• 20周年でヤマトやミミやスタッフと再会!『デジモン』上映会&トークショーレポート
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2019.10.24

20周年でヤマトやミミやスタッフと再会!『デジモン』上映会&トークショーレポート

(c) 本郷あきよし・東映アニメーション



▲左から、風間勇刀さん、前田愛さん、関弘美さん

◆上映作品:第33話「パンプとゴツは渋谷系デジモン」(脚本:浦沢義雄/演出:角銅博之)について

木下 ヤマト回ですがどうでしたか?

風間 あの話って、結構デジアドのシリーズの中から独立してる感じがするんですよ。1話完結みたいな、あれだけで成立してる。映像の描き方もそうですし、地下鉄のシーンとか。地下鉄でタケルと帰っているヤマトとか。一言、言ったじゃないですか…(前田さんを見て)何で笑うんですか(笑)?

前田 何かちょっと、いやらしかったですよねぇ(笑)?

風間 俺、全然、一生懸命だったんですよ、ホントに。ただただ心配だから送りたいっていう一心で発した言葉なんですけど、放映されてからほうぼうから、「なんか、あそこさぁ、送り狼みたいだよね」みたいなことを言われて、ああ〜〜〜! なるほど! と(笑)。

前田 改めて観てもそう思った(笑)。

(場内大爆笑!)

風間 その辺、意図してたんですか?

 いえいえ、そうではないんですよ。私も実は『デジモンアドベンチャー』の中でどの話数が一番好きですかって聞かれると、大抵意見は二つに分かれると思うんですよ、最終話が好きって人も当然多いとは思うんですけども、実はこの話が一番好き。
なぜかなって前に考えたことがあるんですけれど、中鶴(勝祥)さんの描いてるキャラクターと、あと角銅(博之)さんの演出、ドライなようでいてそこはかとなく受け手側はウェットなものを感じる、でも演出はドライなの。決して泣かせようというような演出ではない感じですごく印象に残ってるし、電車の中のガラス窓にお互いの顔が映るじゃないですか。それがなんか、すごいお洒落じゃんとか思って。出来上がったときにスタッフ皆で観る初号試写というのがあるんですけど、そのときにすごい褒め称えてた覚えがあるんです。あの演出は素晴らしいと思いましたし、浦沢(義雄)さんのシナリオもいいんですよ。浦沢さんのシナリオもドライなんだよね。

大和屋 あんまりしっとり行きたがらない。ちなみにうちの師匠なんですよ。あの電車の中のシーンはね、兄弟なのに別の所に帰っていかないと行けないみたいなところで、なんか台詞じゃなくて、来るもんがありますよね。

 台詞も最小限にしているあたりがね、さすが浦沢さんですね。

木下 今回この回を選んでくれたのが田口監督なんですよね。

田口 当時観てても一番印象に残っていたというか、映像も含めてずっと頭の中に残り続けていたのがパンプとゴツの話だし、さっき仰られてたような、窓は本当にいい、あれはいいですよね、二人が鏡像に話しかけてるっていうのが、あとお互い目を合わせてないっていうのが、非常に距離を感じるというか、あの構図は見事ですね。

 あとさ、20年経って見て改めて思ったんですけど、20年前の渋谷ってこんな感じだったよねぇ。ヒカリエとか建物が出来ちゃってるから、いま描こうと思ったら絶対違う絵になるし、たむろってる若い子たちのファッションなんかも全部違うんだよね。久しぶりに観て、ルーズソックス、ルーズだよ! って。

大和屋 この流れでいうと、みんな好きな回、好き過ぎて続き作っちゃったみたいなね。

 パンプとゴツは、『(デジモン)フロンティア』のCDドラマを作ったときに、一緒にやってたシナリオライターのまさき(ひろ)さんだとかCDディレクターだった貝澤(幸男)さんだとか、シナリオ一緒にやってくれてた角銅さんだとか、まさきさんが「渋谷に電車が通るのでパンプとゴツ出しちゃダメですかね」って言って、パンプとゴツをゲストで出したんですよね。ちょっとそれもあったのでやっちゃったんだよね、私たち。またパンプとゴツ出しちゃおうかなって(「デジモンアドベンチャー20周年メモリアルストーリープロジェクト」の短編映像。既に募集期間終了)。

