• 【おそ松さん特集02】藤田陽一監督が語った “はじめの一歩”
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2020.10.01

【おそ松さん特集02】藤田陽一監督が語った “はじめの一歩”

(C)赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

『おそ松さん』第3期放送開始を記念して、月刊アニメージュのバックナンバーに掲載されたインタビューを再掲載して6つ子の世界の魅力をあらためて紹介する特集「おそ松さんを6000倍楽しもう!」
今回掲載するのは2015年10月号の藤田陽一監督インタビューだ。
第1期放送開始前に「新番組特集」内に掲載されたこのインタビュー。テキスト量こそ少なめだが、実は『おそ松さん』の根幹部分がしっかりと語られている興味深い内容だ。

>>>『おそ松さん』特集の全容はこちら!

大人になっても6つ子
藤田陽一【監督】

——原作『おそ松くん』には、監督を受ける前から触れていましたか?

藤田 自分の世代としては珍しく原作派です。小学校低学年の頃に、親戚の兄ちゃんから『おそ松くん』と『天才バカボン』を全巻譲り受けて、ずっと読んでいたせいで、人生がおかしくなったというか(笑)。だから、今回のお話をいただいときも運命というか、縁というか、やらざるを得んな、という感じでした。

——鬼才・藤田陽一の原点回帰、ということでしょうか?(笑)

藤田 (笑)。でも「鬼才」はともかく、本当にそういうところはあるかもしれないですね。自分の原点のひとつではあるし。それに赤塚不二夫作品をやらせてもらえるチャンスなんて、正直あるとは思っていなかったので。これを逃したらもうチャンスはないだろうと思って、お受けすることにしました。

——では、意気込みもたっぷりで。

藤田 まあでも、「気楽に観てもらえるものになれば」というスタンスは、いつもと変わらないで。

——今回は『おそ松くん』が『おそ松さん』になって、6つ子が大人になっているという設定ですね。

藤田 新たに今『おそ松くん』をアニメ化するってことで、「現代」にしないといけないとは思ったんです。赤塚作品っていつも「時代」を強く意識しているし、ギャグって「その時」のものですから。そう考えたときに、大人にしてみるか……と。そのほうがきっと、6つ子を動かしやすいだろうなと思ったので。それに以前のアニメ版などを通して、『おそ松くん』というとイヤミとチビ太のイメージが強いと思うのですが、それとは違う視点を探したかったというのもあって、今回は6つ子にスポットをあててみました。まあ、何ですかね。二十代まで無職のままそれぞれに育った6つ子が中心なってくるかな、という感じです。

——無職、なんですね(笑)。

藤田 そこ、ポイントです(笑)。

——6人それぞれ、どう特徴づけて描いていくのでしょうか?

藤田 実は、原作をすごーくしっかり読むと、ちゃんと6人それぞれに個性が微妙にあるんですよ。それを拡大解釈したりしながら、できるだけ描きわけができるようにこだわってはいます。おそ松は、あのやんちゃなまま大人になったら困るだろうな……という感じ。カラ松は、思春期で何かこじらせてしまったんでしょうか、いまだにカッコつけたがってます。チョロ松は、オタク気質はありますがわりと真面目で、他の5人にツッコミつつ振り回されます。一松は、少し暗くて毒舌家みたいなポジション。十四松は、あんな子供時代を送ったせいでぶっ壊れてしまったというか、ピュアで天然なまま大人になってしまいました。トド松は比較的現代にアジャストして、上手くやっている末っ子。そんな6人のうっとうしい「腐れ縁」感みたいなものは、上手く出したいとも思っています。ちなみに6人ともまだ実家暮らしです。お金ないんで(笑)。
(初出=アニメージュ2015年10月号)




(C)赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

アニメージュプラス編集部