• 生頼範義&平井和正タッグのウルフガイシリーズを中心とした『生頼範義画集』第2弾!
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2020.01.22

生頼範義&平井和正タッグのウルフガイシリーズを中心とした『生頼範義画集』第2弾!

(C)生頼太郎/平井早智

画家・イラストレーターの生頼範義(享年76)と、小説家・SF作家の平井和正(享年79)、お二方が永眠されたのが2015年。奇しくも同じ年に亡くなられた2人がタッグを組んだ作品『幻魔大戦』、そのカラーイラストを中心に編纂した、原画サイズに近い特大A3サイズに印刷した豪華画集『生頼範義画集〈幻魔〉』が、2019年11月に復刊ドットコムより刊行された。
今回その第2弾として、『幻魔大戦』以外の平井和正&生頼範義コンビ作品から編んだ特装本画集が1月末に刊行される。
▲『生頼範義画集〈幻魔〉』より

本書では、平井&生頼コンビによる「ウルフガイ」シリーズを中心に収録。

誇り高き狼男・犬神明が活躍する「ウルフガイ」シリーズは(主人公の年齢の違うヤング版とアダルト版がある)、一番初め、講談社の「週刊ぼくらマガジン」で連載された漫画の原作として誕生した(*1970年/作画は坂口尚)のだが、同誌の休刊により1971年に中断。
しかし、長年の盟友であった編集者・森優(筆名・南山宏=後に雑誌「ムー」創刊の立役者)が早川書房で「SFマガジン」の編集長に就任したうえに、ビジュアルを重視した「ハヤカワSF文庫」を立ち上げたことで、小説として装いを新たにした『狼の紋章』『狼の怨歌』が文庫としてそれぞれ刊行された。ここでシリーズのイラストレーターを担当することになったのが生頼範義であり、その後、『幻魔大戦』へと関係が続いていったのだ。
実は、ハヤカワ文庫として出版される前の「ぼくらマガジン」掲載時に、一度生頼が坂口尚バージョンの犬神明を表紙画として描いたことがあり、その雑誌書影のレプリカが、復刊ドットコムサイトでの購入特典のうちの一つとなっている。ほか、特典レプリカは、新発見モノクロイラストと、『狼男だよ』平井和正直筆原稿・1枚目)。
▲予約特典の直筆原稿の復刻3点セット

本企画では、1983年に発売された『生頼範義イラストレーション II 幻魔世界』(徳間書店刊)に加え、同書を増補した電子書籍版(KADOKAWA刊/2016年/Kindle)発売時点では所在不明のため未収録だったイラストも追加収録される。

『生頼範義画集〈幻魔〉』に引き続き、今回も初回300部限定生産での発売となるので、後々悔いが残らぬよう、即決するもよし、今からじっくり考えておくもよしの特別な画集と言えるだろう。

<著者プロフィール>
生頼範義(おおらい のりよし)
1935年、兵庫県生まれ。1954年、東京藝術大学入学。1957年、東京藝術大学油絵科中退。1962年、イラストレーターとして活動開始。1973年には宮崎県宮崎市に居を移す。1980年、ジョージ・ルーカス製作『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の国際版ポスター・イラストレーションで脚光を浴びる。星雲賞アート部門受賞。2014年、文化庁映画賞功労賞受賞。2015年10月27日逝去、享年79。2016年、日本SF大賞功績賞、星雲賞アート部門受賞。

平井和正(ひらい かずまさ)
1938年、神奈川県生まれ。1961年、早川書房のSF専門誌「S-Fマガジン」の第1回空想科学小説コンテストで奨励賞を受賞しデビュー。1963年、マンガ『8マン』の原作を担当し、その後、テレビアニメ版の脚本も手がける。1971年より『狼の紋章』を始めとする小説「ウルフガイ」シリーズ、1979年より石ノ森章太郎との共作マンガに基づく小説「幻魔大戦」シリーズの刊行を開始し、ともにベストセラーを記録。1994年には国内最初期のオンライン小説となる『ボヘミアンガラス・ストリート』を発表し、注目を集めた。2015年1月17日逝去。享年76。

文/村北恵子

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