木下 クラウドファンディング、皆様、ありがとうございます。ショートフィルム作らせてもらう中で、パンプとゴツをやろうと。そちらも楽しみにしていただければと思います。さて33話ですが…。

風間 戻るんですね(笑)。33話、メンバーがいつもとちょっと違ったじゃないですか。いつもいない人が二人いるみたいな、その二人がうまいので二人と絡んでたシーンは、おんぶにだっこで勢いに乗っかってた所もあったり。あと個人的にはデジモンアドベンチャー初代のシリーズって言うのは、真ん中ぐらいで個人的なターニングポイントがあったんで、その後に33話が来てたんで、序盤のお当番回に比べてだいぶ落ち着いてあの世界でヤマトとして行動できたかなって思います。

<その後、Twitterでファンの方たちに募集した質問コーナーになり、木下さんからヤマトとミミお互いのキャラクターで印象的なシーンを尋ねる>

風間 ミミっていつも「いや〜〜!いや〜〜!」ってイメージだけど、あのポジションの人がいることで現実に戻れる。毎回ミミの一言で現実に戻されて大変な世界に居るんだなって実感させてくれる。そういう大事な役どころだよね。

前田 一番視聴者に近い役って言われてましたね。最初の頃は悲鳴かわがままかって。「キャーー」にもいろんなシチュエーションがあってそれを学ばせてもらいました。朝10時で悲鳴を上げるのが大変で、それも教えてもらいましたね。

 朝、早い時間だと声優さんは声が出ないんですよね。朝10(あさじゅう)のアフレコは辛いんだよね。

風間 6時に起きてました。その辺も関さんに教わって「4時間は必要よ」って。それまで8時くらいに起きてた。

前田 (矢かとの好きなところを聞かれて)ヤマトの好きな……? 一番最初絵を見たときはヤマトさんだったんですけど、段々黒くなっちゃって、ガブモンが可哀想で。かと思えば、「魚は遠火で焼くものだ」と急にうんちくを言い出したり…。

<(場内爆笑!)Twitter質問コーナーラストは「それぞの好きな台詞と、それを再現してもらえるとうれしいです」という要望>

風間 (「魚は遠火〜」の流れから)すごいアイツを表してる台詞だと思うんで。ちょっと半ギレしてるんですよ、直火で焼く太一に対して。
「魚は遠火で焼くもんだ!」

(場内拍手!)

前田 もうちょっとキレたの聞きたいです。

風間 「魚は遠火で焼くもんだ!!!」

(場内大拍手!)

前田 もう一個ぐらい。

(すると会場から要望が挙がり)

風間 僕の中のアイツの2トップですね。
「島根にパソコンなんてあるわけないじゃないかーーーッ!!!」

(場内大拍手!!)

風間 今となってはホント、とんでもない台詞ですよね。

前田 大炎上ですよね。

風間 それぐらいあの当時普及しきってない時代だったんですよね。それがあっという間ですよ。

 私、あの台詞を数年後にちょっと考え直して、島根にふるさと納税しました。

(場内から拍手!)

風間 僕もやっておきます。

前田 (前田さんの番になり)ヌメモンのシーンをやりたいんですけど、ちょっと台詞がわからないところがあって…。

(するとファンからすぐに台詞が!)

前田 ありがとうございます!
「ヌメモンがあたしのために戦ってくれてる! うんち投げるしか、取り柄ないのにぃ〜〜!!!」

(場内大拍手!)

風間 上田(祐司)さん、ヌメモンと同じ顔をして言ってました。

前田 ホントに気持ち悪くて泣きそうになっちゃって、それぐらいすごいんだけど、そんなヌメモンが私のために戦ってくれてると思うと本当に泣けて来ちゃって。

文/村北恵子

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