新曲全曲紹介！ASCA最新アルバム『百希夜行』を徹底解剖

――楽しみですね。『天秤 -Libra- 百希夜行ver.』は西川貴教さんとコラボした曲のアレンジバージョンですね。どんなところが変わっているのでしょうか？

ASCA　四つ打ち感が強くなっているのが特徴ですね。刻まれることで、この曲ってこんなに早かったんだって改めて楽曲の姿を再確認できました。「あなたと逢えた」とか音数が増えるところで四つ打ちが消えて歌だけになるところが気持ちいいんです！　西川さんと私の歌だけがファンって聴こえてきて……。また違った届き方になったかなと思います。

――西川さんとの初コラボ楽曲、いかがでしたか？ 

ASCA　もう、本当に2020年はこの曲に救われたってくらいに思い入れが強い曲なんです。3月くらいから自粛が始まりましたが、直接歌を届けることがいかに大切かを常々感じていたので、それが出来ないということで、ファンのみんなに忘れられちゃうと落ち込んでいたんです。でも、西川さんと歌わせていただけると知ってからは、「何をくよくよしているんだ。憧れの人と一緒に歌えるんだよ。このだらしない生活を変えなきゃ。このままじゃ美BODYの持ち主の西川さんの横に立てないでしょ！」って気持ちに切り替わりまして（笑）。

――西川さん美BODYですもんね。

ASCA　そう！　西川さんと歌わせていただけるから前向きになれたんですよ！　体も鍛え始めましたし。自分を磨くという点で、そこが私にとっての分岐点になったような気がしています。何度か一緒に歌わせていただきましたが、憧れの人が横にいて一緒に歌ってくれていると思えば、何も怖いものがなくって。もちろん、西川さんと歌うというのはプレッシャーが桁違いで不安でしたけど、実際に歌うと楽しくって！　それに、せっかく私を選んでいただいたので、西川さんに恥じないような活動をしていきたいなって凄く思いました。この間の収録では、西川さんから「俺たちようやく息合ってきたね」って言ってもらえて。

――それは嬉しいですね！

ASCA　めちゃくちゃ嬉しいー！ ってなりました。なので、息の合った西川貴教+ASCAの『天秤 -Libra-』を早く生でお届けしたいと思っています。

――楽しみに待っています。『DESIRE』ですが、こちらは初の全英語歌詞ということで。

ASCA　初挑戦でした！　以前も歌わせていただいた、VRゲーム『東京クロノス』シリーズの最新作ということで、全英語歌詞と初めての試みではありましたが、是非歌わせてください！とお願いしました。この曲は、プライベートでもご飯に行ったりする仲のR!Nさんが作詞をしてくださって。R!Nさんは英語ペラペラなので、発音もレクチャーしていただいたんです。レコーディング当日のボーカルディレクションも彼女にしていただいたので、安心して臨めました。お陰で凄くかっこいい楽曲ができたなと思っています。

――発音が中々難しそうですが、レクチャーのお陰でレコーディングはそこまで苦しまずにできた感じですか？

ASCA　サビのロングトーンの「My DESIRE!」は苦戦しましたね。こんなに苦戦するかっていうくらい。「ごめんごめん」と思いながらも何度も録らせていただきました。なので、この部分は特に注意して聴いてほしいですね。

――渾身の「My DESIRE!」ですもんね。『命に嫌われている。』はカンザキイオリさんのカバー曲ですが、なぜこの曲をカバーされたのでしょうか？

ASCA　自粛明け1発目の曲だったんです。オープニングテーマを歌わせていただいたアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』が放送延期になってしまって、歌を届ける期間が空いてしまうという時に、何かファンの皆さんに歌を届けたいと思ってこのカバーをさせていただいたんです。3カ月振りくらいにようやくレコーディング出来た曲だったのですが、歌入れ出来た時の喜びが半端じゃなくて……。歌うことの喜びを再確認した楽曲でしたね。歌詞自体は命を題材に書かれているんですが、よく読み込んでいくと、結局は自分も生きていたくて、周りにも生きていてほしいと思っている、希望がある曲なんじゃないかと思ったので、言葉を大事にレコーディングしていきました。

