──まず、みなさんが担当しているキャラクターの印象を教えてください。虎杖悠仁について、榎木さんはどう感じていますか?
榎木 体育会系の元気なイメージが基本だと思いますが、一方で死を前にして一旦は弱気になったり、強い敵に対して恐怖を抱いたり。本当は、何に対しても直情的に突っ込んでいけるような「強い」キャラクターではないんですよね。でも、そこが人間らしくて魅力的だなと思っています。それに、自分で自分のことがわかっていなくて、他人に指摘されて「俺、そうだった」と気付くことも多いです。
内田 虎杖は「自分はこうありたい」という真っ直ぐな「芯」みたいなものを持っている気がしますね。そこが、端から見ていると「曲がらない強さ」にも感じるけれど、「不器用」にも感じられるときもある。
瀬戸 たしかに真っ直ぐだけど、私はそれだけじゃないなとも感じています。というのも、その真っ直ぐさが、ちょっと狂気を孕んでいるようにも見えて。アニメの第1話を観たとき、正直、私の中では虎杖が怖いと感じました。あれだけの危機的状況なのに、何となく気が抜けている言葉遣いとか、つねに状況を俯瞰して客観視ができている感じとか……「こんなにも冷静で、まったく動じないのは、何故?」と思ったら、ちょっとゾクっとしちゃいました。
榎木 確かに学校での戦闘中とかに、ちょくちょくトボけたりしていましたけど。僕自身は、あのトボけた雰囲気は、わざと鈍感になっている部分もあるのかなって感じていました。怖すぎるから、まともに受け取ったらヤバいという気持ちもあるのかなって。
内田 確かに、あの状況に突っ込んでいけるって、ちょっと何か怖いよね。得体の知れない “何か” に、躊躇せず「行かなきゃ!」って。でも、その真っ直ぐなところは、見ていてうらやましくもありますね。
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会