ナメられないよう主役もツッパる！『仮面ライダーX』ブルーレイ発売記念！速水亮＆新堀和男囲み取材レポ!!

『仮面ライダー』『仮面ライダーV3』に続くシリーズ第3弾として放送された、『仮面ライダーX』（1974年2月〜10月毎日放送・NET系にて放送）のBlu-rayが東映ビデオから登場！　本日2020年3月11日(水)に「仮面ライダーX Blu-ray BOX1」が発売され、2020年5月13日(水)に「仮面ライダー X Blu-ray BOX2」が発売されます。

さらに今回、仮面ライダーX／神敬介役を演じられた速水亮さんと、仮面ライダーXを中屋敷鉄也（現：哲也）さんと共に演じたスーツアクターの新堀和男さん（現：レッド・エンタテインメント・デリヴァー代表取締役社長）による新規映像特典も収録されています。　

そこで昨年末に新規映像特典の収録に合わせて行われた、速水亮さんと新堀和男さんによる囲み取材の模様をお届けします。


◆ナメられないよう主役もツッパる！

ーー当時のことで特に印象に残っていることを教えてください。

速水　さっき（特典映像の収録で）結構しゃべっちゃったからね。撮影現場に女性がいないということですかね（笑）。

新堀　ああ、それありますね（笑）。

速水　何しろ男ばっかりの飯場みたいなところですよ。日々現場が楽しいとか、そういうことはない（笑）。

新堀　自分なんかの思い出っていったら、当時は右も左もわかんないところで演じてきたわけだから、本当に頭がパニクるっていうか、それが思い出ですよね。

速水　それは俺も一緒だよ。子供番組で主役やるの初めてでしょ。立ち回りから何から経験ない事をやるわけじゃない。それで大野剣友会（当時は新堀さんも所属）の命知らずどもがさ、高いところから飛び込むわ、ええ〜！　死ぬぞそこって思うところへ平気で入ってやるわけでしょう。まるでそのへんにタバコでも買いに行くみたいにさ、「ハイッ」て飛び降りていくわけ。それを見てたらこっちも刺激を受けるでしょう。だから最初の頃は相当プレッシャーを受けたよね。こいつらには負けないって。それが（結果）いい事だったんだけど、歴代のライダーにはそういう命知らずの剣友会の連中が30人ぐらいいるわけで、こっちは一人じゃない？　でも主役だから負けちゃいけない。こいつらにナメられたらアウツって思って、ナメられないように主役もツッパるわけ。本当は足が震えてるんだけどなぁ（笑）みたいなところを、「OK、いくよ」ってやるわけね。そういう思い出がいっぱいあるよな。

新堀　まぁ、そうですねぇ。

速水　（新堀さんを見ながら）彼なんかのライダー見てればわかるでしょう？　「トゥ！」って言ったら一番高いところにいるでしょ。エンドタイトルのさ、マンション屋上でのシーン、あれだって落っこちたらみんな死ぬところだもんな？

新堀　（笑）

速水　そんなところで日々戦ってるから、楽しいとかないよなぁ。

新堀　そうですね。

速水　弁当や飯くらいだわ、楽しいっていうのは。

新堀　俺はお面を被ってても、速水さんが台詞を入れてくれるわけじゃないですか。だから俺の場合、台詞があるときがね、例えば１行２行ぐらいあるともうドキドキですよ、やっぱり。そういうのはいい経験になりました。

速水　新人の頃は、（カチンコを）カチンとやられてすぐにセリフが言えず、ずーっとNG出したって人もいる。『座頭市』って作品に出たとき、茶娘みたいな役で座頭市の前で「いらっしゃいませ」って言うだけなんだけど、二十数回やったの。「いらっしゃいませ」って誰でも言えると思うじゃない？　でも台詞が出てこない、それが撮影ってものなんだよね。

新堀　俺の場合は面を被って「本番」って言われて、途中で間違えて「ああああ〜」って言ったら、「バカヤロウ！　この野郎ッ！」って師匠に怒られるわけですよ。「もう一回ッ！」って言われて……もう〜〜〜恥！　だから俺ら演じる人間って人前で恥をかかないとダメなんですよね。アクションなんかもね、いい加減にチャッチャチャッチャチャッチャチャ〜♪　ってやってるんですよ。アクションはもう目を瞑ってもできるぐらいの感じになっていましたから。でも芝居とアクションとの難しさっていうのは痛感するんですよ、やっぱり。

速水　それは違うよね。

新堀　違いますねぇ。