• デビュー50周年記念アルバムを発売する串田アキラに、歌手としての50年間を歌に対する想いを聞く!!〈前編〉
  • デビュー50周年記念アルバムを発売する串田アキラに、歌手としての50年間を歌に対する想いを聞く!!〈前編〉
2019.11.01

デビュー50周年記念アルバムを発売する串田アキラに、歌手としての50年間を歌に対する想いを聞く!!〈前編〉

「串田アキラ デビュー50周年記念ベストアルバム Delight 」2019年11月6日(水)発売 

1969年のデビューから50年…『太陽戦隊サンバルカン』『宇宙刑事ギャバン』『戦闘メカ ザブングル』『キン肉マン』といった特撮・アニメ番組主題歌に加え、「富士サファリパーク」などのCMソングを数多く歌ってきた歌手・串田アキラ。デビュー50周年記念ベストアルバム「Delight」に収録される曲を中心に、歌手としての50年間、そして歌に対する想いを聞きました。前後編の2回に分けて紹介します。


◆暗かったデビュー時代から『サンバルカン』!

ーーデビュー50年の実感というのはございますか?

串田 ここまできたかという感じですね。まさか、50周年なんてやると思っていませんでしたね。40周年やったときに、何かやるのは最後だろうなと思っていたんです。

ーーそこから10年経って、まだまだ新曲も発売され、現役で歌われています。

串田 おかげさまでね。このくらいになったらだんだん新しい曲は、もっと若い人にどんどんいっちゃうはずなんですが…新曲をいただけて、うれしい限りですね。

ーー「Delight」収録されている、いろいろな曲のお話をお聞きしたいのですが、まずデビュー曲の『からっぽの青春』は、どういう曲だったのでしょう?

串田 元々これは外国の曲で、それを日本語に訳した曲なんです。僕としてはすごく歌詞の内容が強力かなと。「むなしい むなしい この青春」ですから。自分自身はこういう風には思っていなかったんだけど、当時世の中がこんな状態になっていたんじゃないかな。フォークソング時代でしたし。自分は「むなしい むなしい この青春」って歌いたくなかった(笑)。俺、むなしくないんだけどって! むなしさを出すのが、ちょっと辛かった思い出がありますね。

ーーそうだったんですね。時代的には高度経済成長が続き、環境問題などが取りざたされていた時期です。

串田 そうですね。何ていうか、内省的な曲がすごく多かった時代ですね。フォークソングの歌手の方は世の中の情勢的なものを歌ってたかな。でもどっちかというと、僕はデビューしたら明るく陽気にいきたかった。僕はデビュー前はR&Bをずっと歌っていたので、ソウルというか黒人の歌が多かったわけなんです。それでレコード会社が「黒っぽいフィーリング」っていう風に売り出していたんですが、それがだんだんと「暗っぽい」っていう風に勘違いされちゃったのかな、と。僕はどんな歌でも、楽しく歌いたかったんですけど…多分その「暗い」イメージ作りをされて、この頃の写真って笑った顔がなかったんじゃないかな。

ーーなるほど…それを経て「Rollin’ Into The Night」で映画『マッド・マックス』の日本版主題歌を担当するんですね。

串田 これはびっくりしたんですよね。デビューした頃、『ステージ101』という番組の「ヤング101」というグループに入ってたんですが、作曲したのがそのメンバー惣領(泰則)氏だったんですよね。作詞もその仲間の、ビル・クラッチフィールドでした。それで最初に『マッド・マックス』の映画の内容をちょっと聞いたんですが、歌詞がそれとは違うなと。日本だとそういう復讐とか、そんなことできないから、暗い闇に消えていく…そんなイメージでしたね。

ーーそして次にくるのが『太陽戦隊サンバルカン』ですが、これは串田さんにとって、かなりの転機だったのではないでしょうか?

串田 そうですね。それまではポップスだったり洋楽だったのですが、小さなお子さん向けということで。最初は簡単でしょうと思って、レコーディングに臨んだんです。ところが、難しかった。ディレクターの方から「串田君、かっこよく歌ってね」と言われたんです。子どもさんの心を掴む、そういう意味で言われたと思うんですが、その時はそれがわからなかった。格好よく…じゃあって自分の思う通りに、大人の歌いかたの抑揚でやっちゃったんですよ。「違うんだよね」「格好よく、だよ」と、何度も録りなおして。子どもの曲と簡単に考えていたのが大間違いでした。

ーー何テイクくらい録ったかは、覚えていますか。

串田 何回かは忘れましたけど、相当やりましたね。当時はダメな部分だけもう1回やるのではなくて、1コーラス通して歌うんですよ。「違うんだよね」と言われて、どこが違うのかは教えてくれないんです。最終的に、自分自身が格好いいと思うのを抜きにして、普通に譜面を見て、わっと開き直った感じで歌ったんです。そうしたら「やればできるじゃない」と言われてOKでました。

アニメージュプラス編集部

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