Amazonが提供するオーディオブックAudibleは、いつでもどこでもプロの声優によって読み上げられた本を音声で聞くことができるサービス。そのAudibleにこの度、西尾維新の小説『<物語>シリーズ』が登場! アニメ版の同作で、各キャラクターを演じた声優陣が、本の朗読を担当しました。アニメージュプラスでは、『化物語』のナレーションを担当した阿良々木暦役の神谷浩史さん、戦場ヶ原ひたぎ役の斎藤千和さんにインタビューを実施。仕事を引き受けたことを後悔したという修行のようなアフレコの苦労話や『<物語>シリーズ』への想いなどを伺いました。
――今回お二人が朗読を担当された、AmazonオーディオブックAudibleですが、その存在は、元々ご存知でしたか?神谷 知っていました。
――どのようなきっかけで知ったのでしょうか?神谷 Amazonって最早、物流と言うインフラみたいなものじゃないですか。僕も日々利用させてもらっているので、その中で目にしていました。でも、残念ながら利用したことはなかったですね。
――斎藤さんはご存知でしたか?斎藤 私は知らなかったです。今回の企画で存在を知って、凄い物を作ったものだと思いました(笑)。
――Audibleで実際にナレーションをすると決まった時は、どんなお気持ちに?神谷 いや~、後悔しましたね(笑)。コロナ禍で暇だった時にマネージャーから電話が掛かってきて、「こういう案件なんですけど、どうしますか」と聞かれまして。仕事も無くて不安な時期だったので受けちゃったんですけど、絶対大変だよなって、受けた後に後悔しました(笑)。
斎藤 私は、どんなものなのかイメージが沸かなかったんです。今までもキャラクターコメンタリーのようなたくさん喋るお仕事は経験していたので、そんな感じかなと思っていたのですが、それ以上の量で! 驚きました(笑)。
――アニメのアフレコは基本複数名でされますが、今回はお一人でひたすらマイクに向かう感じでの収録だったのでしょうか?神谷 そうですね。僕も最初はアニメーションのように、セリフはセリフとして各キャラクターで録って、それを最終的に合わせるのかなと思っていたんです。だから、戦場ヶ原さんのセリフは斎藤さんが演じるものだと思っていたんですが、どうやら違うみたいだぞ、全部一人でやるみたいだぞ、と後になって分かり……。というのも、行く(仕事)現場行く現場で会う今回のキャストの人達に、「神谷さんのお陰で、私達も参加しなくちゃいけなくなったんですけど、どうしてくれるんですか?」言われるんです(笑)。
斎藤 私も思っていました(笑)。
神谷 知るかそんなもん! ですよ(笑)。こっちは生きる為にやっとるんじゃ、仕事があるのは有難いんじゃという気持ちでしたが、そう言われてようやく、「そっか、みんな一人で全部やらなきゃいけないんだ。そりゃ大変だ」と気付いたんです。僕も『化物語(上)』を全部一人でやらなきゃいけないんだと……。
――実際にやってみるとやはり大変でしたか?神谷 いや~、修行みたいでしたよ。いざ一人でスタジオに入れられて、西尾維新の難解な文章を音にする作業を延々やり始めた時に、これは大変だぞと確信しました。修行みたいな時間が延々と過ぎていくという感じで(笑)。
――何日間もずっとスタジオにこもりっきりで?神谷 その通りです。
斎藤 本当に修行でした……。