• 『鬼滅』『呪術』にハマった方にオススメ!GWに読みたいマンガ2選
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2021.05.01

『鬼滅』『呪術』にハマった方にオススメ!GWに読みたいマンガ2選

GWに読みたいマンガ2選

ゴールデンウィークは、どのようにお過ごしでしょうか。長い休みを利用して気になっていた漫画を一気読みするという方も多いのではないでしょうか?
『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』の大ヒットで漫画に触れ次に読む作品を探しているなんて方もいらっしゃるかもしれません。今回はそんな方にオススメしたい、あえて王道とは違う、だけど間違いなく面白い! そんな作品を2つご紹介させていただきます。

◆『道士郎でござる』
・著:西森博之/小学館(少年サンデーコミックス)
『道士郎でござる』(全8巻)は、2018年放送のTVドラマに引き続き映画化された『今日から俺は!!』の著者・西森博之先生の作品です。
この作品はアメリカのネバダ州から12年ぶりに日本へ帰ってきた武士のような男、道士郎が高校に通う学園物語。見た目も武士のような風貌で、武士道精神を持ち、圧倒的強さの道士郎と、家族や仲間たちとの生活を描く武士道コメディ漫画です。

武士道精神あふれる桐柳道士郎は、お弁当のサンドイッチにガッカリして、おむすびへの思いを熱く語ったり、着物への異常な執着を見せていたはずなのに、体育の時間はしっかり体操着に着替えたりと、お茶目な一面を見せる姿も魅力的です。人気キャラクターの多い西森作品の中でも、魅力が高い登場人物のひとりではないでしょうか。

ヒロインの白瀬エリカは、素直じゃなくて不器用、いわゆるツンデレ的な魅力を持つ凛とした白い髪の女子高性です。
ヤンキーに囲まれてナイフを突きつけられた場面では、表情を一切変えず自ら手のひらをナイフの前に突き出して相手を威嚇するような強い一面を持ちながら、笑いのツボが人とズレており不思議な空気を醸し出したり、困った人をほっとけない優しい性格なのに、素直に表現できず遠回しに助けたりします。
「エリタン」とあだ名で呼ばれて、顔を赤らめながら「エリタン言うなー!」と恥ずかしそうにする姿や、仲間たちへの信頼感が見えるシーンも魅力的です。

桐柳道士郎が主人公だと思った方が多いと思いますが、この作品の主人公は小阪健助です。
健助は、とにかく「普通」です。一言でいうならば、作中もっとも読者に近い存在です。
ですが、この健助、実は読者から嫌われています。
問題に向き合わず、人任せにやり過ごし、自分の得を一番に考える。そんな健助の性格に嫌悪感を持つ読者も多いと思います。
しかし、自分に当てはめて考えてみると、その考え方が当てはまる人も多いのではないでしょうか? もしかすると健助に抱いていた「嫌い」と言う感情は自己嫌悪に近いもではないかと思います。

そんな読者の代表的存在の健助は道士郎たちと過ごす中で、どんどん人間として成長していきます。どんな道を彼が進んでいくのか、それは実際に読んでほしいと思います。めちゃくちゃ笑える作品なのに、目頭が熱くなるシーンに出会えるかもしれません。

困難な場面に立たされたとき、それに真っ直ぐ向き合うか、それとも尻尾を巻いて逃げるのか、その選択しだいで人生は大きく変化する。そんなことをこの作品は教えてくれます。

エンターティメントとして思いっきり楽しめ、そして読んだ後、何か心に残るものを得られる。『道士郎でござる』はそんな作品です。

◆『AIの遺電子』
・著:山田胡瓜/秋田書店(少年チャンピオン・コミックス)
近年話題に上がることも多くなってきた人工知能、AI。
この作品はそんな人工知能が発達して、ヒューマノイドが人間と同じように生活をしている近未来を描いたSF作品です。
これから来るAI時代に対して不安を抱えている人は少なからずいると思います。AIに仕事が取られてしまうのではないか、AIによって自分の生活が変わってしまうのではないかと……。加速的にAI時代が近づいてきている今、まさに読んで欲しいと思う作品がこの『AIの遺電子』です。

この『AIの遺電子』は基本的に1話完結で物語が描かれていきます。
とある話では、選択を迫られた夫婦の話が描かれています。その選択とは子供に関わる事で、妊娠の診察に行く夫婦に言い渡された診断結果はおなかの子供が「無脳症」である事。脳の大部分が形成されず、このまま生まれてきても母体の外で長く生きることは出来ないというものでした。そして治療法として提案をされたのはヒューマノイドの電脳移植。

ヒューマノイドは、ヒトの脳を高度に模した回路を持ち人類の一員としてヒトと一緒に生活をしています。ヒトと同じように恋をして、家族を持ち、老いて死んでいきます。
その頭には電脳という精密機械が収まっており、国が運営する超AIが複雑な計算式でヒューマノイドの性格も作ります。ヒトの子供は父と母の遺伝子が混じりあっていますが、その電脳を移植したら“それ”は一体誰の子供なのか。
この難題に直面した夫婦が悩み悩んだ末にどんな選択して、その結果、どんな未来を向かえたのか……。それはぜひ実際にコミックスを読んでいただきたいと思います。

『AIの遺電子』シリーズは、『AIの遺電子』(全8巻)、続編の『AIの遺電子 RED QUEEN』(全5巻)、現在連載中の『AIの遺電子 Blue Age』(既刊1巻)と3作品ほど発売されていますが、今回紹介した夫婦の話は『AIの遺電子 Blue Age』の第1巻に収められています。

また、『AIの遺電子』では物語の結末もしっかりと描いてますが、そこにある「答え」を示すような描き方はされておらず、手塚治虫先生のブラックジャックがそうであったように、この作品も「答え」を読者に委ねています。この作品には「この場面は泣くべきだ」「この場面は怒るべきだ」という感情の誘導は一切なく、1話1話をどんな感情で受け止め、どんな答えを出すかは読者次第なのです。


今回はゴールデンウィークに読んで欲しい作品2作品をご紹介させていただきました。
ぜひ長い休みのお供に今回ご紹介しました作品の他にも沢山の面白い作品がございますので気になっていた漫画の一気読みをしてみてはいかがでしょうか?

素敵な作品の数々があなたを待ってますよ!

栗俣力也

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