「夏のホラー秘宝まつり 2019」に小中兄弟最新作が！中丸シオン＆高橋真悠＆和哉監督に直撃！

ーーアクションシーンや女性同士のラブシーンがあると聞いたとき、いかがでしたか。

高橋　私に関しては、まず作品に関わってる経験が少ないので、アクションシーンもラブシーンも初めてで、挑戦できるっていうことが役者としてすごく嬉しかったです。多分なかなかヌードシーンに挑戦できることってないと思いますし、しかもそれが私にくるっていうのは、本当に最初で最後かなって。多分需要がある女優さんがたくさんいると思うので。だからそこに関しては、個人的な不安はありましたが、それよりも役者として挑戦できる、経験値の少ない私ができるっていうのがすごく嬉しかったです。

中丸　初めてのそういうシーンで、全く動じなくて素晴らしいなと思いました。何の小言も言わず、あのシーンに挑戦していて感動しました。本当に素晴らしいんです。役から外れることもなく、ちょっと休憩があってもずっと役に入ってるし、とても自然に集中してできましたよね。

小中　二人ともわりと入り込むタイプの役者さんで。そういう意味でちょっと似た所があると思うんです。
特に今回お話の役柄的に、美以那がお客さんの視点として感情移入していくキャラクターで、苓はどちらかというとちょっと謎のキャラクターなんですが、美以那との共通性を知ってお客さんも苓という女性を知っていくことになる。だから気持ちを一番作らないといけないのが高橋さん演じる美以那だった。でも高橋さんが気持ちで入るタイプの役者さんなので、現場に入ってからは完全に美以那モードに入っているっていう感じでした。だからスタッフもキャストもみんながそれに気づき始め、ちょっとこれは負けてられないぞという雰囲気になって、そういう現場だったと思います。

ーー美以那とお父さんのシーンもなかなかハードで、正直小中監督がそういうのを撮られるんだと驚きました。

高橋　そうですね。

中丸　『毒婦』とかでもありましたよね。

小中　そうですね。実は兄貴はそっち側に振り切ってるから。でも何本か『くまちゃん』とか可愛いのも撮っていますけど、あれもちょっとひねくれた部分がある兄貴らしい映画です。
兄弟で作った『毒婦 プワゾン・ボディ』っていうVシネがあって、それが今回のもう１つの原作というか、あの路線でいこうと。兄弟の起点になった作品です。
今回とちょっと似てるのが、『毒婦』はヴァンパイアものではないんですが、食欲や性欲と同じように殺欲という殺したい欲求は人間が持っているもので、それを満たすために殺人を続けているフォトグラファーの女性がいて、真弓倫子さんが演じていたんですが、またその女性に惚れてストーカー行為をする少年がいてね。彼女を追いかけていくという話があるんですが、それがベースになってるんですよ。わりと兄貴の一番振り切った部分の作品だったので。
今回はそれプラスもうちょっと心情的な、エモーションの部分っていうのがプラスされて。僕の要素でもあるんですが、兄貴要素と僕のやりたい要素が今回ミックスされた感じになってるのかな、と思います。

ーー監督がやりたかった要素というのは？

小中　ある種のラブストーリーというか。ヴァンパイアをモンスターとして突き放して描くのではなく、人間誰しもが共感できる部分、それは少しダークな部分で、人間という存在をちゃんと描くためにヴァンパイアという設定が生かされるというか、ヴァンパイアでしか描けない人間の本当の部分、心の要素を描きたいというのが、今回やりたかった部分ですね。