• 書店員がオススメする!『衝撃の展開』、『意外な結末』のマンガ3選
  • 書店員がオススメする!『衝撃の展開』、『意外な結末』のマンガ3選
2021.01.02

書店員がオススメする!『衝撃の展開』、『意外な結末』のマンガ3選

書店員がオススメする!『衝撃の展開』、『意外な結末』のマンガ3選

書店員をしていてよく聞かれるお問い合わせの文言に「衝撃の展開」と、どんでん返しなど「意外な結末」のふたつがあります。
小説でも同じだと思いますが、読書をする事の目的に「驚きたい」という思いを多くの方が持っているのかもしれません。

今回は、そんなお客様にオススメしている『衝撃の展開』、『意外な結末』のある作品の中から、いま読むならこれ! というものを3作品紹介させていただきます。



★【推しの子】(著:横槍メンゴ×赤坂アカ/集英社)
衝撃のアイドル×生まれ変わりミステリー作品。
『かぐや様は告らせたい』の赤坂アカ先生と『クズの本懐』の横槍メンゴ先生のタッグで描かれたこの作品は、表紙のイラストやタイトルから想像する内容をいいを意味で“裏切る”まさに衝撃の作品です。まず第1話がとにかく凄い。
この作品の軸となる伏線を、しっかりと貼りつつ第1話のみでも読者に「これでもか」と衝撃を与えてきます。ここまでの完成度をもつ連載作品の第1話とは、なかなか出会えるものではないと思わされるほど、読者の心を鷲掴みにしてしまいます。
ちなみに、そんな第1話ですら第1巻の物語の伏線のひとつでしかなく、2話目以降は1ページ目に、それぞれその話に準じた登場人物の“その後”の時間軸に撮ったであろうインタビューが描かれ、その後本編へとつながる構成になっています。
この構成により少しずつ本来の物語の全貌を見せていく……。1巻のみでもこの面白さ。
物語の最後には、どんな展開が待ち受けているのか、これからも非常に楽しみな作品です。


★死んだ彼氏の脳味噌の話(著:Ququ/KADOKAWA)
“緩やかに、締め付けられるような衝撃”を受ける連作短編という形で描かれた近未来SF恋愛漫画集。その中から表題にもなっている1作品を紹介したいと思います。
――突然の事故で死んでしまった彼氏を想い、泣き崩れる彼女の元に突然届いたのは、死んだと思っていた彼氏の脳味噌だった。“脳味噌だけで体を失った人を生かせる”そんなサービスに、彼氏は事故前に登録をしていたという。脳味噌だけになった彼氏とは、スマホを通して「嬉しい」「悲しい」という単純な意思疎通ができるだけなのだが、彼の死で絶望の中にいた彼女にとってはそれでも充分に幸せだった。しかし時間が経ち、彼女のその想いは大きく変わっていってしまう……。
人として体の触れ合いや、語り合うという当たり前の望みと、脳だけになっても、以前の感情を持ち続ける彼氏の想い……、私は彼氏側の感情でこの物語を読んでしまい、ラストにはギュっと胸が締め付けられるような衝撃を受けた作品です。この本に収められた作品たちは、全て人の想いと近未来のサービスからなる物語です。そのひとつひとつが大きく感情を揺さぶってきます。
あなたには、どの作品が最も衝撃的に映るでしょうか?


★失恋日記(著:柏木ハルコ/祥伝社)
こちらも短編集ですが、この1冊に収められているのは、タイトル通り全て「失恋」の物語です。“それ”が、どんな形でどんな失い方かはわかりませんが、“それ”は誰にでも訪れます。
「いつも通りの朝、ふざけあっていつも通りに冷たくあしらった彼女が事故にあう」そんな突然の別れ話もこの本には収められています。
死んだ彼女が残したものの中にあったノート。それを読むと、そこには残された彼氏が彼女にしていた何気ない行動が、どれだけ彼女を傷つけていたのか、その傷ついた想いの真実が詰まっていたのです。
いつも明るく楽しそうにしていた彼女と、そこに書かれた本当の彼女の感じていたものとのギャップそれを知り、色々な思いを膨らませていた彼氏が、ふと電話に残されていた彼女が死ぬ前に残した留守番電話に気が付く……。
“失恋する”という確定された未来が、この本の全ての作品が待っています。
しかし、それが分っているからこそ、衝撃を受けてしまう事もあります。この本はそんな1冊です。

今回はミステリー、SF、恋愛と3作品とも、違うジャンルでのセレクトをさせていただきました。
全く違った衝撃や意外性を持った極上のマンガです。
もし気になった作品があれば、お手に取っていただければと思います。
マンガを読むという幸せな時間をぜひ。

栗俣力也