• アップアップガールズ(2)鍛治島彩が語る、新曲「どのみちハッピー!」と大好きな音楽のこと《前編》
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2020.05.29

アップアップガールズ(2)鍛治島彩が語る、新曲「どのみちハッピー!」と大好きな音楽のこと《前編》

鍛治島彩/かじしま あや 1999年7月21日生まれ。千葉県出身。20歳。アプガ(2)の初期メンバーのひとりであり、鼻リコーダーの人としても有名。2020年11月20日放送「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)の「足が臭くてブーツが脱げない女子SP」にアイドル代表として出演し、その必死さから「足臭いより嘘臭い」との褒め言葉をもらった。YouTubeでMVが公開されたアプガ(2)の新曲「どのみちハッピー!」の作曲を担当し、作曲家としての道も歩み始めたばかり! 特技:鼻リコーダー、バスケットボール


■ワクワクして欲しい新曲へ込めた想い

鍛治島 中止になってしまったんですけれども、2020年のライブハウスツアー、柏での凱旋公演で「どのみちハッピー!」は初披露しようと思っていたんです。ソロコーナーでひとりでなにをやったとしても、みなさんの想定内なんじゃないかって思っちゃって、それで悩んでいたんです。わたしは、特別なにかが優れているわけじゃないので、ひとりでやってもつまんないかもって。ならば、温めていた曲を出すか、と。それで社長に相談したら、「やろう!」と言ってもらえて。

ーー山田社長のOKがでて、それで一気に進んだというわけですね。

鍛治島 社長に言うのが、一番緊張しました。すっごい、ちっちゃい声で言いました(笑)。

ーー(笑)。その段階では、曲はどれくらい出来ていたんですか?

鍛治島 もうほとんど、できあがっていたんです。それに、その時の気持ちを入れたかったのでちょっと変えたりして。michitomoさん(アプガ(2)の楽曲を数々手掛ける音楽プロデューサー)のお力を借りて、電話でいろいろ教えていただいたりして。それで「ソロ曲にするの? アプガ(2)の曲にするの? グループの曲にするならバランスを考えなきゃ」とか言われました。そこでまた、すごい悩んだんです。やっぱり鍛治島のソロ曲ならわたしがやればいいからいくらでもできるし、もし失敗だったとしても自分だけだし。でもわたしは、どうしても自分の曲をメンバーに歌ってもらうのに惹かれるものがあって、「グループの曲にしたいんです!」って言ったら、OKをもらうことができました!

ーーmichitomoさんからは、どんなアドバイスがあったか覚えています?

鍛治島 michitomoさんにはまず、「この曲は鍛治島ソロならいいけど、メンバーは歌えないかも知れない」と言われました。メンバーのことを考えて作ったつもりだったんですけど、やっぱり自分の中で完結している部分があって、ものすごく複雑な曲になっていたんです。それに、鍛治島の歌いたいリズムとか音域になっていると。鍛治島のリズムとか音域って独特なんですよ。それにユニゾンで綺麗に聞こえる音とかリズムとか、勉強不足でそういうのもわからなくて。そういうことをたくさん教えていただいて、すっごく勉強になりました。

ーーなるほど、そういうことも考えて、作曲しなければいけないんですね。

鍛治島 あとは本当に、いろいろなことを聞いてくださいました。どんな曲にしたいか、どういう構成にしたいか、ここはどうしたいのか…たくさん聞いてくださったので、自分がやりたいことをちゃんと伝えることが出来ました。本当にmichitomoさんがめちゃくちゃ協力してくださって! 嬉しかったです!! 

ーーmichitomoさんによる編曲もかなり凝っていますよね。

鍛治島 本当ですよ! あんなに華やかにしてくれて! わたしはブラスを入れたいという要望をしただけなんですけどね。わたしが吹奏楽部に入っていたのもあり、スカパラさんが好きだというのもあり、とにかくトランペット、トロンボーン、ホルンといったブラス、金管楽器がすごい好きなんです。金管楽器って、聴くとすごく元気になりません? 

ーーなるほど! それでブラスなんですね。

鍛治島 そうなんです。ピアノももちろん元気になる曲はありますけれども、ブラスって本当にハッピーを与えてくれるんですよ! もう本当に大好きで、個人的な癖(へき)かもしれないですけど(笑)、それでブラスを入れて欲しいとお願いしたんです。それでmichitomoさんに「スカパラさんっぽくなったら嬉しいです」と言ったら「じゃ、スカにしよう」と言ってくださって! 「え~! いいんでスカ~!?」ってみたいな(笑)。

ーー(笑)。山田社長は、YouTubeの生配信で「鍛治島はワクワクばっかり言っていた」と発言していました。

鍛治島 鍛治島と言えば、カジターテイメントとか言わせてもらっているんで、普通の曲を作ってもダメなんですよ。だから、ワクワクポイントをいっぱい詰め込ませてもらいました。まずは鍛治島が作曲をしたということにワクワクしていただく。2つめは、メンバーだけじゃなくファンのみなさんのパートも作っていっしょに歌ってワクワクしていただく。そのために「ららら」という歌詞をアプガ(2)では初めて入れてもらって、歌いやすいメロディや音域にして、大合唱できるようにして! 3つめはメンバーが年齢順に下から順番に歌うパートがあるんですけど、そこはそれぞれが曲に1回しか出てこない歌詞とフレーズにしたところです。それは絶対作りたかったんですよ! サビは曲中に何回も出てきますけど、そこは1回だけ。ここはそのメンバーしか歌えない音を作りたくて。ファンのみなさんもそこで推しを盛り上げていただきたいなって! 4つめはこれまたすごく悩んだんですけれども、社長にギリギリで「セリフを入れたい!」って相談して入れてもらいました。アプガ(2)といえばやっぱりセリフなので、メンバーが作った曲ならセリフがないと! それで冒頭にセリフを入れる作戦が成功いたしまして、勝ち取りました!

