• 待望の公開!『映画 ドラえもん のび太の新恐竜』を今井一暁監督が語る
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2020.08.06

待望の公開!『映画 ドラえもん のび太の新恐竜』を今井一暁監督が語る

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

『映画 ドラえもん』の40作目となる『のび太の新恐竜』が8月7日、待望の公開となる。
映画1作目『のび太の恐竜』にリスペクトを捧げつつ、まったく新しい冒険物語を描き出す本作。
その見どころや、ストーリーに込めた思いについて、今井一暁監督が語ってくれた。
(*情報元:アニメージュ2020年4月号より)



恐竜を通して描く"多様性"の物語

ーー記念すべき映画40作品目の監督を務めたお気持ちは?

今井 本当に大きなチャレンジで大変でした(笑)。映画の第1作が1980年の『のび太の恐竜』で、声優さんを一新して新体制で2006年に公開されたのが『のび太の恐竜2006』。大きな節目の作品で藤子・F・不二雄先生がお好きだった恐竜をテーマにする形になっていて、今回も「恐竜でお願いしたい」というオーダーをいただきました。

ーーそれは藤子プロさんからのオーダーということですね。

今井 そうです。前作『のび太の宝島』の制作が終わってボロボロの時に「2年後が『ドラえもん』連載開始50周年で、映画40作品目で、東京オリンピックの年で(注:このインタビューはオリンピック開催延期が発表される前に行われた)。そういうタイミングだから “恐竜” でやってくれないか」とお話をいただきました。そして、そのお題を与えられただけだったので、もう本当に「どうしよう……」というところからスタートしました。

ーーそこから川村(元気)さんと打ち合わせをして、という流れで?

今井 そうですね。『のび太の宝島』の時もそうでしたが、今回はさらに最初からベースがない状態で、川村さんと作っていった形です。物語の大きな枠組みは、あえて『のび太の恐竜』を踏襲しました。そして、藤子先生が『のび太の恐竜』を描いた時から40年近くの歳月が経っていますので、新しい恐竜の知識や学説を取り入れていったらどうなるのかを踏まえ、かつてはピー助が生まれてきた卵から、今回はキューとミューという2匹の滑空することができる恐竜が生まれてきて、そこから異なる物語が進んでいくという構成になっています。
恐竜についていろいろ調べたり、博物館に行ってみたり、川村さんとあれこれ話してみたりする中で出てきたのが、“進化” というキーワードです。仲間とは異なる特徴が、環境の変化に偶然適応して、時に思いもかけない歴史をつくることがあるかもしれない………というところから、「他人と違う」ということをどう考えたらいいのか、その意味のようなものを表現できるのではないかと思ったんです。オリンピックイヤーということで “ダイバーシティ=多様性” が社会的にもテーマとなっている昨今、恐竜を通してそういった部分も描けるのではないかと気づいて。そんなところも手掛かりにしながら、物語を組んでいきました。
さらには、のび太くんとキューやミューの成長物語でもあるし、親子の物語という面もあります。

ーー原作でも時折、ほんの少しだけ成長するのび太を描いたお話があります。

今井 そうですね。でも、またすぐ元に戻っちゃうんですけどね、のび太くんは(笑)。とはいえ、観てくれる子どもたちがのび太くんに感情移入して、劇場に来た時とはほんの少し違う気持ちで帰ってくれたらいいのかな、と。

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2020

アニメージュプラス編集部

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