• 『ゴールデンカムイ』小林親弘×白石晴香 ゴールデンコンビ対談!
  • 『ゴールデンカムイ』小林親弘×白石晴香 ゴールデンコンビ対談!
2020.12.29

『ゴールデンカムイ』小林親弘×白石晴香 ゴールデンコンビ対談!

(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会



ーー小林さんは、再会シーンの収録にどんな意識で臨まれましたか?

小林 みんなそうだと思うんですけど、終盤の第三十四話から第三十六話はとくに悩みながらやっていました。ただ、いろいろ考えてはみるんですけど、そのイメージだけでやると実感がこもらなくなっちゃう気もして。自分の考えは考えとして持ちつつ、あとは本番に合わせていこうと。最終話のアフレコは、白石さんと健太郎さんが同じブースにいるだけで嬉しかったです。白石さんは、第三十五話でも別室にはいたんだけどね。

白石 はい。

小林 そのときは、津田さんと健太郎さんが同じブースで。でも白石さんと同じ空気を吸えている感じはしましたし、それだけで気持ちも昂ぶりました。言葉にするとなんだか気持ち悪いですけど(笑)、第三期はアシ(リ)パさんと再会するシーンを目指して芝居を作ってきたようなところがありましたので。

白石 私も同じです。意識はずっとそこに向かっていましたよね。『ゴールデンカムイ』の現場で好きなのが、マイクの前に立っていると隣にいる皆さんの空気が伝わってくることなんです。ちゃんと言葉をかけられている、お話をしていることが実感できると言いますか。今回、伊藤さんとは毎回それができたんですけど、透明とはいえカーテンがあったり、マイクとも前より少し距離があって。相手の空気を感じ取って、そこに合わせていくことの難しさを感じていたんです。

小林 そうだね。

白石 そういった中でも、ラスト2話は座長の小林さんが……やっぱりやめます(笑)。

小林 なんで(笑)!? ダメダメ、ちゃんと持ち上げてくれないと。

白石 (笑)。座長の小林さんが同じ空間にいてくださったことで、気持ちがグッと高まりました。ずっと意識してきたシーンでしたけど、いざやるとなると、やっぱり小林さんがいてくれたことが心強くて。

第三期より
第三期より

――収録中のディレクションで印象に残っていることはありますか?

白石 私はやっぱり、キロランケが亡くなるシーンですね。

小林 杉元で言えば、先ほど話に出た白石を助けるところです。原作では笑顔とセリフがセットで描かれているのに対して、アニメだと真顔でセリフを発してから笑顔になるんですよ。最初は久しぶりに会う感じをあまり出さないほうがグッとくると思って普通に「よォ」とやってみたのですが、「もうちょっと想いをのせてみてください」とディレクションを受けまして。結局、あのシーンは3回ぐらい録りなおしました。アシ(リ)パさんと再会するシーンも、当初は喜びを爆発させながら「元気そうだね」と語りかけるイメージだったんです。でも、それだと「子供として扱い過ぎている」ということだったので、もっと杉元の不器用な感じを出すことにしました。

白石 原作を読み込んで、そのシーンの台本を何度読み直しても、ひとりだとなかなか答えにたどり着けないんですよね。でも現場で一緒にやる相手がいるとそれぞれのセリフがポンポンと繋がって、自然と答えにたどり着けることがあると思うんです。アシ(リ)パさんが尾形に手を引っ張られていくところも、実際に津田さんとやるまで全然予想がつかなかったですし。

小林 尾形が三文小説みたいな嘘をつくところね(笑)。

白石 はい。とくに杉元とのちょっとわざとらしいやり取りが絶妙で(笑)。真実を知っているこちらとしては、なんだか笑っちゃうんです。でも、状況的には観ていてつらすぎるシーンですし、アシ(リ)パさんとしてどう演じるかをすごく考えました。収録では津田さんの発する声のすべてが感情に突き刺さってくるようで、久しぶりに演じながらウルウルしちゃって。最後に杉元が「あんこう鍋が食べたい…」と言うところも、こいつ何を言っているんだ、って本気で思いました(笑)。

小林 あそこはスーパー悩みましたよ。どうやるのが物語的に一番しっくり来るのか、原作を読んだときからずっと気になっていましたから。尾形が脳内再生しているシーンなので、いっそ津田さんっぽくしゃべったほうが面白いかな、なんて考えてみたり。実際、家でそのパターンも練習しましたし。

白石 (笑)

小林 最終的には真剣なほうが逆に滑稽さが際立つと思い、それでやってみたらOKをもらえました。

第三期より
第三期より

――第三期を見届けてくださったファンに向けて、メッセージをお願いします。

白石 第三期を観てくださり、本当にありがとうございました。今年はコロナ禍の影響で、皆さんの中にもいろいろな葛藤があった年だったと思うんです。でも『ゴールデンカムイ』を観ている時間はそれを忘れられるというか、お話的にもキャラクターそれぞれの過去がかなり描かれていたこともあって、大変な状況でも頑張らなきゃって勇気をもらえるようなところがありました。皆さんにとってもこの作品が、お家で過ごす楽しみのひとつになっていたら嬉しいです。あとは、ここまでやったらその先も……。

小林 ねえ。最後に杉元がアシ(リ)パさんに「相棒の契約更新だ」と言うんですけど、更新しただけで終わるのは寂しいですから。部屋も更新したら、さらに続けて住みたいじゃないですか(笑)。作品が続くのは応援してくださる方がいてこそですし、このまま皆さんに第四期、五期と届けられたら嬉しいですね。

白石 今年はイベントができなくて、ファンの皆さんと実際に会えないのが残念で。いつかちゃんと皆さんのお顔を見て、ありがとうという気持ちを伝えられる場ができるといいんですけど。

小林 本当にそうだね。僕も白石さんもただのファンでもあるので、同じファンの方たちと感想を語り合える日が早く来てくれることを願っています。

(C)野田サトル/集英社・ゴールデンカムイ製作委員会

アニメージュプラス編集部

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