• 沢城みゆきと神谷浩史は似た者同士!? 『ゲゲゲの鬼太郎』未収録スペシャルインタビューをご紹介!
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2019.10.30

沢城みゆきと神谷浩史は似た者同士!? 『ゲゲゲの鬼太郎』未収録スペシャルインタビューをご紹介!

沢城みゆき&神谷浩史のスペシャルインタビューをチョイ見せ! (C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション


――神谷さんの理想の鬼太郎像とは、いったいどういうものですか?

神谷:
僕はシリーズすべてを通して観ているわけではないんですけど、断片的に子どものときに観ていたTVアニメの第2期『鬼太郎』、大人になってから観た『墓場鬼太郎』や、原作のイメージを総合したときに、鬼太郎は単純な正義のヒーローではない気がしていたんです。遠くの方から下駄の音を響かせながら、片方だけの大きな目で上目遣いに常になにかを伺っている物静かな少年がやってきて、お社にイタズラしている子どもたちに、「そんなことをしたら危ないよ」と、ぼんやりと言って去っていく。それで子どもたちが後々ひどい目にあって「助けてー!」と言っているところに、「だから言ったのに……」って来るのが鬼太郎っぽいと思います。「そんなことをしたらダメだ!」っていう熱血漢や、ひどい目にあっている子どもたちを率先して胸を張って助けに来る鬼太郎は、僕の中では少し違和感があるんですよね。なので、陰々滅々とした雰囲気を漂わせている沢城みゆきの声を聴いて、「ああ、ステキだな」「本当に僕はこの女優さんのこと好きだな」って思いましたね。

沢城:
陰々滅々って……日曜の朝なんですけどね(笑)。

神谷:
ははは(笑)。でも子どもたちって妖怪みたいなちょっと怖い存在が大好きじゃないですか。人ならざるもの、人間の世界じゃないところで蠢いているなにか。その案内的な鬼太郎が明るい雰囲気じゃない方がいいと思うんです。かといって鬼太郎は決して怖がらせようとしているわけじゃない。そのバランス感覚をみゆきはとてもセンシティブにやってくれているんだろうなというのが伝わってきましたね。「後ろになにかいる!」って脅かすんじゃなくて、「ほら、君の後ろの暗闇に……」って、そっと呟いて想像が伝わってきましたね。それを当たり前のようにアプローチしているところがステキですよね。

沢城:
私たち、相思相愛ですから(笑)。

神谷:
ははは(笑)。



――仲の良いお二人が鬼太郎と零という対立する役柄を演じてみて、いかがでしたか

沢城:
ねこ娘も言っていましたけど、鬼太郎は零くんにだけは固執するというか、特別に嫌いみたいですね。神谷さんがおっしゃっていたように、いろいろな鬼太郎像があるけど、今期の鬼太郎は基本的には頼まれたから出向く、それもやっつけに行くんじゃなくて、まず話を聞いてみて、どうするかを考えるというスタンスなので、零くんみたいに、まったく聞く耳を持たない人は生理的に嫌なんですね(笑)。

神谷:
ははは(笑)。

沢城:
でも今思うと、同族嫌悪だったんじゃないかなと思いますね。表面的な印象は違うんだけど、根本的な我の強さは共通する部分があって、他人のためだと思ってやっていたことも、もしかしたら、ただ自分の意見を押し付けていただけかもしれないって、鬼太郎がふと我に返るような場面があって。二人の違いは、境遇で、零くんはすごく不遇でしたよね。それでああいうふうに想いを燃やすことしかできなかった。最後にはお互いに鏡のような存在であることに気づくことができましたけど、最初は……(笑)。

神谷:
「話し合えばいいじゃん!」ってことだよね(笑)。でも、まったく聞く耳を持たないのは、不遇な存在だから仕方ない。零を演じる僕は、それを受け入れなきゃいけないんですよ。でもそれを音にするとなると、とてもしんどくて。セリフって会話で成り立っていくのに、零の場合は頑張れば頑張るほど空回りをしていく。作品的にも僕的にも、加減がわからずとにかく全力で殴っていかなきゃいけない。それに対して誰かが殴り返してくれればいいんですけど、あまりにも一方通行で、なんの戦いにもなっていないんですよね。それがもう、とにかくしんどかった(笑)。

沢城:
度が過ぎているから、みんな引いちゃうんだよね(笑)。

神谷:
鬼太郎が珍しく目玉おやじに「父さん、僕は彼のことは許せません」って愚痴っていたくらいだからね(笑)。

沢城:
小声で愚痴りましたから(笑)。

神谷:
お芝居として成立しているんですけど、演じる側としては何の達成感もない回がずっと続きました。ですが、第75話『九尾の狐』ではいろんなことをわかった上での殴り合いになっていくので、ちゃんと熱量を持って言ったら、言い返してくれるという“会話”が成立した。やっと歯車が噛み合ったので、ようやく『鬼太郎』を楽しむことができましたね。ちゃんと最後の最後に、出口を用意してくださって感謝してい ます。



――零のエピソードは終わってしまいましたが、また『鬼太郎』に出演したいですか?

神谷:
今回は7回だけの出演だったので、個人的にはもっと出たいとは思いましたが、これ以上関わっていたら鬼太郎たちと仲良くなってしまって、役の緊張感を保てなくなっていたかもしれません。なので7回の出演でちょうど良かったと思っています。それと石動零は孤独や卑屈な気持ちに支配された偏った意見を一方的に押し付けて、ひたすら空回りするだけの苦しい役柄だったので、僕の後ろ向きな性格と相まって実はやってる最中はとても辛くて楽しくはなかったんですよね。でも第75話ではやっと一方通行ではないセリフのやり取りができて、いろんなことが解消したのですごく楽しかったです。だからもしなにかの形でまた出演させていただけることになったら、今回の経験を踏まえた上で鬼太郎たちと違う関わり方ができるのかなぁと思います。トータルとしてはとても楽しかったと思います!


(C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション


【商品概要】
アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』のBlu-ray・DVD BOX6

発売日:2020年1月8日(水)
価格:Blu-ray1万5200円+税 BIXA 906-6/DVD 1万1200円+税 BIBA 907-6
<仕様・封入特典>
・描き下ろし三方背アート BOX
・描き下ろしインナーケース
・ピクチャーレーベル
・特製ブックレット(20ページ)
・沢城みゆき×神谷浩史スペシャルインタビュー「ゲゲゲのお喋り」、スタッフインタビューほか収録
・ポストカード2枚セット(BOX3 ・BOX4の三方背アートBOX絵柄)
<映像特典>
・ノンクレジットED

アニメージュプラス編集部

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