――魅力いっぱいの福井が舞台の作品ですが、今回お二人が演じていらっしゃる黒羽と灰島はそれぞれどんなキャラクターなのでしょうか?
榎木 黒羽は身長も高くて、ポテンシャルはかなり高いんですけど、灰島に引っ張られる形で始めたのもあって、バレーに対する情熱はまだそこまである訳ではないんです。それに、高いポテンシャルの割には、メンタルがあまり強くなくて……。緊張するとミスが多くなってしまうというところがあるんです。でも、基本の性格は明るくて普通の高校生って感じですかね。
小野 灰島は、勘違いされやすいキャラというか。不器用な人間だなと思います。とにかくバレーが好きで、バレーのことしか考えていないので、言葉をストレートにぶつけてしまうキャラなんです。それ故に色々とトラブルを起こしたりするのですが、それでも、とにかくバレーのことしか考えていないという、ぶれない人間だなと。
――黒羽と灰島を演じる際に意識されていることはありますか?榎木 福井弁の特徴として、あんまりハキハキ喋らないというのがあるらしいので、聞き取れる範囲で、濁音とかはちょっと鼻にかけて発音したり、あんまりはっきり喋らないところを作ってみたりしていますね。
小野 僕は、セリフに悪意をもたせないように気を付けていますね。灰島って、セリフ自体が鋭くてちょっと棘があるんです。受け手側からしてみると、これって俺のこと嫌いなのかって思うくらいの棘のあるセリフなので、言葉自体の強さにさらに音声としての強さを乗っけてしまうと、灰島が嫌な奴にも見られかねないなと思って。なので、本当に悪意はなく、ただ純粋に先輩が春高に行くため、バレーで勝つためだけに発している言葉で、そこに悪意はないんだよというのは意識するようにしていますね。
――難しい表現ですよね。小野 そうなんです。だから本番を録っても、これで良かったかなって不安になることが多くて……。なので監督のOKを信じています。
――アフレコ現場はどんな感じなのでしょうか?小野 和やかな現場なんですが、他の現場に比べて、セリフの練習している人が多いです。
――それは熱心な人が多いからとか……?小野 いや、福井弁が難しくて(笑)。
榎木 僕、1話とか2話のアフレコ時は、福井弁に慣れるのに必死で、賢章君と会話していないですもん(笑)。だから、賢章君には暇な思いをさせてたかなって。
小野 いえいえ、大丈夫です。ゲームしてたんで(笑)。
――じゃあ、現場はひたすらみんなぶつぶつセリフを唱えている感じなんですね。
榎木 そうですね。ひたすら唱えています。
――小野さんは、それを横目にゲームを?小野 そうですね。申し訳ないなとは思いつつも、ゲームもね、大事な仕事なんで(笑)。
榎木 充電しながらやってましたもんね(笑)。
――練習のお陰で、福井弁はだいぶ板についてきましたか?榎木 そうですね。だいぶ慣れてきて、アフレコの時に会話する余裕もあります(笑)。
――今回の作品は、比較的キャストの皆さんの年齢が近いですが、皆さん面識はあったのでしょうか?
榎木 僕は皆さんありましたね。
小野 僕は伊東(健人)さんだけ初めてで。
――伊東さんに初めてお会いされていかがでしたか?小野 SNSではたまにお見掛けしていたんで、SNS上では出会っていたんですが、初めて本物に出会った時は、思ったより身長が高い!ってびっくりしました(笑)。それに、性格は穏やかな方で、本当に(伊東さんが演じている小田のように)主将っぽい方でしたね。