• ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズの生みの親が完結した今だからこそ明かす制作秘話!
  • ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズの生みの親が完結した今だからこそ明かす制作秘話!
2019.10.15

ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズの生みの親が完結した今だからこそ明かす制作秘話!

『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章では、ジョン・スノウ(左)とデナーリス・ターガリエン(右)を中心に様々なキャラクターたちの運命が物語の終着点へと向かっていく。


——数多くのキャラクターがいますが、キャスティングはどのように行われたのですか?

ワイス たとえば、ロバート・バラシオンを演じたマーク・アディは、僕らが原作を読んで想像していた通りの「王様」でした。オーディションテープをPC画面上の小さなサムネイル程度の動画で観たんですが、その時点でルックスも声色も完璧にイメージ通りでした。ピーター・ディングレイジやネッド・スターク役のショーン・ビーンもそうでしたね。でもそういった決まり方はむしろ例外で、僕らが想像していた役柄にははまらないような役者のほうが多かったですね。それはたとえばサーセイ・ラニスター役のレナ・ヘディがそうです。彼女はとてもユーモアにあふれた人ですし、サーセイという役に人間的な解釈を加えてくれましたね。もう一人挙げるなら、“リトル・フィンガー”ピーター・ベイリッシュ役のエイダン・ギレンですね。原作で描かれたよりもはるかにミステリアスな人物としてイメージを膨らませることができました。
▲サーセイ・ラニスター(演:レナ・ヘディ)の強烈なキャラクターは物語に奥行きを与えた。左はユーロン・グレイジョイ(演:ピルウ・アスベック)

——ずっと『ゲーム・オブ・スローンズ』を観てきて、お気に入りのキャラクターが物語の中で死ぬたびに胸をえぐられてきたんですが、お二人ができればもう少し描きたかった、死なせるのはしのびなかったというキャラクターはいますか?

ベニオフ ごめんなさい(笑)。確かにそういうキャラクターは何人かいるんですけど、演じている役者と会えなくなってしまうことも寂しかったですね。たとえばジェイソン・モモア(ドロゴ役)とはとても仲良くなって、一緒にいるのは楽しかったですけど、彼の物語はやっぱりあそこで終わるべきでした。それは仕方ないけれど、現場で会えなくなるのは寂しくて、第二章では夢のシークエンスで再登場してもらいました。それは僕たちが彼に会いたかったから(笑)。ただ、シリーズを通してどのキャラクターも死ぬべきタイミングで死んでいるとは思います。演じた役者と会えなくなって寂しいというのは何度も経験したけれど、それはそれだけ素晴らしいキャストに恵まれたということ。同じ業界の友人たちからは怖い話もたくさん聞きます。甘やかされていたり、気分屋すぎる役者の話などですね。でも運のいいことに僕たちは、ほんの少しの例外を除いて(笑)、素晴らしい人たちに恵まれました。

ワイス デイヴィッドが言うとおりで、キャラクターが死ぬときはそれはそれは悲しい気持ちになります。でもそれを生かしたところで、ストーリーとして意味が通らなくなってしまうので、仕方のないことかなと思っています。ジェイソンもそうだし、彼以外にも私生活での付き合いを続けているキャストは結構いますね。
▲スターク家の子どもたち、サンサ(演:ソフィー・ターナー)、ブラン(演:アイザック・ヘンプステッド=ライト)、アリア。左端で背中を向けているのはジョン・スノウ

——8年間という長いシリーズで、役者もどんどん成長していく中で、それに合わせて当初考えていたストーリーラインとは変わってしまった部分などはありますか?

ワイス 当たり前ですが、特に若い役者については「この子たちはいつまでも子どもではない」ということに早々に気付きました。特にスターク家の子どもたち、ソフィー(・ターナー/サンサ・スターク役)、アイザック(・ヘンプステッド=ライト/ブラン・スターク役)、メイジー(・ウィリアムズ/アリア・スターク役)。最初はみんな小さな可愛い子どもたちだったのが、この間なんてソフィーの結婚式に行ってきたんですよ(笑)。もう身長も6フィートくらいあって僕と変わらないくらいですし。アイザックもすごく背が伸びました。幸いなことに劇中ではずっと車椅子に座っているからあまりわからないかもしれないけれど。でも役者の成長に合わせてストーリーラインを調整しようかとは考えなかったですね。そういうやり方もテレビシリーズではよく見かけるんですが、敢えてそれをしようとは思いませんでした。メイジーは11歳の可愛い女の子だったのがすっかり立派なレディになりましたが、別に扱いを変えることはなかったですね。

文/小田サトシ

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事