• 3年間のシリーズに幕!『キラっとプリ☆チャン』スタッフ座談会
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2021.06.10

3年間のシリーズに幕!『キラっとプリ☆チャン』スタッフ座談会

(C)T-ARTS / syn Sophia / テレビ東京 / PCH3製作委員会


やっぱり子どもたちに変なものは見せたくない!

──アニメオリジナルのストーリーについての苦労は?

池畠 同世代の他の監督さんに比べると、僕はアニメオリジナル作品をやっているほうなので、そこでの産みの苦しみみたいなものはありませんでした。とはいえ、原作ものと比べると、1回の脚本会議の時間はとんでもなく長かったですけどね。確か十数時間やっている時もありました。昼頃から始まって夜遅くまで。ただ、キッズアニメなので、やっぱり子どもたちに変なものは見せたくないわけです。自分の中での「キッズアニメのライン」をきちんと引きたいという気持ちはありました。でも「どこで線引きしたらいいのか?」は、最初は探り探りだったんですよ。だから最初のほうは、そのラインを越えないように、とにかく気をつけてやっていました。それがだんだん話が進むにしたがって、「ここまでは大丈夫」というのが分かってきました。

川瀬 最初、「この作品におけるリアリティライン」というのはかなり気にしていましたよね。

満田 そこからすると、3年間でだいぶ変わっているような。2年目は、だいあのドラマを通して、すごく人間の感情に触れていたと思うんですよ。1年目の時はそういうのはやらなかったので、「池畠さん、ちょっと考え方が変わったんだなぁ」って思っていました。

池畠 ああ、一種のライブ感覚で作ったところがあるせいかな。自分の中の基準はありつつも、思いついたものを「面白そうだからやっちゃおう」みたいなことが……たとえばVTuberとかの流行りものもちょっと入れてみようとか。そのせいかもしれませんね。

──流行りものというのは、小さい子たちにも受けそうなものということでしょうか。

池畠 ええ。僕は42歳なんですけど、そのアイデアを得るために、いろいろと小さい子が好きそうなもの、興味のありそうなものを調べないといけないぞ! って意識していました。そういう意味でのプレッシャーは大きかったです。

川瀬 タカラトミーアーツの人が言っていましたもんね。「観ている子たちの憧れになるような、作品とキャラクターにしてください」って(笑)。

池畠 意外とオジサンが若者向けだと思っているものが、実はもはや若者向けではなくて自分より少し年下のオジサン向けでしかない、みたいなこともあったり(笑)。

満田 指ハートなんかも、今はもう古いらしいですからね。

池畠 流行語も、1年目で「エモい」を入れたんですけど。

──でも「エモい」は、それなりに定着したのでギリギリ大丈夫では?

池畠 そうですね。僕も今は「ここはもう少しエモい感じに」とか、普通に使うようになりましたから。でももう「新しさ」はないじゃないですか。それくらい、若い世代というか小さい子たちの間で何が流行っているのか? というのは、今まで以上にすごく気にして作っていました。たとえばタピオカミルクティーが流行ったら、即座に「これだ!」って本編に出してみたりとか。そういう意味ですごく勉強になったし、アニメファン向け作品だけをやっていたら身に付かないような勘も得られた気がします。その中で、結構好きなようにやらせてもらえたのでとっても満足していますし、自分の作品としても間違いなく代表作として名前を挙げられるものにもなりました。このシリーズの監督をやらせてもらえて、すごくありがたかったです。やっぱりキッズアニメって楽しいな! って思える3年間でした。
(C)T-ARTS / syn Sophia / テレビ東京 / PCH3製作委員会

アニメージュプラス編集部