• 『仮面ライダージオウ』、平成仮面ライダーを締めくくる夏の劇場版を田崎竜太監督が語る!
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2019.07.25

『仮面ライダージオウ』、平成仮面ライダーを締めくくる夏の劇場版を田崎竜太監督が語る!

『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』より田崎竜太監督。劇場版「ジオウ・リュウソウジャー」製作委員会 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 (C)2019 テレビ朝日・東映AG・東映



◆仮面ライダーが時代に愛されたヒーローだとしたら、どんな締めくくりをすべきなのか

——タイトルの『Over Quartzer』に対してファンは色々考えていると思いますが、田崎監督自身が込めた思いなど何かありますでしょうか。

田崎 クォーツァーは今回敵役として出てくるところではありますが、クォーツァーっていう言葉自体が造語なんですよね。設定的には、時を制御して管理していくっていう連中だったりするんですが……。僕が下山(健人)さんの脚本にちょっと足したセリフではあるんですけど、平成という時代に対してクォーツァーとソウゴがやりとりするセリフで「君らの平成は醜い」「デコボコでまるで石ころだらけの道だ」、それに対してソウゴが「デコボコで何が悪い」っていう。そこは平成を頑張って生きてきた田崎としては(笑)、ちょっとノッたセリフではあります。

(そのセリフを)令和の人たちに、そう言われる日もあるのかなっていう気もしなくもないかなと。でも実は昭和だし(笑)、平成のふりして平成云々語ってるけど(笑)、実は昭和生まれだろっていう。

——公開前で言えないことが多いとは思いますが、田崎監督の見所を教えて下さい。

田崎 平成仮面ライダーってここまで年号を冠することを許されてるヒーローっていないっていうか、平成戦隊ってあんまり言わないですよね?

仮面ライダーは平成と冠することを、何か許されていてありがたいなぁと思うのと同時に、だからこそ平成が終わったこの時に、仮面ライダーが平成に対して何が出来るのかなと。だから平成っていう冠がなぜ許されるのかなってことを考えながら撮った作品です。それはもちろん昭和との区別のために、昭和ライダーと平成ライダーってことで生まれた言葉だと思いますけど、ここまで年号とカップリングしていいというものは中々ないなぁと。

ウルトラマンは若干言われることありますけど、まずスーパー戦隊は言われないので。平成っていう時代と仮面ライダーっていうものを考えながら撮りました。

——ちなみに監督にとって平成仮面ライダーとは?

田崎 やっぱり僕、『BLACK』が最初で、2年目の『BLACK RX』のときに平成に変わりましたから、そこがすごく印象に残ってますよね。平成仮面ライダーにカウントされない平成仮面ライダー……実は一発目『BLACK RX』かなぁっていう気もしなくもない。厳密に言うと、『BLACK RX』はデビューが昭和なので昭和ライダーで、ロボライダーとバイオライダーが平成になってからなので、ロボライダー、バイオライダーが実は平成一発目っていう……ような気がします。そういったことも含めて本当に年号に愛されたヒーローってことなのかなぁっていう気もしなくもないので。それって、何か、いやもうホントに妄想ですけどこれ、仮面ライダーが時代に愛されたヒーローだとしたら、どんな締めくくりをすべきなのか、そういうことを考えました。

——長く続いてるからこそですね。

田崎 そうですね、長く続いた、アンド、途切れたからこそもあると思うんですよね。

『BLACK RX』で一回終わって、そこからビデオの『真(・仮面ライダー序章)』(1992年)や劇場版の『ZO』(1993年)『J』(1994年)とかがあったりしたので、そういったことがあったからこそ、平成仮面ライダーって言葉が生まれたんじゃないかと思うんですけど。ホントに、ありがたいなぁと思っています。

——令和仮面ライダーになっていくんでしょうか。

田崎 令和って言葉が発表されたときに、令和ライダーっていう言葉がTwitterのトレンドに上がりましたもんね。なんでそんなにみんなライダーと時代を一緒に合わせようとするのかなと不思議でしたけど。令和仮面ライダーという言い方がもし生まれるとしたら、途切れたときかっていう気もしなくもないけど、このまま途切れないとどうなるんだろう? わかんないです。でも次の仮面ライダーから令和ライダーですね、カウントとしては。

——最後に楽しみにしているファンの人たちに一言お願いします。

田崎 最終回近くのこの時期にやる映画としては、『仮面ライダージオウ』の最後を締めくくる作品であり、且つ、平成仮面ライダーということを締めくくる作品にしようとしてスタッフ一同頑張った作品です。なので、平成で頑張った方たちに、平成っていう時代を愛する人たちに対して、そういう人たちが楽しめる作品になってるんじゃないかなと思いますので、ぜひご覧下さい。


※田崎竜太監督の「崎」は「大」ではなく「立」が正式表記になります



田崎竜太(たさき りゅうた) Profile

1964年(昭和39年)東京都生まれ。監督、演出家。早稲田大学第一文学部で映画を学ぶ傍ら映画研究会、怪獣同盟に所属し8ミリフィルムで映画の自主製作を行う。『仮面ライダーBLACK』より助監督として関わり、’95年『超力戦隊オーレンジャー』でTV作品監督デビュー。その後『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』を手掛けるために渡米。『仮面ライダーアギト』でパイロット監督を務め、『劇場版 仮面ライダーアギト PROJECT G4』より劇場作品も手掛ける。以降、『仮面ライダージオウ』までの平成仮面ライダーシリーズに多数参加、そのほかTV、劇場、舞台演出と幅広く活躍している。主な監督作品に、映画『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』『小さき勇者たち〜GAMERA』『忍たま乱太郎 夏休みの宿題大作戦!の段』、TV『美少女戦士セーラームーン』『Sh15uya』、『非公認戦隊アキバレンジャー』『科捜研の女(シリーズ12〜)』、Amazonプライム・ビデオ『仮面ライダーアマゾンズ』など。

文/村北恵子

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