に新風を吹き込むファンタジー小説『アヴニール・エローズ』
  • 異世界転生に新風を吹き込むファンタジー小説『アヴニール・エローズ』
2019.06.27

異世界転生に新風を吹き込むファンタジー小説『アヴニール・エローズ』

Les Héros d’Avenir -アヴニール・エローズ-

令和元年5月17日、徳間書店より様々なジャンルのクリエイターを集めた、新エンターテインメント小説シリーズ「アークライトノベルス」が創刊された。「アークライトノベルス」第一弾として刊行された『Les Héros d’Avenir -アヴニール・エローズ-』は、著者・イラストレーターともに有名作品に関わる2人が贈る、異世界転生を否定するオリジナル作品となっている。

転生した先は、実は現実の世界だった…。
いまや溢れている異世界転生を逆手にとり、“アンチテーゼ”を掲げる物語。
中世の世界を描きつつも、そこにあるのは現代日本が抱えるような苦悩。異世界転生とはいったい、なんなのか。
それでもこの世界に暮らすしかない主人公たちの運命、与えられた試練を乗り越えながら成長していく様を描く。

今回は著者、大島悠さんにインタビューを敢行。異世界ファンタジーを好む方には、新鮮かもしれないし、異質かもしれない。王道ファンタジーに親しんできた方には、邪道かもしれないし、発見かもしれない。そんな異世界転生設定に警鐘を鳴らしつつ、新風を吹き込む本作品について、様々な角度から話を聞いてみた。


●「アヴニール・エローズ」の見どころはどんなところでしょうか?

全3章ですが1話完結モノになっていて、伏線張りとネタ晴らしが毎話ごとにあります。
結末を知った後でも何度も読んで楽しめる作りになるよう努めました。
自分が好きなCLAMPさん作品や、物語シリーズ初期の軽快なテンポに寄せた感じはあるかもしれません。
異世界転生アンチテーゼと謳っていますが、それは設定周りの話だけではなく、読み手を鼓舞したかった意味もあります。
この異世界転生の物語は、現実をひととき忘れ、目を背けて安らげる世界ではなく、
読了後に、明日の現実もまたがんばろうと思ってもらうため、元気になれる作品になればと思い、書きました。

●どんな着想で物語を執筆されたのでしょうか?

異世界転生は、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」や自分の世代としては「魔神英雄伝ワタル」など、様々な切り口で攻められるジャンルだと思っていたのですが、昨今「異世界転生といえばこんな感じ」といったイメージが何となく出来上がっているような気がしたので、そのテイストとは違った路線を書いてみたかったという想いがスタートです。

●大島さんはこれまでライトノベルや、ゲーム、ドラマCDなどのシナリオを手がけられていますが、本作を執筆するにあたり心がけたことはありますか?

全く違います。これまでは当時所属していた会社の作品も含め、版権タイトルを取り扱わせていただくので、版権元様が許諾してくださる内容であることを最重要に考えて執筆するのに対し、本作は良くも悪くもオリジナル作品です。
好きなことはやれるのですが、なにが正解なのかわからなくなり、かなり筆が止まった時期がありました。もちろん編集さんにも相談しましたが、ひとまずのゴールというか、何をもって完成とすればいいのか、わからなくなりましたね(笑)。

●キャラクターはどのように生み出したのか、またイラストを描かれた山田孝太郎さんの絵についてもお聞かせください。

編集さんとイラストレーターについて話をした時、最初に浮かんだのが両者とも山田さんでした。
双方の知り合いではあったのですが、第一希望が叶って本当に嬉しかったです。ビジュアルイメージはあったので山田さんにテキスト資料をお渡しして描いていただきましたが、自分の想像の何倍も素晴らしいイラストになっており、とても感激しました。「表紙買いしてもらえる!」と思いました(笑)。

●好きなキャラクターは誰になりますか?

1巻では描き切れていないキャラもいるので、まだ何とも言えませんね。自分を投影したキャラということなら、トーリでもクレハでもない誰かとだけお答えしておきます!(笑)

●最後に、これから「アヴニール・エローズ」を読む方へのメッセージをお願いします。

読んだ後に「普通はこんな展開にならないだろう、でもこういうのもありかもね」と思ってもらえたら幸いです。伝えたいことは山ほどあるのですが、伏線やメッセージ等恐らく一度読んだだけでは気づかないほどの情報量が込められています。良くも悪くも……。そしてこんなに長くなってしまい、大変申し訳ありませんでした!!


著者プロフィール
大島 悠
ゲームのシナリオライター。コンシューマゲーム・スマホアプリ等のシナリオを手掛ける。
本書は独立後、試行錯誤しながら執筆してきた内容を改編・加筆した渾身の一作。特技はクラシックピアノ。



Les Héros d’Avenir -アヴニール・エローズ-
作品名:Les Héros d’Avenir -アヴニール・エローズ-
著者名:大島 悠
イラスト:山田孝太郎
発売日:2019年05月17日
ISBN:978-4-19-864850-3
判型/仕様:B6判 432ページ
定価:本体1500円+税

試し読みもできる公式サイト
https://www.ndw.jp/novel/aln/oshimayu/avenir/

アークライトノベルスHP
https://arklightnovels.com/

(C)Oshima Yu 2019 / ambit

アニメージュプラス編集部