• 神谷浩史・斎藤千和が「修行でした」と語る『化物語』ナレーション
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2021.02.22

神谷浩史・斎藤千和が「修行でした」と語る『化物語』ナレーション

神谷浩史さん(左)と斎藤千和さん


――アニメのアフレコとは異なるものでしたか?

斎藤 全くの別物でした! 初めに、キャラクターを演じなくていいと言われたんですよ。「あまりひたぎを意識し過ぎずに読んでもらえればいい」と。でも、普段の私の喋り方とひたぎの喋り方は全然違うので、それだと『化物語』のファンの方は驚かれるかもしれないと思って、どうすればいいですかと(制作の方に)ご相談しました。最終的に「ひたぎが読んでいる」という体にしていったのですが、そこに至るまでも結構時間がかかりましたね。

神谷 多分ですけれど、制作陣も(元々アニメーションでそれぞれのキャラクターを担当していた)我々に全部を一人で読ませるのは困難なことだって薄々感じていると思うんですよね。だから、「お好きに読んでください」という形になる訳で。もちろん全て暦の声でやることも可能なのですが、そうなるとアニメーションの台本のように、ここはセリフ、ここはモノローグ、ここはナレーションと誰かが線引きしてくれないと難しいのです。それに、『化物語』に初めて触れる人でも分かりやすいようにとなると、アニメーションに寄り過ぎない、ある程度フラットな視点で読まなきゃならないかなというのもあり、僕の場合は、あくまで文章を読んでいるのは「暦の声だった人」という感じになりました。

斎藤 そうなんです。キャラクターで全部やるのは難しいところですよね。

神谷 アニメーションでやったことのあるシーンは、やっぱり相当熱が入りますし、近づけたいという想いも出てきますしね。みんなからは、どうしても地の文が暦の声で頭に入ってきてしまうから、それをどうやって自分の声にしなきゃならないかが分からないって言われました。

斎藤 他の人のセリフもそうでしたよ。地の文は暦の声で聞こえてきますし、他のキャラのセリフもそれぞれの声優さんが演じた話し方のテンポやテンション感が頭に入っているから、どうやって自分が表現すればいいのか頭がこんがらがってしまって……。一応アニメの雰囲気は入れたいなと思って、自分のセリフはアニメに寄せたりしているのですが、全体のバランスを考えると、あんまり寄せ過ぎても違和感が出てくるので、そこのバランスが難しかったですね。

――それだけ苦労されたということは、アフレコを途中で止めたりということもあったのでしょうか?

神谷 たくさんありましたよ。しんどくてこの先もう進めないなっていうことがたくさんあって。

斎藤 一生この文章言えないなというのもありました。

――お二人とも本当に修行のようなアフレコをされたんですね。お疲れ様でした。阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎに向き合うのは久しぶりだったかと思うのですが、久しぶりの『化物語』はいかがでした?

神谷 やっぱり『化物語』って面白いなって思いました。音にする作業はしんどかったですが、純粋に文字として文章を追っていくのは楽しかったですね。『物語』シリーズは話が進むにつれ、戦場ヶ原さんは特徴だった長い髪をバッサリ切ったりしてキャラがブレたりしつつ、ほかのキャラクターたちとの関係性も変わっていったりしているのですが、今回『化物語』を読むことで、そうか最初はこうだったよなという原点を振り返ることが出来ました。全部がここに詰まっていたんだなと改めて気付けましたね。

斎藤 基本的には阿良々木君の視点で書かれているので、阿良々木君はこんなこと考えていたんだと思いました(笑)。アニメのアフレコ時は、ひたぎのシーンを追っているので、他のキャラの気持ちまではそんなに深く考えていなかったのですが、阿良々木君含め、他のみんなもこんなこと考えて、こんなこと言っていたんだと改めて知ることが出来ました。

――改めて作品の魅力に触れられたんですね。

斎藤 こんなにたくさんキャラクターがいたんだなとか、色々な視点で見ることが出来ましたね。

アニメージュプラス編集部