• 「アニメージュとジブリ展」島本須美さん大サービスのトークセッション
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2021.04.17

「アニメージュとジブリ展」島本須美さん大サービスのトークセッション

(左から)展覧会の監修を務めた高橋望さんと島本須美さん 撮影/大山雅夫

――展示の感想をお聞かせいただけますか。

島本 昨日作業中のものを拝見したんです。つるっと観られればいいなと思っていたんですが、ついつい立ち止まってじっくり観て、あっという間に時間が経ってしまいました。

――特に印象に残ったところは?

島本 やはり自分関連のところですかね(笑)。『ナウシカ』のエリアは観て楽しませてもらえるものがたくさんありますし、あと入口近くの表紙がズラリと並んでいるところは、自分が昔手にしたり読んだりした号が見つかると思いますので、懐かしく思って頂けるのではないかと思います。

高橋 (島本さんは)自分の世代から見ると、大げさに言えば神みたいな存在なので、そう言っていただけると光栄です。

――高橋さんは、当時島本さんと一緒にお仕事をされましたか?

高橋 83年の春、『ナウシカ』公開のタイミングでの入社でしたが、残念ながら。(島本さんの案件は)鈴木さんが独占していましたので(笑)。

島本 ところで全然触れてもらえないんですが、何気に選んだ今日の服の色、ナウシカが王蟲の体液を浴びる前のものに似てませんか? これから青に変わります(笑)。

――鈴木さんとのお仕事での思い出はありますか?

島本 アニメージュで文庫を出させて頂いた時にいろいろご相談にのっていただいたことがありましたが、すごく活発な方でした

高橋 その本(『島本須美 これからの私』)は中でも展示されていますが、宮崎さんが相談相手になって島本さんの半生を振り返る、みたいな内容です。(昔は)宮崎さんもこういうことをやっていたのか、と思ってもらえるのでは(笑)。

――高橋さんにとって、当時の鈴木さんはどんな存在でしたか。

高橋 当時は若くて生意気でしたから、「アニメージュを良い雑誌にしたい」と格闘していまして……鈴木さんはそこで戦う相手、みたいな感じでした。ジブリに入ってからは非常に厳しい上司になりましたが、仕事面で得るものは大きかったです。

島本 高橋さんはこの企画に大変思い入れがあって、音声ガイドの収録時にも1コーナー20分くらい話されていたので。今日もお話足りないのではないかと……。

高橋 (収録時に話した)9割はカットされました(苦笑)。でも皆さんが聴きたいところだけ残してもらえたので、結果的には良かったと思っています。


――アニメージュは、作品だけでなくスタッフや声優さんにも注目した雑誌です。

高橋 当時そういう部分を読者に伝えていったことが、アニメージュ最大の功績です。アニメグランプリは、そういった方々に日本武道館の壇上に上がって頂き、ファンに集まってもらうという「アニメーションのお祭り」として開催されて、当時は大きな価値があったと思います。

島本 あんな大きいところにたくさんのお客さんが集まってくれて。第1部は授賞式、第2部は声優さんや歌手の方が歌ったり踊ったりするステージだったんですが、考えると今開催されている声優さんのイベントの走りでしたね。

高橋 そうですね、アニメのいろんな楽しみ方のひな型となった雑誌だと思います。

島本 昔は(テレビアニメを)「マンガ」って呼んでいましたから。それをアニメと呼ぶようになった先駆けの存在だったなと。

――昨日は鈴木さんが展示をご覧になられて「こんなの、あったんだ?」「よく残ってたね」と何度もおっしゃられていましたが、そんな反応も嬉しかったのでは?

高橋 いや、むしろ怖かったですね(苦笑)。

アニメージュプラス編集部

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