『ガールズ&パンツァー』や『SHIROBAKO』などを送り出してきた水島努監督による美少女×レシプロ戦闘機アニメ『荒野のコトブキ飛行隊』(以下、『コトブキ』)が完全版となって9月11日に劇場公開されます。そんな『荒野のコトブキ飛行隊 完全版』にキリエ役として出演される鈴代紗弓さん、エンマ役として出演される幸村恵理さんに作品の魅力や見どころ、演じる楽しさや難しさを熱く語っていただきました! お二人の仲の良さもうかがえる対談をお楽しみください。
――映画化決定おめでとうございます! まずは映画化のお話を初めて聞いた時のお気持ちをお聞かせいただけますか?
二人 (顔を見合わせて)いや~~~~、ねぇ(笑)!
幸村 もう本当に待ちに待った! という感じでした。『コトブキ』の現場が本当に居心地の良い空間だったので、12話で終わるのがもったいないなと思っていたんです。今回、劇場版だけでも嬉しいのに、MX4Dまで! 『コトブキ』って本当にMX4Dにピッタリな作品だと思うんです。だって、ガーっとかドーンとか動くんですよ⁉ もうすっごく楽しみです!
鈴代 私は、TVシリーズの時に劇場で行われた先行上映会が印象に残っていて。大画面の劇場ならではの空戦シーンの迫力が凄かったんです! 凄いとか抽象的で申し訳ないんですけれど、とにかく凄くって(笑)。『コトブキ』の一ファンとしても、これはもう一度劇場で見たいなと思っていたので、今回の映画はとにかく嬉しくて……。今までも、この作品でグッズやイベント、キャラクターソングに、アプリゲームまでいろいろな展開をさせていただいていて、それだけでも有難いのに、劇場版、さらにMX4Dまで決まったので、何だか(アニメに関する展開)フルコンプ! みたいな。本当に幸せだなと思いましたね。
幸村 右に同じとしか言いようがないですね(笑)
▲息の合った掛け合いでどんどん話が進んでいきます
――劇場版の一報を聞いた時は嬉しかった?
鈴代 そりゃもう、嬉しかったです! しかも新作カットがあるという!
幸村 そうなのよ!
鈴代 純粋に、またアニメのアフレコができるというのが嬉しかったですね。
――喜びいっぱいの映画化決定だったんですね。ちなみに、最初はTVアニメとして放送されていた『コトブキ』ですが、初めて作品に触れた時の印象はいかがでしたか?
鈴代 オリジナル作品ということもあって、初回のアフレコに向かう時に持っている資料は、オーディションの時にいただいていた設定資料くらいだったんです。だからどんな感じになるんだろうとワクワクしていましたね。それと、水島監督の作品が元々好きで、テンポとかもきっと早いんだろうなと予測はしていたんですが、いざ初回のアフレコが始まると、思っていたよりもまぁ早くって(笑)! 最初はそのテンポ感についていくのが必死でした。
幸村 アフレコ前に今後の作品展開を教えてもらう会議みたいなのがありまして、そこでキャスト6人で作品の世界観とかの説明をざっくりと受けました。
鈴代 あの、アプリゲームや放送前のイベントの話を聞いた時だよね?
幸村 そうそう。それ! そこでイジツとは何かとか基本的なことは教えてもらえたのですが、やっぱりオリジナル作品なので、どういう世界観なのか理解できても、キャラクターの深堀りとかがどんな感じかまだまだ手探り状態で……。
――キャラクターづくりはどうされたのですか?
幸村 アフレコの後とかに水島監督に聞きに行ったりして、探り探りでやっていきましたね。原作がない分、私の妄想でしか表現できないことだったので、このエンマちゃんで合っているのかなという不安はありました。でも、毎話台本を貰うたびに、段々世界観が掴めてきて、こんな感じで良いんだと探りつつではありますが、エンマちゃんと一緒にイジツの世界を楽しんでいったという感じです
鈴代 どうなっていくんだろうと毎週台本を読むのが楽しみだったよね。
幸村 うんうん。オリジナルならではの良さだよね。
――お二人も今後の展開が読めないというところでは、視聴者と同じ気持ちだったのですね。12話演じ切ってみて、『コトブキ』のどんなところに魅力を感じていますか?
鈴代 やっぱり空戦じゃない?
幸村 そうだよね!
鈴代 あと、描写が細かいところですかね。そんなところまで描くのか! という感じなんです。それこそ第1話でキリエが操縦席に座って、始動準備をするところがあるんですが、そこの一つ一つを丁寧に描いていて……。「見せるところは見せる」というメリハリが凄く良いなと思いましたね。
幸村 スタッフさんが本当に手を掛けて細かく作業されているなというのが分かるというか。細部まで丁寧に再現されているんです。映像だけでなくて、そこに乗ってくる音も細かくて! 零戦とか雷電とかたくさんの戦闘機が出てくるんですが、実際に飛んだらこんな音がするんだろうなというのが重圧感まで感じられるよう、音で表現されているんです。
鈴代 映像も音も凄かったよね~。私達ダビングを何度か見学させてもらったりもして、その時にスタッフの方から色々教えていただいたんです。そこで、こうやって作っているんだなと知ることができたのですが、映像も音も細部までこだわっているところが一番の魅力かなって思います。
――キリエの始動準備のお話が出てきましたが、お二人はアフレコ前のルーティンはありますか?
鈴代 私は、まず台本が鞄にちゃんと入っているか確認しますね。
幸村 違う違う! それは身支度だから(笑)。
鈴代 え? そっか(笑)。あ! 唇をブルブルってします。それと筋肉をほぐすために、ストレッチはやっていますね。
幸村 私は全然何もない。どうしましょう?
鈴代 なしでいいんじゃない? どうしましょうって(笑)。
幸村 もちろんアフレコ前は凄く緊張していて、これをやると落ち着くみたいなのは欲しいんですけど。でも、何かルーティンを決めちゃうと、あれやっていないって逆に焦っちゃうかもしれないから決めてないですね。
鈴代 意識はしていないけど、自然とやっていることとかないの?
――朝ごはんは必ず食べるみたいな?
幸村 それもないです。日によって起きる時間も全然違いますし。でも、ちゃんと声が出るように3時間前には起きるようにしていますね。それくらいだ……。
鈴代 私はその日に演じるキャラクターのイメージカラーをその日の服装のどこかしらに取り入れるようにしていますね。キリエなら赤とか。
幸村 え? そんなこともしてるの? 凄いな。とりあえず私は、ルーティン模索中ということで(笑)。
(C)「荒野のコトブキ飛行隊 完全版」製作委員会
アニメージュプラス編集部