カプセルトイ、いわゆるガチャガチャ。基本電源不要の自動販売機で販売される、プラスチックのカプセルにフィギュアなどの玩具が入っている商品だ。
ちなみにガシャポンはバンダイの、ガチャはタカラトミーアーツの商標となっており、一般名としてはガチャガチャが用いられることが多い。
カプセルトイ業界は今、おそらく何度目かの戦国時代を迎えている。
現在、カプセルトイメーカーはアニメージュプラス調べで約60社。それらが限りある売り場を争い、しのぎを削っている。
アニメ・漫画・特撮などのキャラクターものももちろん人気があるが、ノンキャラものや各社の独自キャラクターものも非常に高い人気を得ている。ノンキャラものはアニメファンではない一般層からも支持を広く得て話題のタネとなることも少なくない。
そのノンキャラものの中でも、特に注目を集めているのが「ネイチャー系」「ミニチュア系」「ギャグ系」である。
ここではアニメージュプラスで過去に紹介し、人気の高かったアイテムを例にその魅力を探ってみよう。
<ネイチャー系:例「すずめばち」>
カプセルトイのライバル的存在である食玩では、1999年に「チョコエッグ 日本の動物コレクション第1弾」が一大ブームを引き起こした。以来、食玩・カプセルトイではリアルなネイチャー系が大きな勢力となっている。
「ネイチャーテクニカラー」シリーズを展開し、社名からしてネイチャー系中心であることをアピールする「いきもん」という会社まである。
そして近年、カプセルトイ最大手にしてキャラクターものの王者バンダイが「いきものシリーズ」でこの分野に乗りこんできた。
「いきものシリーズ」はダンゴムシやマンマルコガネなどの丸くなる生物をフィギュア化、その変形を再現した商品だ。
通常カプセルトイにはカプセルの容積という大きさの限界がある。しかし「いきものシリーズ」は販売機から本体がそのまま出てくるカプセルレスのアイテム(一部保護カバー付きのものあり)になっており、伸ばした状態のダンゴムシで全長約15センチという大ボリュームになっている。
これまでのネイチャー系はサイズは小さいが造形と彩色とリアルさにこだわった固定フィギュアが主流だった。それに対し「いきものシリーズ」は、成形色パーツを大胆に使ったビッグサイズの可動フィギュアという新境地を開拓したのである。
現在「いきものシリーズ」の最新弾としては、丸くならない生物だが「すずめばち」が6月第3週に発売予定だ。オオスズメバチで全幅20センチというその大きさを体感してみていただきたい。
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