• 何度も立ち上がるウルトラマンが原点です! 畠中祐インタビュー
  • 何度も立ち上がるウルトラマンが原点です! 畠中祐インタビュー
2020.12.26

何度も立ち上がるウルトラマンが原点です! 畠中祐インタビュー

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンZ製作委員会・テレビ東京



ウルトラマン像の崩壊!?


――それまでに持っていたウルトラマン像が完全に崩れていますね。

畠中 そこからゼットは完全にオリジナルでいこうと思いました。それまでのウルトラマンらしいイメージは捨てて、とにかく監督のアイデアを全部吸収して作っていきました。監督が何歩も先を行くアイデアをたくさん出してくださったので、楽しかったです。

――初めて「シュワッチ!」って言ったときのことを覚えていますかってお聞きしようと思ったのですが、それどころじゃなさそうですね。

畠中 そうですね。「シュワッチ!」に至るまで、「キアッ!」とか「キアターーー!」とか「どうだオラッ!」ってやった後に、「シュワッチ!」は「シュワッチ!」なんだって(笑)。よかった、じゃないですけど、ちょっとホッとした感がありました。飛び立つ時の声も、いろいろあるじゃないですか。「シュオッ!」とか「ヒィヤッ!」とか。それがウルトラマン定番の「シュワッチ!」がやれると思わなかったです。でも今度は格好よくやるにはどうすればいいんだろうって戸惑って動揺しました(笑)。「シュワッチ!」は何度も録り直しましたが、感動しましたね。

――最後までやられての率直なご感想は。

畠中 『ウルトラマンZ』は熱すぎて涙が出る作品でした。熱量が半端じゃない。演じている役者さんもそうですし、画面から伝わってくる撮り方も、ウルトラマンへの愛とリスペクトが伝わってくるし。ストーリー展開
もとにかく熱くて、観ていると揺さぶられて涙が出てくるんですよね。最終回もアフレコしながら泣きそうになる展開でしたし、たまらないものがありました。泥臭いってこんなに素晴らしいことなのかと。ゼットのように泥臭くいたいよなって思わせてくれる作品でした。本当に好きです。

――最後、今までのシリーズでは別々の道を行くことが多かったと思うんですが、ハルキといっしょに旅立ちました。

畠中 そうですね。僕も最終回は別れなのかなと思っていて、それだけで泣けてくるなって思っていたんですが、この終わり方はこの終わり方で、すごく熱いものを感じました。ハルキとゼットは切っても切り離せない関係になったんじゃないかなって思います。ふたりとも守りたいものがあって、これからも戦っていきたいという意思があるんだったら、ふたりが別れる必要がないんですよね。ストレイジのみんなは寂しいかもしれないけど、でもあのふたりだったらフラっと戻ってきそうじゃないですか。だからあの終わり方でよかったと思います。僕としては、まだふたりで続けていきたいというか、一人前になるまで旅は続くと思うので、いい終わり方だったと思います。

――ふたり一緒だといつでも帰ってこれるので、今後にすごく期待をいただかせてくれます。

畠中 『ウルトラマンZ』は、ウルトラマンがすごく身近に感じられるようになった作品だと思います。ウルトラマンも人間と同じように苦悩もする。すごく印象に残っているのが、第11話「守るべきもの」のレッドキング。彼らには家族がいて、ハルキ自身が家族を失う経験をしているので、家族を守るレッドキングを倒せなくて苦悩するんです。僕らの正義は、一方で何かしらの命を殺めることだと気づいてしまう。それはウルトラマンシリーズを通して、めちゃくちゃ難しい問題じゃないですか。それに対して「俺もまだわからないんだよ」っていう率直な気持ちを伝えながら、「ハルキと考えていきたい」と言うシーンがあったんです。ゼットも答えを出せないけど、一緒に考えていくっていう寄り添い方って、すごくゼットらしい。そういうふたりだからこそ、視聴者のみんなと別れるとかじゃない、ずっと一緒にいるっていう終わり方で、ゼットらしいかなと思いました。

――難題ですよね。ウルトラマンコスモスのように、倒すだけが正しいことではない、というウルトラマンもいましたが、何かを守ることがお互いの正義になっていますからね。

畠中 そうですね。難しい。あなたは何を守りたいんですか? ということを突きつけられて、めちゃくちゃおもしろい、考えさせられる話でした。そういった問題もふたりで一緒に考えて答えを「見つける」のが、すごく好きでした。共に成長していくところですね。

――全てを見ていただいた方たちへのメッセージをお願いします。

畠中 『ウルトラマンZ』を見ていただいて、一緒に熱くなってくれて嬉しいです。本当にありがとうございます。TVシリーズはこれで一旦幕を閉じますが、旅は続けていて、近くにいる気もします。まだまだゼットは発展途上なんです。ゼロ師匠には「半人前だ」と言われるでしょうし。ハルキ自身も青臭く泥臭く進んでいる人だと思うので、これからもふたりの旅を見守ってくれたら嬉しいなと思います。


(C)円谷プロ (C)ウルトラマンZ製作委員会・テレビ東京

文/アニメージュプラス編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事

RELATED関連する記事

RANKING

人気記事