ーー作戦だったんですね(笑)。あそこはかじぃが自宅でひとりで録音したんですよね。

鍛治島 そうなんですよ! レコーディングはもう2月くらいには済んでいたんですが、セリフだけは自粛期間に入ってから、おうちで自分で録音しました。それも1つ、ワクワクに加えておきましょう。

ーーそれもワクワクなんだ!?

鍛治島 そうなんです。さらには、音源では鍛治島がセリフを言っていますが、ライブではどうなるんでしょうか? っていうワクワクも実はありまして。鍛治島が言うのか、はたまた別のメンバーが言うのか、いや日替わりで毎回違うかも…みたいな。ライブでも毎回ワクワクできると!

ーーなるほど! それは、ライブで観られるのが楽しみです!

鍛治島 とにかくワクワクをいっぱい散りばめているんです! もう鍛治島の曲なんで、とにかくデンジャラスにしたかったんですよ!!

ーーデンジャラスなんだ!?

鍛治島 (笑)。ワクワクは、デンジャラスですよ! 鍛治島ですから、普通ではなくしたくて!

ーー作詞が、山崎あおいさんというのもワクワクのひとつですね。

鍛治島 その通りです! 作詞に関してはもうお任せだったんで、鍛治島の力ではないんですけど(笑)。誰になるのかと思っていて、いざ決まったら山崎あおいさんだったと! ヤバいですよね! 本当にビックリしました!! 山崎さんはハロプロさんの曲たくさん作詞されていますし、JuiceJuiceさんの『「ひとりで生きられそう」って それってねえ、褒めているの?』は、メンバーみんな大好きなんですよ。一時期楽屋でよく流してみんなで歌ってました(笑)。アプガ(2)に初提供なのに、それが鍛治島の楽曲って! 嬉しい反面、プレッシャーもありましたけど(笑)。

ーーいただいた歌詞を最初に読んだときはどういう感想を持ちました?

鍛治島 自分が曲を作ったときは、まだ未知の世界という感じで、すっごく不安だったんです。ちゃんとこれが世に出るのかとか、失敗ではないのかとか。ですが山崎さんが詞を入れてくださったら、魔法がかかったように、花が咲いたみたいな感じで彩ってくださって、めちゃくちゃ華やかになって、この曲が世に出るんだと感じて、ズッキューン! って心を撃たれましたね。もう本当に、嬉しかったです。

ーー歌詞に関しては、かじぃは要望などを伝えたんですか?

鍛治島 去年の最後あたり、わたしのSHOWROOMのコメントとか、Instagramのコメント欄で、なんかしょんぼりしたコメントが目立つようになっていたんですよ。そんなみなさんを、ハッピーにするのがわたしたちの役目だなとずっと思っていて。これまでわたしたちがファンのみなさんにたくさん助けていただいたので、わたしたちがみなさんの力にならなきゃって。みなさんが辛いときに、ちょっとでも私たちが力になれればって。だからこの曲を聴いて「大変だけど、明日もがんばろう!」と思ってもらえるような歌詞にしたかったんです。わたしたちがこうありたい、わたしたちを象徴する曲が欲しくってお願いしました。

ーーファンのことを考えて、そうしたんですね。

鍛治島 これまでの曲にも、元気になれる曲はもちろんたくさんあります。ライブで盛り上がる曲もたくさんあります。でもわたしが楽曲を作るなら、ライブで盛り上がるのはもちろんですけど、遠くにいても曲を聴くだけで元気を伝えられる曲にしたかったんです。遠くから応援してくださって、なかなかライブに行けないというかたもたくさんいるので。でも、それを遥かに越えてくるものを山崎さんが書いてくださいました! 具体的に情景も浮かぶし、印象に残る大切な言葉が散りばめられていますし。これまでいろいろな楽曲をいただいていますけれども、自分で作曲することで、歌詞のすごさというものを改めて考えさせていただけるきっかけにもなりました。楽曲制作に関わらせていただいたことに、感謝しています。

ーーこの自粛期間に発表されるのに、ふさわしい曲にもなっていますね。

鍛治島 制作している時には、まさか自粛期間に入って、ライブができなくなるなんて考えてもいなかったんですけれども、そういう風に考えて曲を作ってよかったなと思っています。音楽の力を改めて感じましたね。会えなくても、わたしたちの笑顔をみなさんに伝えられる曲になっていればいいなと思います。

ーー伝わっていると思いますよ。自分も最初にラジオ(「杉作J太郎のドッキリナイト3」(南海放送)、木曜日の番組内番組、アプガ(2)の所属する事務所のタレントが登場する「ヤムヤムヤミー」)で流れた聴いたときに、泣きそうになりましたから。特に最後の、全員のユニゾンは泣けますよね。

鍛治島 ありがとうございます! 曲の前半、Aメロとかは最後音が落ちるフレーズにしてあるんですよ。転げ落ちるのって一瞬じゃないですか。あんなにがんばってたのに、コロコロコロって落とされることって多いじゃないですか。そういうのをAメロには込めていて。でもサビはすべて、最後の音は上げているんです。ひとりじゃなくて、メンバーみんなで歌っているところは絶対に上げているんです。「み~んなでいると、上がっちゃうよね!」っていうことを伝えたくって!

ーーなるほどなるほど! そこまで考えて作曲しているんですね!

鍛治島 素人なりに、意外といろいろ考えたんですよ! 最後のユニゾンを聴いてジーンときたという感想も多くて、ちゃんとみなさんに伝わっているのかな、響いているのかなって、そうなら嬉しいですね。

アニメージュプラス編集部

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