• 櫻井孝宏&内田雄馬『宝石商リチャード氏の謎鑑定』後半戦の見所を語る!
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2020.02.09

櫻井孝宏&内田雄馬『宝石商リチャード氏の謎鑑定』後半戦の見所を語る!

(C)辻村七子/集英社・宝石商リチャード氏の謎鑑定製作委員会

2020年1月より放送中のTVアニメ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』は、著者:辻村七子、装画を雪広うたこが務めるジュエル・ミステリー作品。美貌の宝石商リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアンと、正義感の強い大学生・中田正義(なかた せいぎ)が、宝石に秘められたメッセージを解き明かしていく姿を描く本作は、女性を中心に高い支持を得ており、集英社オレンジ文庫にて第1巻~最新9巻までを刊行中、累計発行部数は60万部を突破している。

今回のインタビューでは、メインキャストであるリチャード役の櫻井孝宏さんと中田正義役の内田雄馬さんに、番組も中盤になり、これまで以上に盛り上がっていくアニメ『宝石商リチャード氏の謎鑑定』について、第5話までの感想と後半戦への意気込みを語っていただいた。
▲左:櫻井孝宏(リチャード役)、右:内田雄馬(中田正義役)

──5話までを演じて、作品への印象が変わったところはありますか?

内田 「謎鑑定」ってどんな謎なんだろうって思っていたんですけど、5話までのお話の中で、人間の心を探っていく作品なんだなとわかりました。宝石を通して、お客様の悩みを紐解きながら、それぞれの人生を辿ってくのはすごく面白いな、と思いながら収録させていただいてます。

櫻井 中盤にさしかかって、リチャードと正義の呼吸といいましょうか、リズムが馴染んできていますね。毎回毎話エピソードがシビアというか、必ずしもハッピーではない、ちょっと傷ついたり暗い影を落としたり切なかったりみたいな、そういう話が続くんです。その中でゲストキャラを介して、お互いにちょっとずつ情報を積み上げていく、そういうやりとりを重ねています。5話くらいまでくるとなんとなく時間の流れも感じるというか、日常的なふたりの姿がフィットしてきているのではないかなって思います。1話から考えればだいぶその積み重ねが感じられるな、と。

──5話までのアフレコの中で、特に印象に残っている話数やシーンは?

内田 そうですね、第4話の「戦うガーネット」が印象に残っていますね。ガーネットを探している美人さんに、「メチャメチャお似合いですよ。ガーネットはルビーよりお手頃ですし」って言うんです。すると美人さんが「どうせ私はルビーじゃないですよ」とムッとされて。なんて言うんだろ、「正義やらかしたな」っていう自分の思いと、美人さんの繊細な反応に「あ、人間難しいな」っていう気持ちが同時にあって。

▲山本美人(CV:斎藤千和)

──「やらかしたな」とは?

内田 正義なりに良い意味で言ったんですけど、でも彼女には「自分は本物にはなれない」みたいな悩み、葛藤があったんです。言葉もやり方も、相手がどう感じるかで意味が違ってしまう。ここは明確に正義が「やらかしたな」みたいな、それが自分としては正義らしいエピソードだなと思った記憶があります。

──リチャードからも「不用意な言葉が多いですよ」と言われますね。

櫻井 そうですね。毎回そうなんですが。

内田 悪い意味では絶対言ってないんですけどね。

櫻井 そうなんですよね。多分リチャードも分かっていて、あえて触れなかったり口にしないところを正義はズバッと言ってしまう。正義が、相手の触れたらまずいところをピンポイントで触れてしまうので……。困ってます(笑)。

内田 (笑)

──リチャードと正義以外のキャラクターについてはどうでしょう。

櫻井 第5話の正義の先輩の羽瀬が現れる回。「ああ、不意の再会はこういうことあるよな」って思ったりしました。人間生きてると10年越しぐらいで急に再会したりすることがあるじゃないですか。
なんかこういう……憧れていた先輩がやや身をやつしたような登場の仕方をするっていうのは、正義の気持ちを考えると、見ててなんとも苦いな、と。これは印象に残ってますね。それと、下村君が毎回絶妙にピントがずれていて、すごい面白いです。

内田 あ、下村君(笑)。良い存在感ですよね。だいたい冒頭、Aパートの頭かBパートの頭に出てきて、場を暖めてくれます。正義もまともに取り合わないように見えて、普通にやり取りはしてる(笑)

櫻井 そうなんですよ。このふたり仲良いのかな?

