――お二人の日常も垣間見えたところで、キャラクターについてもお伺いしていきたいのですが、お二人の演じているキャラについてどんな印象をおもちですか?
鈴代 キリエの最初の印象としては、オーディションの資料にも書いてあったのですが、瞬間湯沸かし器のような性格というのが凄く印象に残っていて……。最初は瞬間湯沸かし器の意味がよく分からなかったのですが、台本を読んでいくとだんだん分かってきて。赤いイメージカラーの子なので、戦隊ものだとレッド的な、真ん中の元気に突っ走るタイプなのかなと思っていましたが、話が進むにつれ、ただただ突っ走るんじゃなくて、周囲に色々と教えてもらいながら、ちゃんと吸収して成長していく、実はちゃんと考えている子なんだなという印象に変わりました。
▲キリエを演じる鈴代紗弓さん幸村 エンマちゃんは家族思いで空賊に対しての恨みが強いと聞いていて……。空賊と戦う時に「空賊の分際で」と言うシーンがあるのですが、そのシーンを録る時に水島監督に「もっと強く。エンマは強い恨みがあるから」と言っていただいたんです。思った以上に強い恨みなんだなと思うと同時に、それだけ恨むということは、言い換えれば家族の為、人の為に怒れる女性なんだということに気付いたんです。特に3話でラハマ町長に思いをぶつけるシーンが印象的で、一見エンマが頭ごなしに説教しているように見えるのですが、彼女の苦労した経験があったからこそ出てくる言葉だなと思うんです。もちろん、間違いに対してはちゃんと謝罪もできる立派な女性でもあるので、誰にも負けない芯の強さを、彼女は一番持っているんじゃないかなと思いますね。
――それぞれのキャラクターを演じる際に一番心掛けていたことは何でしょうか?
幸村 エンマちゃんはあまり口数が多くないのですが、その少ないセリフの中に彼女の想いがしっかり入るように、きちんと説得力のある言葉になるよう演じさせていただきました。
鈴代 キリエは、その場で考えたことがパッと口からでるタイプなので、台本を読み過ぎても、その時に出た感情のように聞こえないなというのもあって、あまり作り込み過ぎないようにしていました。そもそもキリエは「は?」とか「え?」とか反射的な短いセリフが多いんですよね(笑)。そのこともあるので、ライブ感を大事にしたいなと思って、反射的に出てくる言葉を大事にするようにしました。でも、ただ適当な感じになってしまうのはやっぱり主人公ですから良くないので(笑)、なんだかんだ言いつつも、目をかけたくなっちゃうような嫌みのない明るさを出せるように意識していたかなと思います。
――キリエとエンマは幼馴染ですが、この二人の関係性はどんなものだと思われますか?
鈴代 エンマは、キリエを見守ってくれつつ、一緒に遊んでくれる親友みたいな立ち位置なんだなと思っています。
幸村 幼馴染だからこそあまり多くを語らないと言いますか。羽衣丸を奪われてキリエがエンマに「行ってくる」と言う短いシーンでも、二人の幼馴染感が伝わってくるなって思っています。
鈴代 空戦シーンになっても、安心して背中を任せ合える安心感みたいなのは感じますね。
――あの二人が幼馴染なのが意外でした。
鈴代 私も最初そうでした!
幸村 なにがきっかけで? って思いますよね。
鈴代 今回の劇場版に、二人が幼馴染になったきっかけに触れるような新規カットが入っていますので、どうぞお楽しみに!
――これは映画を観ない訳にはいかないですよね(笑)。今回の劇場版は、
TVアニメ
12話の総集編という形ですが、
12話の中で特に好きなシーンはありますか?
二人 選べなーい!
鈴代 一番好きなセリフは二つあって。一番じゃないじゃんって感じですけど(笑)。一つは、パイロットとして成長したキリエの姿が描かれているシーン。最後のイサオとの空戦シーンで、「誰の空も邪魔させない」とキリエが言うのですが、表情も今まで見たことがない表情をしていて。元々血がのぼりやすい子なんですけど、そこは表情も別人のようで、成長したんだなというのが感じられるので、凄く好きですね。二つ目は新作カットのほうなんですけど、キリエが「なんか好きだな」とふと呟くシーンがあって。キリエの中で当たり前になっていたものの大切さに気付くシーンなんですよね。凄く短いシーンなんですが、印象的です。
幸村 私はですね、第
12話なんですが、レオナが悩んでいる時にチカが「
6人で一緒に考えればすごくいい案が出るね」みたいなことを言うシーンがあるんです。そこが、
6人いるからこそ私たちはこうやって飛べるんだという、コトブキ飛行隊
6人の絆を感じられるところなので好きですね。
鈴代 それを言ったら、やっぱ「コトブキ飛行隊、一機入魂!」も大好き!
幸村 それは外せないよね。
▲エンマを演じる幸村恵理さん(
C)「荒野のコトブキ飛行隊 完全版」製作委員会