• 『装甲騎兵ボトムズ』は “超人” キリコが人間性を取り戻す旅路の物語
  • 『装甲騎兵ボトムズ』は “超人” キリコが人間性を取り戻す旅路の物語
2021.03.06

『装甲騎兵ボトムズ』は “超人” キリコが人間性を取り戻す旅路の物語

(C)サンライズ

『装甲騎兵ボトムズ』シリーズの映像作品全てを収録した『装甲騎兵ボトムズ Blu-ray Perfect Soldier Box』が2月25日に発売。『装甲騎兵ボトムズ』シリーズのさまざまな角度から作品の魅力を探っていく短期連載企画の第2回目は、壮大なサーガの始まりでもあるテレビシリーズに注目、主人公キリコ・キュービィーのドラマについて掘り下げていこう。

テレビシリーズ『装甲騎兵ボトムズ=ボトムズ』は、アストラギウス銀河でギルガメス連合とバララント同盟による、およそ100年続いてきた第3次銀河戦争=百年戦争の終結から始まり、主人公キリコ・キュービィーが4つの舞台を渡り歩きながら進行していく。それぞれの舞台は、過去を持たず戦いしか知らない “虚無” な兵士として生きてきたキリコが、再び人間性を回復させながら自分が何者であるかを見つけるために巡るべき場所として用意される。

“虚無” の存在だからこそ人との関係性を持つことができないキリコは無表情で無口な存在であり、その心情は全編を通して語られるモノローグでしか確認することができない。このスタイルはキリコというキャラクターを見事に表現すると共に、『ボトムズ』という作品にハードボイルド的なイメージを与えることに成功している。

第1部「ウド編」は、脱走する形で軍から離れたキリコが惑星メルキアにあるウドの街にたどり着くところから始まる。
かつて工業都市として栄えていた惑星メルキアの街・ウドには荒くれ者、さらに戦争が終わって職を失った兵士たちが流入し、アーマードトルーパー=ATを使った格闘賭博「バトリング」が栄える渾沌としたエリアとなっていた。キリコはここで人生を大きく変える人物たちと出会うことになる。

まずは底辺の街に暮らしながらも腐らず、前向きに逞しく生きようとする彼を支えてくれる仲間たち――ブローカーのゴウト、その知り合いであるバニラやココナとの出会い。そして、脱走のきっかけを作ったパーフェクトソルジャー=PS・フィアナとの再会。“虚無” だったキリコの中に人間らしい友情と恋愛に近い感情が生まれるが、ウドの街が崩壊して仲間と離れ離れになった彼は再び戦場へと戻ることになる。

(左から)キリコをサポートするゴート、バニラ、ココナ。 (C)サンライズ

アニメージュプラス編集部

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