• 『鬼滅の刃』炭治郎が鬼に掛けた “心を供養する” 言葉に注目
  • 『鬼滅の刃』炭治郎が鬼に掛けた “心を供養する” 言葉に注目
2020.09.28

『鬼滅の刃』炭治郎が鬼に掛けた “心を供養する” 言葉に注目

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』(集英社ジャンプ コミックス刊)を原作とした、『劇場版「鬼滅の刃」無限 列車編』が 10月16日(金)に公開となる。胸を打つストーリー、豪華なアクションなど魅力に溢れる本作だが、今回は炭治郎が鬼に掛けた “心を供養する” 言葉に注目したい。

『鬼滅の刃』は昨年TVアニメ化を果たすと、人と鬼との切ない物語に躍動感あふれる映像で描かれる鬼気迫る剣戟、時折コミカルに描かれるキャラクターたちが人気を呼び、日本だけにとどまらず、世界各地から熱い視線が注がれてきた。TVアニメでは、昨年9月末に放送された最終話で、主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)とその仲間たちが、“無限列車” に乗り込むシーンで “竈門炭治郎 立志編” の物語が幕を閉じ、10月16日(金)に公開となる劇場版ではその無限列車を舞台に、炭治郎たちの新たなる任務が描かれる。

ストーリーやキャラクター、そして画面いっぱいの激しいアクションなど魅力があふれる本作だが、その中でも多くの人を魅了している一つが、炭治郎が鬼に掛ける言葉たち。
憎むべき存在である鬼に何度も苦戦を強いられ、命がけの戦いを繰り返す炭治郎だが、戦いの中で鬼たちが人間だったころの悲しみや鬼としての苦しみを察し、戦いののちに鬼に対しても慈しみの言葉を贈る炭治郎の名言を振り返る。

◆「神様どうか、この人が今度生まれてくる時は鬼になんてなりませんように」
鬼殺隊に入隊するための試験「最終選別」で遭遇した手鬼は、炭治郎が自分を藤襲山に閉じ込めた鱗滝左近次の弟子と知り執拗な攻撃を繰り返す。堅い首と自在に操れるたくさんの手を武器に炭治郎を苦しめる手鬼だが、戦ううちに炭治郎の言葉によって自分が人間だったころの記憶と大好きだった兄の存在を思い出す。
ついに手鬼の首を切った瞬間に悲しい匂いを察知した炭治郎が手鬼の手を握ると、手鬼は人間だったころの姿になって兄と手をつなぎながら去っていった。
もともと人間だった鬼たちにも悲しい背景があることが明らかになり、炭治郎が心を痛めながらも鬼に寄り添うセリフが印象的なシーンとなっている。

◆「小さい子供みたいだ。たくさん人を殺してるだろうに…。十二鬼月だとおだてられ、騙され、戦わされ、そして、鬼舞辻の呪いで殺された…。救いがない。死んだ後は骨すら残らず消える。人の命を奪った報いなのか?」
鬼でありながら鬼舞辻無惨に逆らい医者として人を助ける珠世と助手の愈史郎のもとを襲ってきた朱紗丸。強力な毬を操り炭治郎たちを窮地に陥れるも、最後には珠世の鬼血術にはまり「鬼舞辻無惨」の名前を口にしてしまったことで呪いによって自らその命を落とす。
その残酷な姿に炭治郎は、強敵でありながらも同情せざるを得なかったほど。圧倒的な強さで好き勝手に人間を食らって生きていると思われていた鬼たちだが、実は鬼舞辻無惨の無慈悲な支配下に置かれていたことが明らかになり、呪いで翻弄される鬼の無常さに、炭治郎が思わず口にした言葉が心に残る場面となっている。

◆「鬼であることに苦しみ自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない。鬼は人間だったんだから。俺と同じ人間だったんだから」
那田蜘蛛山で鬼舞辻無惨直属の精鋭 “十二鬼月” の下弦の伍である累とのまさにギリギリの死闘を繰り広げた炭治郎。家族の絆を求めるあまり、力によって偽りの家族を作り上げた累が最後の瞬間に人間だったころを思い出し散っていくのを見た炭治郎はそっと優しくその亡骸に手を置いて弔った。
だが、累の着物を踏みつけた冨岡義勇は「人を喰った鬼に情けをかけるな」と言い放つ。どんな姿でどんな力を持っていようと苦しんだ鬼に対して炭治郎は「醜い化け物なんかじゃない。鬼は虚しい生き物だ、悲しい生き物だ」とその苦しみに寄り添い、慈悲を見せる。
鬼だからという単純な理由で片付けようとしない炭治郎の心の深さが胸を打つ、特に人気のシーンとなっている。

そのほかにも、那田蜘蛛山の戦いでは死を受け入れた母蜘蛛に対して、直前で技を変えて痛みを感じないようにしたり、1人で50人分の栄養価があるという稀血を持つ子供を追っていた響凱とは死闘を繰り広げたのちにとどめを刺す瞬間に「君の血鬼術はすごかった!」と相手の強さを素直に認めることで鬼の心を救ったりと、鬼も人間も分け隔てなく、思ったことを素直に言葉や行動に出す姿は多くのファンを魅了している。

10月16日(金)公開となる『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』で炭治郎たちの前に立ちはだかるのが、下弦の壱・魘夢。短期間の内に40人以上が行方不明となっているという “無限列車” を舞台に、炭治郎は過去最強の敵と立ち向かうことになる。
はたして魘夢とはどういった戦いを繰り広げるのか。そして炭治郎は彼にどんな言葉を放つのかも注目してほしい。

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

アニメージュプラス編集部

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