戦国時代から2030年の東京へタイムスリップしてきた武士の神崎千水と忍の真田兼六。この2人が人間を怪物にしてしまう脅威のウイルス「ジビエ」打倒のため、タッグを組む。7月から放送が始まる『ジビエート』は、キャラクター原案を天野喜孝が担当するなどレジェンド級のクリエイターが参加する注目作。その魅力を、青木良[企画・プロデューサー]×天野喜孝[キャラ原案]×小美野雅彦[監督]の3人が紹介!
キャラクター原案は
天野喜孝の「精神の形」
青木 天野さんご自身の絵と、キャラクターデザインも担当している小美野(雅彦)監督の絵を見比べてどうですか?
天野 かっこいいですよ。僕の絵はアニメにしにくいと昔から言われていますしね(笑)。
青木 実際、アニメーションにしにくい絵でしたか?
小美野 僕は、『ジビエート』に登場する神崎千水や、真田兼六などのキャラクター原案は、天野さんが生み出した「精神の形」だと捉えています。その精神を入れる肉体をどう作るか、アニメーションとしてどう動かすか、というところを考えているだけで、大変さを感じたことがないんですよね。
天野 本当ですか(笑)?
小美野 世代的に、ちょうど小学校高学年から中学校の時に、ファミコンソフトの「ファイナルファンタジー」が出てきて、結構すごく刷り込まれているっていうとおかしいですけど、自分の中で刷り込まれてきた天野先生のイメージがあったりするので、悩むことはないです。ただ、まだ未完成なので、完成度はここから上げていきますよ!
青木 どうですか? そっくりですか?
天野 僕は絵ができた時点で自分としては完成なんです。自分の絵ができた時点で、どう使われるというのは第三者に委ねるというか、好きに料理をしてもらうのがいいと思っています。詳しい人が描くのがやっぱり一番いいですからね。そんな感じで『ジビエート』のキャラクター原案もやっています。
小美野 楽しんでやらせてもらってます(笑)。
青木 僕も小美野さんのキャラクターデザインは魅力的だと思っています。
天野 ヒロインも可愛いし、主人公も個性的だし、どう動くかとても楽しみです。
青木 ちなみに今だから言えるのですが、兼六の髪の色が青で上がってきた時に、すごく驚いたんですよ。でもすぐに「これは面白い!」と思いました。アニメでは最初黒髪で登場するのですが、最初のほうのエピソードで青く染めるストーリーに組み替えました。
天野 あ、そうゆうことか。へ〜。
キャラクター人気は
満場一致で雪之丞?
青木 小美野さんは初監督ですね。
天野 監督って、演出とはまた違うんですよね。
小美野 そうですね。やっぱりいろいろな先読みといいますか、全部決めて周りに言わないと何もスタートしないですからね。
青木 天野さんは、監督をやろうと思ったことはないんですか?
天野 絵コンテは書いたことあるんですけどね。監督は、大変ですよ。チェックしないといけないですし、家帰れないし(笑)。
小美野 帰れないですよね〜。1月に1回帰れればいいほうです。ただ楽しんでやってますよ。アニメを作るのが好きなんですね。さまざまなステージイベントをクリアして完成に1歩ずつ近づくと、だんだん自分の手から離れていく感覚があるんです。アニメーターでも、演出でも、監督でも。作っているアニメが自分のものじゃなくなっていく感じがなんか快感なんです。最後に納品したら、完全に自分のものじゃなくなる。
青木 小美野さんはこれまで、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズとか『バキ』シリーズとか、ハードな作品が多いですよね。
小美野 そうですね。ただ、それ以外にもいろいろな作品に関わらせていただいていますよ。可愛い女の子も描きましたし、モンスターもやりましたし、もちろんメカとかも。ただ、筋肉が好きなので、『ジョジョ』や『バキ』は楽しかったですね。
青木 その感じでいくと、描くのが好きな『ジビエート』のキャラは誰でしょうか?
小美野 僧兵の雪之丞だったりします。彼の筋肉は好きですね。
青木 顔は?
小美野 兼六ですね。表情芝居を豊かにしようと思っています。
青木 天野先生は自分が描いたジビエートのキャラクターで好きなのは誰ですか?
天野 僕も雪之丞かな。表情豊か。個性が出るからね。
青木 満場一致(笑)。