スタジオジブリ 鈴木敏夫プロデューサーのインタビューはいよいよ後半戦に突入。
アーヤのモデルは宮崎吾朗監督、それとも鈴木プロデューサー? また、今回距離を取っていたという吾朗監督の絵コンテの内容や現場への驚きを率直に語っていきます。
――この作品の制作中にコロナ禍の影響もあったかと思います。例えば、作品の伝えたいことが変わったところなどあったりしたのでしょうか。
鈴木 それよりも心配したのは、やっぱり企画としてもつかどうか、ですよね。社会が不安定になった時って、歴史が証明しているように、新しい考え方が誕生してそれに様変わりしていく時期だと思うんです。つまり、この状況を想定しないで作られた映画は、新しい価値観を持った観客に受け入れられない可能性があるわけです。
僕もそういう目でこの『アーヤと魔女』を観てみたわけですよ。そうしたら、「これはいける!」と思ったんです。何故だと思います?
――うーん……何故ですか?
鈴木 この先行きが見えない世界で人はどうしたらいいか、そんな時に必要なのは人間が本来持っているパワー、生きる力じゃないですか。アーヤっていう女の子はパワフルで、それを感じることができたから「コロナ後にも堪える企画だ」と思えた。それが僕の感想でしたね。
実を言うとね、ずっとラッシュを観ていて心配なことがあったんですよ。その段階だと、僕にはアーヤが「意地悪で嫌な女の子」にしか思えなかったんです。でも、繋いでみたらそれが可愛く見えるんですね。これが不思議だったんですが、わかったんですよ。
――何がですか?
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