• 『シドニアの騎士 あいつむぐほし』吉平 “Tady” 直弘監督が語る制作秘話 
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2021.06.03

『シドニアの騎士 あいつむぐほし』吉平 “Tady” 直弘監督が語る制作秘話 

『シドニアの騎士 あいつむぐほし』(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工重力祭運営局

弐瓶勉の大ヒットSFコミックス『シドニアの騎士』。ポリゴン・ピクチュアズによって2シーズンにわたってアニメーション化されてきたが、6年の時を経ていよいよ完結編となる劇場版『シドニアの騎士 あいつむぐほし』が6月4日より劇場公開される。本作の監督を務めた吉平 “Tady” 直弘氏が、作品の完結に向けてどんな思いで制作に臨んだのかを語るロングインタビュー(全2回)。前編となる今回は、本作の企画段階からお話を伺った。
吉平 “Tady” 直弘監督

――TVシリーズ以後のストーリーを劇場版としてまとめるにあたって、どのように考えて作業を進められたのでしょうか?

吉平 TVシリーズ第2期以降の原作エピソードを考えると、もう一度TVシリーズをやれるくらいの分量がありました。まずはそのボリュームと戦いながら、ひとつのストーリーとして再構築することが大切でした。何より原作ファンを裏切らない内容にしなければならないというところが、難しいチャレンジとなりましたね。

一方で、6年という年月を空けて続編を劇場版でやる、という難しさもありました。観ていただいた方が設定やストーリーを忘れてしまっているかもしれないし、初見の方はさらに入ってきづらい状況になっていますから。それを考慮して、初めて見る方にとってはシドニアの社会構造やガウナの脅威を伝える描写を改めて入れ込みつつ、単独のエピソードとしても観ることができる作品として、そしてこれまで観ていてくださったファンの方には多くのアンサーが含まれる完結編として相応しいもの、その2つの側面を意識して脚本を組み立てていくアプローチを行いました。

――メインキャラクターの過去や出自など、TVシリーズで回収されなかった要素を考慮すると、よくここまで1本の映画としてまとめることができたものだ、と感心しました。

吉平 原作から入れたい要素を全て抜き出してまとめあげた最初の脚本はかなりのボリュームになっていて、「これは絶対に2時間じゃ収まらない」という感じでした(苦笑)。さらに物語のエッセンスとして足りないポイントも多かったので、改めて再構築する形で脚本をまとめ直して、そこからさらにコンテでも物語の構成を練り直しました。何度も何度も見直して『シドニアの騎士』のエッセンス、初めての方がどのように感じるかも研究して、今の形に作り上げていきました。自分たちとしてはまさに必死に練り上げたという思いがありましたが、一方で「深く考え過ぎてないか?」という不安もありました。だからこそ、初号試写会で観ていただいた皆さんの好意的な反応は、とても嬉しかったですね。
壮大なスケールで描かれるバトルとドラマは大スクリーンこそがふさわしい。

(C)弐瓶勉・講談社/東亜重工重力祭運営局

アニメージュプラス編集部