• DC TVシリーズ『タイタンズ』主演・梶 裕貴インタビュー「バットマンには不思議なご縁を感じています」
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2020.01.20

DC TVシリーズ『タイタンズ』主演・梶 裕貴インタビュー「バットマンには不思議なご縁を感じています」

DC TVシリーズ『タイタンズ』ロビン/ディック・グレイソン役、梶裕貴さん


■ライトにもディープにも楽しめるのが『タイタンズ』

――今までに見てきたDC作品の中で、好きな作品やキャラクターは?

 やっぱり『バットマン』ですね。小さい頃から身近にいたヒーローであり作品です。自分の声優人生においても、気づけば節目節目でお世話になっていますし。リアルな世界観の中で、人間社会の闇や問題点を上手に汲み取って作られている作品で、すごく個性的なヒーロー像が描かれていると思います。ジョーカーをはじめ、敵やヴィランとして位置づけられる彼らにも、一言では片付けられないようなドラマがあるのも魅力的に感じます。

いろいろな形で映像化され、それぞれ違った描かれ方をしている中で、自分の年齢の変化とともに、人間の怖さだったり、どこかもの悲しさみたいなものも感じられるようになると、より『バットマン』という作品の奥深さが理解できて、面白くなってくるのかなと。なので、そういった意味でも小さいお子さんから、老若男女幅広い年齢層の方が楽しめるタイトルなのかなと思います。

――『タイタンズ』の作品としての魅力はどういったところだとお考えですか?

 実写でありつつアニメのようなスケールの大きさ、キャラクターの個性の強さ。これがすごくシンプルかつ印象的で、登場人物はたくさんいるんですけれど、スッと入っていきやすいですよね。その一方で、緻密で複雑な伏線がいくつも張られているので、毎回少しずつ明らかにされていく謎にワクワクできる。ライトに見てもディープに見ても、どちらでも楽しめる作りになっていると思います。

また、タイトルの通り“タイタンズ”というチームが軸になっていますけれど、今までなかなか深く掘り下げられる機会のなかったサイドキックたちにもスポットが当たっているところが面白いなと思います。きっといつか、またそれぞれを主人公としたドラマが展開されていくんだろうなと期待が膨らみますね!(笑) まずは『タイタンズ』から興味を持っていただいて、それをきっかけにDCの他のシリーズにも興味を広げていってくださると嬉しいです。

――お気に入りのシーンがあったら教えて下さい。

 お気に入り、というか……衝撃的だったのは<シーズン1>の最終話ですね。冒頭から、今までの流れと全く異なる“幸せな未来”みたいな展開で、「あれ? 違う台本をもらっちゃったのかな?」って(笑)。それまで、ああいうディックを演じたことがなかったので、本当に違う作品の彼を演じているような気持ちになりました。もちろん、途中からは元の展開に戻りますが、とはいえ「こんな気になるところで終わるのか!」という終わり方をしているので、その結末もそうですし、早く<シーズン2>の方もご覧いただきたいなと思います。

――<シーズン1>ではディックと因縁深いブルース・ウェインの姿は一度も出てこないですが、どういう人物像を想定していらっしゃいましたか?

 <シーズン1>では声だけの登場でしたし、<シーズン2>で出てくる(※編注:『ゲーム・オブ・スローンズ』ジョラー・モーモント役で知られるイアン・グレンがキャスティングされている)ということはその時点では僕も知らなかったんですが、ディックが苛立ったり衝突したり、本来持っている人間的な感情を引き出されてしまうような人なんだろうなという印象がありましたね。シニカルで達観していて。それは<シーズン2>で実際に見ても印象通りでした。

――ブルース・ウェインとディックとの関係が<シーズン2>以降どういう風に変わっていくかというのも見どころのひとつになっていくのではないですか?

 そうだと思います。第1話のあの恨み節……そこまで言わせるのは何があったんだろう? というところから始まっているわけですが、実は<シーズン1>ではまだ解決していない、描かれきっていない部分があり、そこが<シーズン2>で明らかになります。その時こそ、ロビンというサイドキックではない、ヒーロー=ナイトウィングが誕生する瞬間だと思うので、<シーズン2>以降もぜひ楽しみにしていただきたいです。

――『タイタンズ』には個性の強いキャラクターたちが揃っていますが、演じているディック以外で好きなキャラクター、またはキャラクター同士の関係性はありますか?

 難しいですね……! みんなすごく個性的で、どのキャラクターにも違う魅力があるので、ひとりを選ぶのは本当に難しいのですが……まず、この2人の出会いから物語が始まっているという意味で言えばレイチェルですかね。思春期のティーンらしいかわいくも危なっかしい表情や言動に、見ていてすごくドキドキハラハラしながらも、最後には勇気をもらえる、すごく応援したくなるキャラクターだなと思いますね。髪の色もすごく印象的でしたよね。
▲レイチェルはパープルに染めた黒髪、ガーは緑色の髪。言動もティーンエイジャーらしくストレートだが不安定でもあり、ディックは年長者として彼らを見守る。

ジェイソン(・トッド/2代目ロビン)もすごく憎らしいところがあったりしながらも(笑)、実はディックと同じロビンとしてのドラマもあって、ある種過去の自分を重ねるような描写もあると思うので、そのあたりの関係性に面白さを感じます。

あとはドナ(・トロイ/ワンダーガール)。ディックとは幼馴染みということもあって、他のキャラクターとはまた距離感が違っていて。ダークでシリアスな世界観やアクションの印象が強い作品の中にあって、ディックとドナの会話には、等身大の若者の青春ドラマ的要素が多く見受けられて好きですね。

文/小田サトシ

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