念願だったアニメージュデビュー!ーー峯田さんは、もともとアニメはお好きだったんですか。
峯田 好きですね。特にアニメの主題歌が好きです。アニメとその主題歌の世界感が寄り添っている作品って、すごくいいなと思いますね。
それに僕、アニメージュに就職するのが夢でしたから。
夏目 そうなんですか(笑)?
峯田 はじめてのアニメージュの取材で、念願が叶いました。
僕、小学校の時に外で遊ぶ子ではなくて、家でアニメを観るのが好きで。だからお母さんがよく本屋さんに連れてってくれて、アニメージュをいつも買ってたんです。当時、連載で『(風の谷の)ナウシカ』をやってて、それと『ゲゲゲの鬼太郎』とかいろいろな特集も組んでくれて、アニメージュがすっごく好きだったんです。本当に「将来はアニメージュで働く!」って思ってました。
僕、バンドやろうと思ったのは19歳くらいで遅くて、子供の頃の夢は本当にアニメの世界で、アニメージュで自分の好きな作品を表紙にすることだったんです。
いちばんアニメを観ていた時期は小学生で、やっぱりアニメと主題歌がくっついて印象に残っていて。『うる星やつら』にしても『ストップ!!ひばりくん!』にしても、主題歌が全部を物語っている。
細野(晴臣)さんが作った『ナウシカ』のイメージソングもそうですけど、メロディがすべてアニメに寄り添っている。
だから今回も、なるべくアニメに寄り添えるような音楽にしたいなと思ったんです。自分が書きたい曲を書いて、それがアニメと一体化しているのがいちばんですけど、とにかく「アニメは関係ないや、曲だけ勝手に」ではなく、自分の曲が夏目さんのアニメの感じとぴったりになってればいいなというのはありましたね。
ーーせっかくなので、峯田さんが特に好きなアニメを教えてください。
峯田 特に好きなアニメかぁ……『幻魔大戦』。
夏目 おお(笑)。
峯田 『幻魔大戦』とか『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』とか。あの時代の、子供が観たらちょっと怖いと思いそうな、ちょっとおどろおどろしい部分が入っているものとか、好きでしたね。『鬼太郎』とか『ドテラマン』とか。
あと『らんま1/2』とかのラブコメも好きです。『らんま1/2』の主題歌が最高だったんですよ! 西尾えつ子さん、最高なんですよ。
夏目 そうなんですね……聴き直してみます(笑)。
ーー『幻魔大戦』があがったのは、ちょっと驚きでした(笑)。
夏目 最初にあがったのが『幻魔大戦』(笑)。
峯田 人生でいちばん観ているアニメ映画かもしれないです、『幻魔大戦』が。
夏目 『幻魔大戦』はマッドハウスですからね。今回の『Sonny Boy』と同じ制作会社です。
峯田 声優さんも、白石加代子さんや美輪明宏さんがおどろおどろしい声で、あれ、子供心に「うわー、怖ぇ! でも最高!!」みたいな。
夏目 変わった子供ですね(笑)。
峯田 怖かったなぁ、新宿のシーン。
好きな作品はもっとありますよ、もっと語りたいですよ! TVシリーズの『(新世紀)エヴァンゲリオン』も最高だし、最近だと『輪るピングドラム』も最高だし。『ピングドラム』も本当に、やくしまるえつこさんの主題歌がすごくよくて。作品と曲の表情がすごく合っていて、やっぱ、ああいうのはいいですよね! 音楽とドラマがちゃんと結びついてる。
夏目 峯田さん中心にアニメ特集、できそうですね(笑)。
峯田 バイトでアニメージュの編集部に入りたいくらいです、本当に(笑)。
ーーありがとうございました(笑)。では最後に、お二人それぞれ『Sonny Boy』のオススメポイントを教えてください。
峯田 第1、2話を観させてもらったんですが、カットの切り替えが本当に早くて、一瞬で終わるシーンとかあるんですよ。携帯でやりとりしている文面とか、読ませないくらいの速度で流れていって、その情報量の詰まり方や、あえてわかりにくくしている部分が多いのが気になりました。
それは何もネガティブな意味ではなくて、「ここが、後からつがってくるんじゃないかな」とかこっちが自由に想像できる。僕、そういう風に、自分なりに考察するのが好きなんで。そういうアニメってなかなかお目にかかれないから、放送をすごく楽しみにしてます。
夏目 この作品はかなりチャレンジというか、普通のアニメの文法には乗らないような形で作っているんです。おそらく何も知らずに観た人は、戸惑いや驚きを感じると思います。
情報が羅列されていて、キャラクターの心情もあえて見えないような作りになっているので、散らばっているピースを観た人それぞれが上手く組み合わせてもらえるといいなと思います。6000ピースとかあるパズルがあったとして、4ブロックくらいつながるとうれしかったりするじゃないですか。そういう感覚で観てほしいです。
また、スタッフみんな情熱をもってやってくれていて、力のあるいい映像ができていますし、後半に向けていろいろな仕掛けもあるので、そういう部分でも楽しんでいただけたらと思っています。
そして、最後に主人公が何をして、どういうことになるのかを見届けて貰えたらうれしいなと思っています。
(C)Sonny Boy committee