• 京都国際マンガミュージアム企画展『荒俣宏の大大マンガラクタ館』開催!
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2020.04.27

京都国際マンガミュージアム企画展『荒俣宏の大大マンガラクタ館』開催!

荒俣宏・原作、高橋葉介・作画「帝都物語」原画(C)高橋葉介

京都国際マンガミュージアムでは、2020年5月11日(月)から8月25日(火)まで、館長・荒俣宏氏を紹介する企画展『荒俣宏の大大マンガラクタ館』を開催する。

京都国際マンガミュージアムでは、「世の中に忘れられたマンガの先祖たちを掘りおこし、現代マンガのルーツをさぐる」ということを目的に、荒俣館長が企画し、プロデュースする「大マンガラクタ館」という小展示シリーズを展開している。
「マンガラクタ」というのは、マンガを含め「だれかに発見されないかぎり、ずっとゴミくず同然に埋もれてしまう」ガラクタこそを面白がる、という価値観を示した館長による造語。本展は「大マンガラクタ館」の特別拡大版として企画されたもので、プロデューサーは荒俣館長本人だ。

ある意味、子どもの頃から「大マンガラクタ館」の館長だったと言える荒俣宏氏。多くの人が見向きもしなかったモノ、コト、ヒトを集め、文章や絵を書いたり描いたりすることで評価してきた人生を、館長自身のコレクションや創作物などで紹介していく。

【展示構成】
※『コーナー名』は、すべて、荒俣館長の著作名

『漫画と人生』
荒俣館長と荒俣家のヒストリーを、荒俣少年が影響を受けたマンガや当時の絵画作品、青年時代に投稿したマンガ作品や同人誌などの現物資料で紹介する。

<展示資料>
・荒俣少年による小・中・高校時代の絵画作品やマンガ作品(原画)
・後にマンガ家となる実妹・志村みどりが所属し、荒俣青年も妹の名で投稿していた同人誌『東京ジュニア』 ほか

『怪奇文学大山脈』
高校時代より、日本にほとんど紹介されていなかった海外の怪奇文学、幻想文学を洋書で読み漁り、大学時代には同ジャンルのサークルを主催していた荒俣館長。後の作家活動に直接つながる、自ら挿絵を付けた翻訳や創作を載せた同人誌などを紹介。

<展示資料>
・荒俣青年らによる怪奇・幻想小説の同人誌、挿絵の原画
・荒俣青年らによる同人アニメ ほか

『アラマタ美術誌』
一般的には「アート」とはみなされてこなかった、ファッション画やピンナップガールのイラスト、大衆小説の挿絵などの貴重な版画や原画のアラマタコレクションを紹介。

<展示資料>
・橘小夢(たちばな・さゆめ)作品(原画)
・20世紀のヴィジュアル雑誌を彩ったファッション画(版画) ほか

『図鑑の博物誌』
図鑑の博物誌博物学者としての荒俣館長の名を確固たるものとした「世界大博物図鑑」シリーズ。この大著などにも登場する18~19世紀の美しい博物画や、少年時代からすでに生物学者であったことをうかがわせる精緻な魚類観察日記などを紹介。

<展示資料>
・博物画(手彩色銅版画)
・世界初の原色魚類図鑑『モルッカ諸島魚類彩色図鑑』
・荒俣少年による魚類観察日記 ほか

『奇っ怪紳士録』
いま、荒俣館長が最も注目している「奇っ怪紳士」のひとりである三田平凡寺(みた・へいぼんじ、1876~1960)を紹介。大正時代に自宅にローラースケート場を作ったり、ヘンなモノコレクターたちの団体「我楽他宗」をオーガナイズしたりした稀代の「趣味人」として、知る人ぞ知る存在だった平凡寺。その孫でもあるマンガコラムニスト・マンガ研究者の夏目房之介氏ら御遺族からお預かりした膨大な資料から、その一部をお披露目する。

<展示資料>
・三田平凡寺による日記や小説、絵画など(現物)
・「我楽他宗」に関する資料(会誌、会合写真など)
・平凡寺の絵の師匠であった小林清親による掛軸(原画) ほか

『帝都物語』
荒俣館長の名を世に知らしめた長編小説にして代表作「帝都物語」をテーマにした部屋。同作を原作としたマンガ、イラストの原画作品等や、実相寺昭雄(じっそうじ・あきお)監督による映画版『帝都物語』の関連資料を展示する。

<展示資料>
・高橋葉介「帝都物語」マンガ原画約180点
・藤原カムイ「帝都物語」マンガ原画(複製)約180点および制作資料
・寺田克也イラスト「映画版帝都物語之図」(『帝都Blu-ray COMPLETE BOX』より)(デジタルプリント)
・映画版『帝都物語』の台本、絵コンテ(コピー)
・小説「帝都物語」初出の『月刊小説王』(冊子) ほか

【展覧会全体の(裏)テーマ:〈(マンガ)ミュージアム〉とは何か?!】
荒俣館長が研究してきた博物学史や「驚異の部屋(ブンダーカマー)」、衛生博覧会などは、「ミュージアム」が今のように制度化される以前の、面白いものはなんでも取り入れようとした混沌状況だと言える。この〈原プレミュージアム〉を、「マンガ」というサブカルチャーが「ミュージアム」と出会うようになっている現在と重ねつつ、「そもそもミュージアムって何なんだろう?」ということも考えていく。

荒俣宏・原作、高橋葉介・作画「帝都物語」原画(C)高橋葉介

アニメージュプラス編集部

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