内田 仲は良いんじゃないですかね(笑)

櫻井 そういうレギュラーメンバーの個性も5話ぐらいまでいくと分かってくるので。その辺りも楽しんでいただければなと思っております。

▲下村晴良(CV:井口祐一)

──実際に演じてみて、それぞれのキャラクターの印象が変わった部分はありますか。

櫻井 どうかな、あんまり変わってないですね。

内田 うん。

櫻井 始める前にある程度、原作を勉強したってのもありますけど。それほど自分の中にズレやブレはないですね。ただ、リチャードに関しては物語が進むにつれて、正義の影響を受けている部分があるのかなと感じてます。影響というか感化というか、意識してるというのか。そのへんのリチャードの機微は見えますね。

内田 正義は「正義」って名前なんで、はじめは「真っすぐな人なんだろう」っていう印象だったんですけど、なんていうんでしょう……自分の気持ちをちゃんと口に出していく人だっていうのが、1話から所々に出ていて。相手が喜ぶかどうかじゃなくて、本気で「この人のためになるだろう」って思ったことをやる真っすぐさ。そういう真っすぐさっていうのは大人になると臆病になったりとか「あ、違うかもしれないな」とか思い止まったりする中で、正義はこの歳までそれを持って真っすぐ正義に生きてるんだなっていうのを感じて「すごいな」と感心しました。たまに、先程お話した第4話の出来事のように、「やらかしたな」と思う発言もあるけど、それに嫌味がないっていうのもすごくいいなって思いますね。リチャードみたいな違う国の人ともいきなり普通に喋ったりできる、その距離感の詰め方も流石ですよね。そういう本質的な面は1話からずーっと出てきてはいるのかな、と思っていますね。

──第5話の最後で先輩とのやりとりがあった後、雨の中落ち込んでいる正義をリチャードが迎えに来て励ますシーンがあります。そういった行動に至るまでのふたりの関係性ってどういう風に変化してきたと思われますか?

櫻井 理解が深まったんだと思います。「正義ならこうするであろう」とか、正義の発想というか、源が分かってきているから、その想像ができるというか。行動だけではなくてその心情も察することができるようになることで、自分も動くようになるというか。そういうつながりが生まれているなと思いましたね。

内田 空気感ですよね、なんとなく共有できていく。

櫻井 僕が内田くんに対して、AパートとBパートの間の休憩で「お菓子食べたいんだろうな」とか、なんとなく察することができるそういう感じです(笑)。

──最後に、後半戦への意気込みを。

内田 そうですね、「リチャードは、なんでそういう人になっていったのか?」とかやっぱり気になると思うんですよね。それ自体は正義も多分、視聴者の皆さんと同じ情報量というか、普段のふたりのコミュニケーションはあっても、細かいことは皆さんとほぼ同じタイミングで知っていくと思うんです。それも含めて「どうしてこういう人になったのか?」っていうところから「それを知ってどうしていくんだろう、正義は?」と言うところも楽しみにしていただけたら嬉しいなって思います。

櫻井 第1話で、正義のバックボーンはあらかた分かるじゃないですか。あとは正義自身がどういう人であるか、ストーリーを通して見えてくる。リチャードは逆で、最後に行くに従って、この人にはどういう背景があったのかっていうのが分かってくる、そういう構成になっているんです。正義のお婆ちゃんもそうだったんですけど、リチャードも生まれたときからもうある程度、自分じゃ人生を選べないような環境で育ってきて、彼自身にはどうしようもない力が働いていた。その中には苦さというか、諦めも、怒りも悲しみもあるでしょう。そういう中で生きてきた彼が、それにどういう決着の付け方をするのか、というのがひとつ大きな見所になります。同時に、そこに正義がどう関わってくるのか、こちらにも注目して見ていただきたいですね。ぜひ皆さんよろしくお願いします。

(C)辻村七子/集英社・宝石商リチャード氏の謎鑑定製作委員会

アニメージュプラス編集部

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