• 【『映画大好きポンポさん』SP】富澤祐介が語る平尾隆之監督と『ポンポさん』
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2021.06.14

【『映画大好きポンポさん』SP】富澤祐介が語る平尾隆之監督と『ポンポさん』

(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/映画大好きポンポさん製作委員会


辿り着いた『ポンポさん』

——そんな時期に出会ったのが『ポンポさん』だった……ということでインタビュー冒頭に戻るわけですね。無事に完成し公開された映画、ご自身ではどんな感想を抱きましたか。

富澤 今まで話してきたような経緯もありますし、『ポンポさん』ではプロットやシナリオの段階でも意見交換し、本編を90分にまとめるにあたってもアイデアを出し合ったりと、実際の制作にも関わらせていただいています。そのステップのすべてまでが、自分の中ではメタな “作品” と一体になってしまっているので、冷静には観られない面が、若干あります。でも、それは抜きにして、原作ファンも含めてどんな観客に対しても、本当に完璧に近い仕上がりになっていると、自信を持って言える作品だと思います。原作をベースにしつつ、オリジナル要素もまったく違和感なく、ひとつの映画としてまとめきっているバランスで、本当に感動的だな、と。特にそのオリジナル要素があることで、実際にクリエイティブに関わっていない方でも『ポンポさん』の物語や世界により入り込み易くなっていて、そこは平尾さんの狙い通りかなと思います。

——オリジナルキャラクターのアランを絡めることで、もの作りに直接関わってる人はもちろん、その周辺で働く人、あるいはもの作りに直接は縁がない人でも、広い層が楽しめる内容になっているますよね。

富澤 そこは本当に、宣伝的にも強調したいところですね(笑)。作中のアラン君もそうですが「自分には何もない」と言いながら、本当は「自分にも何かできるはず」「何かがしたい」という気持ちは、誰もが持っていると思うんです。そういう気持ちを応援してくれる映画ですし、一方である意味、その裏に “狂気の世界” の入り口を描いていて、観る人によってはどこまでも深みにハマれる映画でもある。本作のターゲットについてはずっと議論もあったのですが、制作後半で音楽の松隈ケンタさんや神椿さんに参加してもらえたことで、若い世代の方々にも楽しんでもらえる映画にもなったとも感じています。とにかく多くの方とご縁がつながることで、僕が平尾さんにお話をしたときに想像していたものの何100倍もの輝きを放つ、宝石のような映画になった。そういう意味では多分、僕が一番嬉しいのですが(笑)。この映画で、ひとりでも多くの未来のクリエイターを応援したいーーという思いが僕にもあったし、平尾さんにもきっとあったんじゃないかと思います。ここまでストレートな応援歌を、作品として形にできる機会はこの後、あるかどうかもわからない。だからこそ多くの人に観てほしいですね。今、劇場公開中ですが、極端に言うなら、出会うのはいつでもいい。この『映画大好きポンポさん』という作品が、自身の夢に対して迷いや悩みを抱いた人が、いつでも触れられる一作として残り続けてほしいというのが僕の願いですーーでもせっかく上映中ですから、ぜひ劇場に行って観てください!

(C)2020 杉谷庄吾【人間プラモ】/KADOKAWA/映画大好きポンポさん製作委員会

アニメージュプラス編集部

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