【『Angel Touch』画集発売&展覧会開催記念 高田明美インタビュー 後編】岡山県・倉敷市立美術館で開催中の特別展『Angel Touch』、そして同タイトルの画集が復刊ドットコムから発売中のキャラクターデザイナー・高田明美。これまでのキャリアを振り返るロングインタビューもいよいよ後半戦に突入、人気作『きまぐれオレンジ☆ロード』『機動警察パトレイバー』の裏側に迫っていく。
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高田明美が語る「意外なきっかけで完成したクリィミーマミの髪型」――『きまぐれオレンジ☆ロード』(87~88年)への参加は、どういう経緯から。
高田 原作者のまつもと泉さんは『魔法の天使 クリィミーマミ』が好きで、アニメ化が決まった時に指名があって始まった感じですね。最初に絵を見た時は「私よりも、いのまた(むつみ)さんに頼んだほうがいいんじゃないか」ってちょっと思ったりもしたんですが。
――まつもとさんはポップで軽い印象の絵でしたからね。一方、高田さんが再構築したキャラクターはかなり肉感的というか。
高田 やっぱり『うる星やつら』の影響があったんでしょうね。『クリィミーマミ』も、かなり『うる星やつら』を引きずっていて、しかも『マミ』は人形的な存在にするために少女体型を意識していたので、その反動でキャラのラインがしっかりした感じになったんじゃないでしょうか。『うる星やつら』はあまりバリエーションのあるイラストを描く余裕がなかったんですけれど、けっこうお任せだった『オレンジロード』はどっちかというと芸能プロの社長みたいな感覚で、「預けてもらった大事なタレントをどう売っていこうかな」みたいな視点で描いていました。
――前の話にもありましたが『オレンジロード』はセクシーなイラストも多かったですね。
高田 CDを出していたユーメックスの女性担当の方がかなりイケイケな人で、「じゃあ今度はこういう路線を狙ってみようか!」と次々とそういうシチュエーションを注文してくるんですよ。「恥ずかしい!」って言いながら描いていました。