『エヴァ』『幽☆遊☆白書』の秘話も満載！　声優・緒方恵美の自伝発売

新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役、『幽☆遊☆白書』蔵馬役、『美少女戦士セーラームーン』天王はるか／セーラーウラヌス役など、数々の役を演じてきた声優・緒方恵美の、初の自伝エッセイ『再生（仮）』が、4月28日に発売された。
“大人気声優が初めて明かす、これまでとこれから” とオビに記されているとおり、声優・緒方恵美がこれまで関わってきた作品の貴重な裏話や、プライベートなできごとにも触れながら “声優” として生きてきた人生を振り返る、読み応えのある1冊となっている。

デビュー作『幽☆遊☆白書』蔵馬役に抜擢された裏話、はじめてのアフレコ現場での戸惑い、『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役が決まるまでの運命に導かれるような意外な経緯など、興味深い秘話が満載されている本書。
その瞬間の彼女自身の気持ちを偽りなく明かしながらも、今現在の視点で振り返って記していく語り口は冷静で、“声優という仕事” に携わる人の思考や感情がビビッドに伝わってくるのが大きな魅力だ。
また、庵野秀明をはじめとしたスタッフたちとのやりとりや、人気作のアフレコ風景の描写などは、1990年代〜から今現在に至るまでのアニメの現場の一端の記録としても大きな価値を持っているといえるだろう。
そして、生い立ちや私生活についてもかなり踏み込んだ記述がなされており、本書の編集や構成に携わったスタッフへの厚い信頼が行間から感じられることも特筆しておきたい。
結果として、「ひとりの人気声優から見たアニメ業界」と「声優という職業の実際」が生々しく、しかし前向きな視点で語られたことが、本書の価値を大きく高めている。

巻頭にはライブやアフレコ時の写真、幼少期〜学生時代の貴重な写真も掲載された16ページのカラーグラビアも収録されている。
緒方恵美ファンなら必携の1冊であることはいうまでもないが、より広い層のアニメファン、アニメ業界や日本のアニメに興味のある人にもぜひ1読を勧めたい。
最先端で仕事を続けてきた人気声優の “自分史” であるだけでなく、日本のアニメ業界の盛衰を現場で見つめ、体験してきた人物が語る “オーラル・ヒストリー” としても非常に価値のある内容となっている。

『再生（仮）』
緒方恵美 著
4月28日（水）発売／1870円（税込）／KADOKAWA刊
＊電子書籍版も同時発売

【著者紹介】
緒方恵美（おがた・めぐみ）
6月6日生まれ、東京都出身。声優、歌手。1992年にアニメ『幽☆遊☆白書』蔵馬役でデビュー。『新世紀エヴァンゲリオン』碇シンジ役のほか、『美少女戦士セーラームーン』天王はるか／セーラーウラヌス役、『カードキャプターさくら』月城雪兎／ユエ役など数多くの作品に出演し、人気を博す。歌手としても楽曲リリースやライブ活動を精力的に行う。2019年2月、新事務所Breathe Artsの設立を発表し、代表を務める。