――演じ過ぎないというのも難しそうですが……。今作にはアヌビス以外にもたくさんのエジプト神が登場しますが、気になるキャラクターはいらっしゃいますか?下野 色々いるんですけど、メジェドってなんだ? っていう。何なんでしょうねっていう質問を投げかけても誰も答えられない。僕も色々調べたのですが、壁画に描かれているだけの神様? という情報しか分からないという……。
――アニメの中でも正体は明らかになっていない?下野 アニメの中でも何なのかは分からない存在です。独特の雰囲気で、自由に何かをしている。結果、何なのか分からないです。しかも声が緑川(光)さんというところがね。
――贅沢ですよね。下野 顔ぶれ的には僕が言うのもなんですが、豪華声優陣が揃っている作品なんです。この人たちがこれやるのかと思うとそれだけで、笑っちゃいますよね。
――本当に豪華ですよね。アフレコは集まってされたのですか?下野 (コロナ禍という)こんなご時世なので、人数は限っての収録にはなりましたが、トト役の梶君とは絡むシーンが多かったので、一緒に録ったりしましたね。中でも印象的なのは、シーソーのシーンで、二人で一緒にギッタンバッコンって言うところ。SE(効果音)じゃなくて、二人で口で言っているんです(笑)。
――下野さんと梶さんコンビなら息もピッタリ合いますね。収録が一緒だったのは、梶さんだけでしたか?下野 緑川さんも一緒でしたし、津田さんもちょっとだけ一緒でした。
――お二人との収録で何か印象的だったことはありますか?下野 みんなで協力して作るガヤのシーンが印象的でしたね。こんなゆるっとした神様だけの空間にガヤってなんだよ? とは思うんですが(笑)。物語が進んでいくと、ライブのシーンが出てくるんです。そのライブに参加している魂をガヤとして演じたのですが、僕初めて知りました。魂ってしゃべると「たま~」って言うんだなって。
――「たま~」ですか。可愛いです。下野 「たま~」なんです。僕以外にもキャスト全員「たま~」って言ってます。制作スタッフから、「たま~」で色々な感情を表現してくださいって言われまして(苦笑)。何とも言えない不思議な気持ちになりましたね。
――「嬉しいたま~」とか言うのですか?下野 いや、「たま~」しかしゃべりません。「たま~」だけで喜怒哀楽を表現するんです。(ライブのコール&レスポンスの)「なーにー?」も「たーまー?」で聞くんです(笑)。
――それは難しいですね。下野 難しいけど、頭はリフレッシュできる時間だった気がします。ほぼ何も考えていませんでしたから(笑)。
――凄く楽しい現場だったんですね。下野 そうですね(笑)。とにかく「たま~」しかしゃべれないので、何も考えずに「たまたま~」って言ったのですが、一緒に収録していた津田(健次郎)さんに「下野君、それはどうかな?」って指摘されたんですよね(笑)。
――「たまたま~」をですか?下野 僕も含め、その言葉に対して誰も何も気にしていなかったのですが、津田さんが指摘した途端にみんなも気になってきて。でも、そのまま収録したので、きっとガヤに埋もれて、「たまたま~」も入っているのと思うので探してください。それに、小林ゆうちゃんの演技もぶっ飛んでいて凄かったです。「もう少し可愛くしてください」っていう注文も入るくらいで(笑)。なかなかガヤの審査も厳しいんだなって思いました。
――「たま~」だけでも盛り上がれる楽しい現場だったんですね。下野 そうですね。小学生じゃないんだからって感じですけど(笑)。
――楽しいお話ばかりお聞きしていますが、逆に難しかったり大変だったところはありましたか?下野 やっぱり、SE(効果音)をほぼ全部自分たちでやるとは思っていなかったので、それはびっくりしました。台本に書かれているところだけすれば良いのかなと思っていたのですが、「書かれていないところも全部です!」って言われまして……。なかなか大変でしたね(笑)。
(C)yuka/とーとつにエジプト神プロジェクト