『魔進戦隊キラメイジャー』キラメイブルー/押切時雨役などで知られる、俳優の水石亜飛夢さんが、ひとり親家庭に食料を届けるためのクラウドファンディングプロジェクト「Be A HERO」を立ち上げた。
5月27日の支援募集締め切りまであと少しというタイミングで、プロジェクトへの想いを語ってくれた。
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一通のファンレターに背中を押されて
――『Be A HERO』プロジェクトについてお聞きしたいと思います。まずは、どのような経緯で立ち上がったのか教えてください。
水石 この1年、新型コロナウイルスの影響で多くの人々にとって大変な年だったと思います。僕も『キラメイジャー』の撮影が止まったりと影響を受け、この先どうなるんだろうと不安に思うこともありました。そんな中、僕がミュージカル『テニスの王子様』に出演した頃から応援してくださっている方からお手紙が届いたんです。子ども二人を持つシングルマザーというその方は、「先の見えない状況に、不安で死のうと思いました。でも、亜飛夢くんが『キラメイジャー』でヒーローとして活躍している間は死ねないと思って、ここまで生きられています。ありがとう」と手紙に書いてくださったんです。それを読んで、今だからこそヒーロー役をやれてよかったなと思うと同時に、僕や『キラメイジャー』を知っている方にしか、活力を届けられていないのではないかと歯がゆさを感じました。『キラメイジャー』のクランクアップが近くなってきたタイミングで、作品や役に頼らずにヒーローとして活動ができないかと、事務所に相談しました。今回はひとり親家庭に焦点を当てて活動ができればと思い、READYFORさんとグッドネバーズジャパンさんにお声かけしてご賛同いただいて、プロジェクトが立ち上がりました。
――作品や役に頼らずにヒーローになる、という発想が素敵ですね。それに、ただ「人の役に立ちたい」という思いを持っているだけでは、ここまでできないと思います。
水石 幼い時から、ぼんやりと人の役に立ちたいなという思いがあったのですが、機会やタイミングを掴めずにいました。背中を押してもらえる何かがないと、なかなか実現しづらいことだと思います。実際、困っている人たちの役に立てるかどうか、目標金額に達成できるか不安に思っていました。でも、僕を応援してくださる方はみなさん温かい方ばかりですし、一緒に力になってくれると信じて立ち上げに踏み切ることができました。
――プロジェクトを立ち上げるきっかけとなったお手紙をくださったファンの方から、このプロジェクトについて反応はありましたか?
水石 いえ。というのも、きっとその方もご自身がきっかけだと気づいていないのではないかと思います。ファンレターを読んでいて、同じような境遇の方がたくさんいるんだなと気づいたんです。このプロジェクトについて取材してくださった方にも、そういう状況の方がいらっしゃいました。ただ、このプロジェクトが立ち上がった発端は間違いなくその一通の手紙です。率直な思いやご自分の近況を書いて僕に届けてくださって、自分にできうることを気づかせてくれたので、ありがたいという気持ちでいっぱいです。
――プロジェクトのサイト(https://readyfor.jp/projects/BeAHERO)には、水石さんが出演、ナレーションを務められた動画もありますね。拝見して、水石さんの熱い思いが伝わってきました。
水石 ありがとうございます。動画を観てくださる方の琴線に触れられたらと思い、ナレーションは特に心を込めて、丁寧に読みました。今でもナレーションで読んだ文言は覚えています。あのセリフは、動画を作ってくださったクリエイターさんと一緒に考えました。
――ナレーションのセリフは、短いながらもメッセージ性溢れる言葉でしたよね。
水石 現実世界でも、誰もがみんな何かと戦っていると思います。僕は、「戦うことで、何かを守ろうよ」という方向に繋げたかったので、最後の「さあ、一緒に守ろう。あなたも誰かのヒーローだ」というメッセージは活かしたかったんです。
アニメージュプラス編集部