• 『装甲騎兵ボトムズ』の世界をユニークに拡大した「外伝」の挑戦
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2021.03.18

『装甲騎兵ボトムズ』の世界をユニークに拡大した「外伝」の挑戦

『ボトムズ』の外伝OVAシリーズ『機甲猟兵メロウリンク』 (C)サンライズ

『装甲騎兵ボトムズ』シリーズの映像作品全てを収録した『装甲騎兵ボトムズ Blu-ray Perfect Soldier Box』発売を記念して、『ボトムズ』シリーズのさまざまな角度から作品の魅力を探っていく短期連載企画も遂に最終回。第5回目となる今回は、シリーズの可能性を広げた「外伝=サイドストーリー」作品にスポットを当て、『装甲騎兵ボトムズ』がどのように世界観を広げていったのかを解説していこう。

キリコ・キュービィーを主人公に据えた物語が40年近く継続している『装甲騎兵ボトムズ=ボトムズ』シリーズ。その一方で、『機動戦士ガンダム』シリーズほどではないが、世界観や設定を共有した「サイドストーリー」的な作品がいくつか存在している。

最初に登場したのは映像作品ではなく、85~87年に朝日ソノラマから発売された小説『青の騎士ベルゼルガ物語』(はたまさのり/全4巻)だ。テレビシリーズにも登場するクエント人が使用するアーマードトルーパー=AT・ベルゼルガを主人公が乗る機体と設定、AT同士の戦闘賭博「バトリング」に絞る形で描かれた作品である。
本作のメディア展開はカセット文庫のオーディオドラマ版が作成されたのみだが、現在も関連プラモデルなどがリリースされるなど、『ボトムズ』ファンから高い支持を得ている。

サイドストーリーが初めて映像化されたのが、88~89年に発売されたOVA『機甲猟兵メロウリンク』(神田武幸監督/全12話)。物語の舞台となるのは、テレビシリーズの冒頭と同じく百年戦争末期の世界。撤退陽動作戦で全滅したプランバンドール機甲大隊のシュエップス小隊所属の兵士メロウリンク・アリティは、敵前逃亡並びに軍需物資強奪の疑いをかけられて脱走、事件に関わった軍上層部の人間を探し出し仲間の仇を討つための旅を続けることに。復讐を続ける中で、彼は事件の裏にあったさらに大きな陰謀の正体に気付くことになる。
高橋良輔監督はシリーズ構成と一部脚本として参加。ミステリー仕掛けのストーリーと大型の対ATライフルを手に生身でATと戦うという、テレビシリーズには無かったアクションが見どころとなっていた。
対ATライフルを武器にして、生身でATと戦うメロウリンク。 (C)サンライズ

アニメージュプラス編集部

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