──スーパー戦隊は、変身前の役者さんと変身後のスーツアクターさんは一心同体とよくお聞きしますよね。
土田 ええ。でも、それぞれ本当に大変だったと思います。僕もそうでしたけど、それぞれ難題を抱えながら。過酷な現場でしたね。
小川 僕が過酷だったのは、「姫がリーダーだから」ってずっと言われていて……。
土田 未だに言ってるの、それ(笑)!? もう25年経ったんだよ!
小川 あははは(笑)。でも、僕自身はあんまり怒られなかった。ふたり(土田・河合)がそれを担ってくれたんで。
土田 そうだね、僕が怒られるのはわざとだから。みんなにターゲットがいかないように。
小川 それは助かりました。
土田 うん、任せといて(笑)!
小川 変身後って、僕たちはヒマというか、撮影に関わらないじゃないですか。その間、ケインと姫(鶴姫 / ニンジャホワイト役広瀬仁美)はロケバスで休憩なんですよ。まぁ、暑いですし。でも、レッド、ブルー、イエローの3人はスタッフに「撮影、ちゃんと見てろよ」ってずっと言われていて。
土田 (笑)
小川 姫は当時中学生だから「まあ、いいじゃん」で。ケインは当時、まだ海外から来日したばかりの外国人枠で。
土田 “外国人”って言い方(笑)。
小川 でも、レッド、ブルー、イエローが同じように「ちょっとロケバスいこうよ」とか言おうものなら怒られる(笑)。「お前らよりも先輩が、お前らのために怪我しながら頑張ってくれてんだよ!」みたいな。
土田 そういう意味では、黄色と青は一番の下っ端でしたね。ドロドロの方が偉かったです(笑)。
小川 まあ、ドロドロの人たちは結構ベテランなので。
土田 第27話「無敵将軍の最期」で、“へのかっぱ”になった時も、ドロドロ以下の最下級の妖怪ってことでしたから。現実と作品がシンクロした(笑)。
小川 最初はカクレンジャーよりもむしろドロドロの方が人気あったよね。あのエンディングダンスがかわいかったし、すごかった。
土田 (撮影は)幕張メッセだっけ?
小川 うん。思い出すねぇ。何も知らないままね、あそこに連れていかれて。
土田 そうそう、あそこで「あのビルが妖怪だと思え」って言われて。ビルに向かってみんなで「いくぞー!」って(笑)。
小川 たくさんの見学者がいた中でもね、「妖怪め!」みたいな。やってたね。
土田 あとはネコマルですね、あれ、ボロボロのシボレーで。
小川 今までのスーパー戦隊は基地があったんですけど、カクレンジャーはロードムービー的なものしたいと、(本拠地が)ワンボックスカーみたいな妖怪バス「ネコマル」になったんです。でも、今までは基地があったから雨の時は必ずそこで撮影する、要するに普段は外でロケ、雨天は基地の収録が定番だったみたいで。それもあって、カクレンジャーは「雨でも外でやるぞ」みたいな空気でしたね。
土田 あれ、エアコンついてなかったんですよ。
──きっと夏場は大変ですよね。
土田 そうなんですよ、その夏場に「首都高を走ってるシーンが欲しい」と言われて。湾岸線が一番混んでる時間にですよ? ずーっと渋滞! そういう時は大抵セイカイとふたり。
小川 今、思い出したのは、石神井公園のキャンプ? ネコマルでクレープ屋をやりながらそこでキャンプをしていて。夜に妖怪が出てくるエピソード。
土田 みんなで寝た!
小川 すごい蚊にくわれたこと思い出した(笑)。
土田 そこ?
小川 あと、ネコマルは椅子がね、すごいチャチかったんだよね。しかも、二席しかなくて。さらに助手席は折りたたみ式のような椅子でしたからね。
土田 そうそうそうそう! 5人ぎゅうぎゅうになってたもんね。しかも、左ハンドルだから運転しづらい!