• 【おそ松さん特集01】伝説の開幕!?〜第1期の世界〜
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2020.10.01

【おそ松さん特集01】伝説の開幕!?〜第1期の世界〜

(C)赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会


【何でもアリの赤塚スピリッツ】
前述したように、6つ子のキャラクターを軸に展開していく各話のエピソードは、まさに混沌を極める。
第2話「就職しよう」、第4話「自立しよう」などの「クズ・ニート・童貞」という基本を活かした毒気の強いギャグもあれば、第7話「トド松と5人の悪魔」、第16話「一松事変」といったそれぞれの個性や関係性にスポットを当てたエピソードもある。
第5話「エスパーニャンコ」や第9話「恋する十四松」ではナイーブでリリカル、センチメンタルなドラマを見せてファンを驚かせるとともに、その幅広い世界により強く引き込んで見せた。
第8話「なごみのおそ松」、第19話「時代劇おそ松さん」などの劇中劇的なシチュエーションコメディも定番。さらには第7話「北へ」や第13話の「連続テレビドラマ 実松さん 第三話」など、実験的とさえ呼べるようなナンセンスもある。
またエピソードのフォーマットも多彩で、ほんの一瞬で終わってしまう短いものを連ねる話数もあれば、AパートやBパート全体、あるいは1話全体を通した長いエピソードを描くこともある。
藤田監督はその幅広さについて、ナンセンスなギャグから人情話、さらに実験的な手法まで貪欲に追求した赤塚不二夫の世界を意識している旨を語っている(そして、赤塚の境地には到底、追いついていないとも語り、リスペクトを表している)。
あらためて振り返ると個々のエピソードは、実は意外なほど先鋭的で、攻撃的な面を持っている。中にはシュールで難解なものもある。
それが、6つ子というフィルターを通すことで親しみ安く届けられたという側面もあったのではないだろうか。
逆に言えば、6つ子の魅力に導かれて、ファンは気付かないうちにかなりディープな世界へと引き込まれていたのかもしれない。




(C)赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

アニメージュプラス編集部

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