• デビュー50周年記念アルバムを発売する串田アキラに、歌手としての50年間を歌に対する想いを聞く!!〈前編〉
  • デビュー50周年記念アルバムを発売する串田アキラに、歌手としての50年間を歌に対する想いを聞く!!〈前編〉
2019.11.01

デビュー50周年記念アルバムを発売する串田アキラに、歌手としての50年間を歌に対する想いを聞く!!〈前編〉

「串田アキラ デビュー50周年記念ベストアルバム Delight 」2019年11月6日(水)発売 




◆『宇宙刑事ギャバン』で開眼!?

ーーそこから『宇宙刑事ギャバン』になるわけですね。

串田 『宇宙刑事ギャバン』のスチールを見た時は、格好いいなこれって。絶対ずっと残るなって、その時思いました。収録には、主役の大葉健二さんとヒロインの叶和貴子さんが応援に来てくださったんですよね。これは頑張らなきゃって、気合が入りましたね。

ーー『ギャバン』のときには『サンバルカン』の時のように、録り直しはなかったんですか?

串田 『サンバルカン』のときにはわからなかったんですが、『ギャバン』を歌ったときに、そんなに何テイクもかからないでOKが出たんです。その時に、全部わかったような気がします。よく考えたらこれなんだよね、というのがわかったんですよね。それで『サンバルカン』を聴き直したら、そうかそうかってOKになった理由もわかりました。

ーー今考えると、どういうところだとご自身で思いますか。

串田 言ってる言葉ひとつひとつが、ものすごくわかりやすく伝わっているんじゃないかなって思うんですよね。そして『ギャバン』には、格好よさや強さがあるんですが、その中に秘めた優しさがあったんです。蒸着して変身する前の状態であっても、大葉さんの眼力はすごかったですが、その中に優しさがある。ヒーローには優しさがあるなと感じたんです。そこから「多分これだよな」っていうのがわかったんですね。

ーー『ギャバン』は、山川啓介さんの歌詞もすばらしいですよね。

串田 すごかったですね。いきなり冒頭から「男なんだろ」と言われて「はい!」ってなっちゃう。そういう、何か伝わるものがあったのかなって。EDの『星空のメッセージ』にしても歌詞がすごくいい。でも、いくら詞がいいからと言っても、自分の抑揚を出すなって言われました。やっぱりそこですよね。『星空のメッセージ』はスローなバラードだから、R&Bの抑揚を本当は出したかったんですよ。でもそれをこらえて、ストレートに子どもたちにわかるように、伝わるようにと歌いましたね。

ーーその頃は、ステージで歌われたりっていうのはあったんですか。

串田 『サンバルカン』も『ギャバン』も、ステージといっても、ヒーローショーの前に歌うという感じでしたね。ただ僕はバンドもやっていたので、それほどは出来なかったんですよ。大きなイベントの時だけ出たりしました。日曜日の昼に子供たちの前で歌って、夜はバンドで違うところで大人の前で歌うという。すごいギャップがありましたね。ヒーローショーの前に広いステージで歌おうとしても、当時の子どもたちはシャイだから集まってこない。司会のお姉さんが「良い子の皆さん、後ろのほうにいないで前のほうにきてください」って言っても、誰も来ないんですよ。みんな遠目で見てる。このままじゃ始められないので、呼ばれる前にステージに上って、お姉さんにマイク貸してもらって、子どもたちに「コラ! 何やってるんだ!」(笑)。そうしたら子どもたちが口をとんがらせて「何だよ!」と前に出てきたんです。ひとり出てきたら、その後からぞろぞろ出てきて、みんなバーっと出てきて。そのときに「やった!」って思ったんですよね。大人として子どもに接するより、友達になっちゃったほうがいいなと思って、子どもたちと同じ口のききかたでいこうと思ってやったんですね。そうしたらもう終わってからも僕の周りに来て、「ギャバンに会えるの?」とか質問してきたりして。あれがなかったら、遠いままで終わったのかなって思います。

ーー素晴らしいです。今の特撮番組のシンガーたちも、子どもたちとやり取りしていますが、昔から串田さんがやられていたんですね。

串田 大人とか子どもとかって、差をつけないことで絶対仲良しになれますね。



<串田アキラ Profile>
10代の頃から米軍のベースキャンプでドラムをたたきながらリズム&ブルースを歌う。
1969年「からっぽの青春」で東芝エクスプレスよりデビュー、 NHK「ステージ101」に出演。
1981年の「太陽戦隊サンバルカン」を皮切りに「宇宙刑事ギャバン」「キン肉マン」など、特撮・ヒーロー、アニメソングを中心に「富士サファリパーク」「ALSOK」などのCMソング、ゲームソフトのテーマなどで活躍。
2003年の「アバレンジャー」のエンディング・テーマ「We are th ONE〜ぼくらはひとつ〜」で親子三代に聞かれる歌手に。
2010年「仮面ライダーオーズ」変身ベルトの音声で出演。2011年TVアニメ「トリコ」オープニングテーマを担当。
また2019年も アニメ『ジモトがジャパン』オープニングテーマを歌唱するなど、増々精力的に活動をしている。
国内に留まらず、海外にも積極的に活動の場を広げ、フランス、スペイン、ブラジル、パナマ、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、中国に招待され、各国で好評を博す。
力強く、それでいて暖かい歌声で聴く人を魅了し続けている。

撮影・真下 裕(Studio WINDS)

アニメージュプラス編集部

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