• マニアの方、期待を裏切りません! 『がんばれいわ!!ロボコン』 鈴村健一インタビュー
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2020.08.03

マニアの方、期待を裏切りません! 『がんばれいわ!!ロボコン』 鈴村健一インタビュー

(C)石森プロ・東映



ロボコンってこんなでしたっけ?

――新しい、令和のロボコンの印象はいかがでしたか。

鈴村 こういう作品なので端的に言いますし、他意はないと思っていただきたいんですが、「ロボコンってこんなでしたっけ?」という感じでした。
昭和のロボコンが大好きで、子どもの頃に毎週観ていたんですよ。初代のロボコンは74年放送で僕と同い年なので、僕が観ていたのは再放送ですが。子どものころ見ていたロボコンは、いつも頑張っているけど0点しかとれなくて、劣等生だけど頑張る、ロボット根性ものとして作られていたんですよ。当時「スポ根」という言葉が流行っていて、スポーツ根性ものをロボット根性ものでやるならロボコンじゃないかっていうことで、『ロボコン』という名前になったというバックボーンがあるんです。だから泣けるシナリオだったり、どれだけ頑張ってもダメなときはダメとか、そういうことを伝えていました。それでもロボコンは健気に頑張るという話で、どちらかというと人情物の話ですよね。
今回不条理により上からテクスチャが覆いかぶさったことによって、人情物を受け取るのにすごく時間がかかるんです。これを人情として見ていいのかって。「これ人情だよね?」とよく考えるとわからない。令和のロボコンは逆にすごくスタイリッシュになったと僕は受け止めていています。昔のドラマって「クサイ」ってよく言われるじゃないですか。根性ものなんてカビが生えた世界観なわけですよ。そういう話が今の時代にヒットするのか? という話もあるわけですよ。そう考えると、今っぽいロボコンという考え方があるのかなって思うので、僕が最初思った「ロボコンってこんなだったっけ?」というのは、まさに今の時代にシフトした結果、起きている現象だと僕は解釈しています。

――ロボコンはいつも0点をとっているという設定ですが、最近鈴村さんが「0点だな」と思ったこと、「満点だな」と思ったことをそれぞれ教えてください。

鈴村 0点、ありました。今餃子にハマっているんです。この作品も中華なのでぴったりかもしれませんね。ここ数週間、やたら餃子を焼いているんです。餃子をうまく焼くためにいろいろなことを試しているんですが、すっごくおいしそうな鹿児島黒豚が入った餃子が手に入りまして。これはうまく焼かないといかんぞっていうものを、見事に焦がしまいました。でも捨てられないので皮だけ削いで中の餡だけ食べるという、餃子に対して0点の焼き方をしてしまったな……と思います。本当に反省してます。火が強すぎたみたいで……難しいんですよ。
逆に満点は、『ロボコン』のオーディションに受かったこと。たまには自分を褒めてあげよう、よく頑張った! オーディションって、とてもプレッシャーを感じるし、気合が入っちゃいます。大体気合が入りすぎると落ちるんですが。気合を入れたことが功を奏したって、なかなかないことですし、褒めてあげたいですね。

――特撮ファン視点を込で、作品と汁なしタンタンメンの見どころをお願いします。

鈴村 汁なしタンタンメンに関して言えば、汁なしタンタンメン型ロボットが出てくるとお考えの方も少なからずいると思うし、『ロボコン』や浦沢義雄さんのシナリオを知らない人は、概ねそう思ってる人が多いと思うんですが、ただの汁なしタンタンメンが出てきます。ひとつキーポイントなのは、元は「汁ありタンタンメンだった」ということです。ここが見どころですね。
それから特撮ファン視点で言うと、ちょうどラジオ番組「ONE MORNING」の放送中に『がんばれいわ!!ロボコン』に出演する情報が解禁されて、「汁なしタンタンメン役おめでとうございます!」とメールをたくさんいただいたんです。特撮をよく知らないけど『ロボコン』の名前くらいは知ってるかなっていう人からのメールは「どんな役なんですか」、「汁なしタンタンメン型ロボットなんですか」、「子ども向けで楽しそうな作品ですね」などが書いてありました。それと同時に、特撮マニアの方からもメールやSNSで反応をいただいたんですが、「汁なしタンタンメン・ロボコン・浦沢義雄・ハハン、大体わかったぞ」と投稿している方がいらっしゃいました(笑)。その方たちと、全特撮ファンの方にだけ、今ここでメッセージを出させていただきますと、浦沢さんと中華でプロファイリングしたアナタ。ほとんど合ってます。絶対期待を裏切りません。アナタが想像した通りの『ロボコン』が待ってますので、ぜひ劇場で「やっぱりそうだった」と確信していただきたい。それだけを切に願います。特撮ファンとして。

(C)石森プロ・東映

文/阿部雄一郎

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