• 〈原作・作画・編集〉に贈られるさいとう・たかを賞、第3回は『レイリ』が受賞!!
  • 〈原作・作画・編集〉に贈られるさいとう・たかを賞、第3回は『レイリ』が受賞!!
2020.01.18

〈原作・作画・編集〉に贈られるさいとう・たかを賞、第3回は『レイリ』が受賞!!

「第3回さいとう・たかを賞」授賞式より(下左から)室井大資、岩明均、さいとう・たかを、沢考史、(上左から)長崎尚志、やまさき十三、佐藤優、池上遼一氏。



※以下、選考委員による『レイリ』選考のコメント

<池上遼一氏 コメント>
異才と言われる漫画家が、構想から12年の歳月をかけて書きためた原作にふさわしい、完成度の高い歴史ドラマに仕上がっている。
その奇抜なストーリーもさることながら、心理描写やアクションシーンの演出に特異な工夫があり、独特のリアリティーを感じさせる。
これも実力ある漫画家が作画を担当したゆえんか…。

<佐藤 優氏 コメント>
完成度がとても高い。歴史に「もし」は禁物であるが、こういうことが十分あるように思えてくる。着地も優れていて読後感がいい。レイリのキャラクターもチャーミングで、大人の鑑賞に十分に耐えながら、子どもが読んでも楽しめると思える作品。

<長崎尚志氏 コメント>
なかなかの傑作。キャラクターもストーリーもすぐれている。死にたがっている人間を影武者にするという設定が上手い。
もう少し長く読みたかったが、終わり方がやや淡泊に感じた。

<やまさき十三氏 コメント>
主人公は女性ながら戦国武将の影武者という設定。
映画やドラマでもよく使われる設定にもかかわらず熱く爽快な青春物語に仕上がったのは、骨太の脚本と、それを静と動の息もつかせぬ迫力ある画面として仕上げた作画の力である。

<さいとう・たかを コメント>
室井氏の他の作品は拝見していないが、まるでこのドラマを描くために創られたようなペンタッチの絵である。なかなか見せる。コマの運びもなかなかいい。

▲左から岩明均、室井大資、沢考史氏。

■シナリオライター/岩明 均(いわあき・ひとし)
私は自ら作画しての漫画も描くのですが、この「レイリ」に関しては初めから、自分での作画・作品化は無理だと思いました。アシスタントを使わない、というより人に上手く指示・指導ができない性分の私は、普段も「1人作業」でどうしようもなく遅筆となり、すでに進行中の他の1作品を作画執筆するとそれでほぼ手一杯になってしまうからです。時間はかかりましたが何とかシナリオを完成させた後は、秋田書店の沢さんに漫画家の人選など制作全体を仕切っていただき、漫画家の室井さんには私には無い持ち味を存分に発揮していただきました。今回本作を評価いただいた事、1人作業の時には無い感慨、喜びを感じています。本当にありがとうございます。

■作画家/室井大資(むろい・だいすけ)
岩明均先生をずっと尊敬していました。1990年、雑誌「宝島」のマンガレビューで、「寄生獣」っていうマンガがヤバいってレコメンドされてて、で、読んで。あんなに脳の汁が出る体験ははじめてでした。それ以来ずっと「岩明均」が好きで。ぜんぶ好きです。
だからほんとに、一緒に仕事できるのが信じられなくて、幸福でした。
「レイリ」という作品の座組みの中に混ぜてもらえて、本当によかった。
レジェンドでありつつ、現役最前線で戦い続けている先生方に、「レイリ」を選出していただけたのは、とても光栄ですし、報われた気持ちになりました。ありがとうございます。
この賞を機に、もっと多くの人に読んでもらえるとうれしいし、賞金50万円もうれしいです。
やはりフリーランスにとっての不労所得というのは何にも代えがたいものなのではないでしょうか。
50万、地味にうれしいです。何を買おうかわくわくします。ありがとうございます。岩明さんと沢さんもありがとうね。

■編集者/沢 考史(さわ・たかふみ)
岩明均先生が12年の歳月をかけて完成させた原作を、一気に読ませていただいた日の感動を忘れることはできません。完璧な何かがここにあると確信しました。そして、室井大資先生という強烈な魅力を発するもう一人の作家が漫画作品としてあらためて生み出してくださった。圧倒的な才能が最高の原作と踊るダンスを目の当たりに出来た幸福。今、担当編集者として、完成した作品へ高い評価をいただけたことに、深い喜びと皆様への感謝を抱いております。

「さいとう・たかを賞」公式サイト

文/今秀生

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