――特にお気に入りのフレーズはありますか？

ASCA　分かりやすく気持ちが入っていったのは、一番最後の転調後ですね。特に、「生きて、生きて、生きて、生きて、生きろ。」ってところ。本当にこれに尽きるというか、生きてさえいれば良いことあるって自分も思いたいし、伝えたい。みんな頑張って生きようねという。本当に素晴らしい楽曲ですよね。この時代に聴いていただけることに意味があるんじゃないかと思っている曲です。

――『君の街へ』では、初めて作曲にも挑戦されましたね。

ASCA　初めて作曲に参加しちゃいました。漠然とやってみたいなという気持ちはあったのですが、素晴らしい作曲陣が付いてくださっているので、私の出る幕ではないかなと思っていたんです。ですが、「いや、出る幕だぞ」と思いまして（笑）。私にしか作れないメロディーって絶対あるよなという気持ちにさせてくれたのはファンの皆さんのお陰ですね。どんな時も信じてくれて支えてくれて……。

――ファンの皆さんに自然と背中を押されていったのですね。初めての作曲はどんな風にされたのですか？

ASCA　デビュー当時から手伝ってくださっているSakuさん、重永さんと３人で部屋に集まりまして。私が曲の作り方とか全然分からないでいたら、「じゃあASCA鼻歌で歌っていってよ。それにコード付けるから」とSakuさんに言われて。で、ふんふん歌ってみたらギターが入って、そこに重永さんがピアノを合わせてきて。え⁉　曲ってこんな風に出来るんだ！　楽しいってなりました（笑）。その日の内にラララで歌ったデモまで作っちゃいました！　そのラララの音源はファンクラブでいち早く公開したりして。歌詞も2021年は必ず会いに行くからね、待っていてねという、みんなへの想いを書いてみました。

――2020年だからこそできた歌詞？

ASCA　間違いなくそうですね。有難いことに、私を応援してくださっている方には海外の方もたくさんいて。世界中の応援してくださっている方に歌を届けたいという気持ちで、「同じ空」という言葉を使ったりしています。今は会えないけど、みんなのことを思っているよ。みんなが幸せでありますようにって思いを込めて歌いました。レコーディング後に聴いたら、「自分の声優しい……」って思って（笑）。優しく歌おうと思っていた訳ではないのですが、自然と優しくなっていたみたいです。

――ASCAさんの気持ちが伝わる曲になっているんですね。いよいよ最後の新曲紹介ですが、『Wings to fly feat.足立佳奈、MaRuRi、mizuki』は普段から親交のある方達との楽曲ですが、凄くハッピーな曲ですよね。

ASCA　アルバムの一番最後に、世界に向けて洋楽っぽいハッピーでピースフルな楽曲を届けたいよねという話になって、作った曲です。2020年に感じた、私達は一人じゃないということを楽曲でも伝えたいと思って、3人にオファーしたら、みんな快くOKしてくれて！　3人とも凄く前向きな気持ちで参加してくれました。

――皆さんと歌い繋いでみていかがでした？

ASCA　いやー、想像以上でした。凄かったです。みんな個性があって、本当に私が大好きな声の3人なんですよね。頭の中ではどんな感じになるか想像できていたんですが、いざ全員のレコーディングに立ち会わせていただくと、歌の力凄いって感じました。特にサビで全員で歌うところのパワーの大きさ！　この歌を通して、「色々なことがあるけどきっと大丈夫だよ。みんな自由に羽ばたいて行けるから」というメッセージをみんなに届けられたらと思っています。

――アルバムの最後がこの曲なのは良いですよね。

ASCA　ライブでも最後にこの曲をファンの皆さんと歌えたら良いなって思っていたり……。そんな想いをTeddyLoidさんにお伝えして出来た楽曲なんですが、編曲のアレンジ具合も含め、本当にTeddyLoidさんにお任せできて良かったです！

――まだまだMVのお話とか色々と聞き足りないことがたくさんですが、最後に、読者の皆さんに向けて一言お願いします！

ASCA　今回のアルバムは、命というものに凄く向き合いながら制作していきました。私の歌を聴いてくれる人が一人でもいる限り、これからも歌い続けていきます。私の歌を聴いて、一人でも命が震える人がいてくださることを祈っています。

取材後に、「楽しくて喋りすぎちゃった～。全然時間が足りない」とおっしゃる程、一つ一つの楽曲に対して熱い想いを語ってくださったASCAさん。最新アルバム『百希夜行』は1月27日発売予定です。