• 音楽学校を舞台に友情と青春を描く『かげきしょうじょ!!』
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2021.07.09

音楽学校を舞台に友情と青春を描く『かげきしょうじょ!!』

(C)斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会



アフレコ現場はまるで歌劇学校のよう!?

——続いて、キャスティングについても教えてください。アニメ―ジュ8月号では、さらさ&愛のキャスティングの決め手を教えていただきましたが、ほかのキャラクターについてはいかがでしたか? 

諏訪 この作品がオーディションで役を勝ち取る歌劇の世界を舞台にしていることもあり、予科生や本科生は皆さんオーディションで決めています。元・紅華歌劇団娘役の祖母と母を持つ星野薫は、3代続くサラブレッドらしい気品と、並々ならぬ思いで入学をしたという情熱が演技から感じられた大地葉さんに、委員長・杉本紗和については、予科生をまとめる規律正しい面と、ユーモラスな面のギャップをしっかりと表現してくれた上坂すみれさんにお願いしています。気弱でおっとりとした山田彩子は、“ある才能” ですべてを変えられたキャラクターなので、その部分を重視しながら、愛される娘役を目指しているという点も加味して佐々木李子さんにお願いしました。その “才能” がなんなのかは……ぜひ本編をお楽しみに! 沢田千夏&千秋姉妹役が松田利冴さん&颯水さん姉妹というのも、オーディションで決定しました。声優さんは実際の双子じゃなくても演技で双子を表現できるので、双子という点にこだわっていたわけではないのですが、いろんな方の演技を聞いた中でも、松田姉妹が持っていた “双子ならではの息の合い方” がとても印象的で。ほかでは出せないかみ合い方が感じられたのが決め手となりました。予科生以外では、トップスター・里美星役の七海ひろきさんもオーディションで決めさせていただきました。今回、七海さん以外にも宝塚歌劇団OGの方が何名か出演されていますので、ぜひクレジットにも注目してください。
——原作の斉木久美子さんから、キャスティングについて何かオーダーはありましたか?

諏訪 大きなオーダーは特になかったです。アニメとしてのご判断にお任せしますと言っていただいて。唯一おっしゃっていたのは、「もし叶うのならば、穴井一尉役は若本規夫さんにお願いできるとうれしいです」ということですね(笑)。米田監督たっての希望もあって、若本さんは決め打ちでお願いしています。

——アフレコの雰囲気はいかがですか?

諏訪
 コロナ禍の真っただ中でしたので、基本的には少人数での分散収録で行っています。同じシーンで絡みがあるキャラクター同士はなるべく一緒に録ってはいるものの、登場人物が多いこともあり、全員で掛け合うというのはやはり難しい状況で。音響チームには負担をかけてしまっていますが、皆さんの尽力もあり、とてもいいものに仕上がっていると思います。個人的に現場で印象的だったのは、待合ブースで自分の順番を待っているキャストの方が、前にアフレコをしている方の演技を聞いて盛り上がっていたことですね。通常のアフレコだと、ほかの人の演技に「わー! 素敵!」って反応したらNGになってしまいますから(笑)、分散収録だからこその光景だと思いました。ほかの人の芝居を見て参考にしたり、楽しんだりするその姿に、作品への愛情を感じられたのもうれしかったです。

——長崎行男音響監督が特にこだわっていたシーンは?

諏訪 キャラクターたちが演技をするシーンは、とても慎重に、かつ丁寧にディレクションをされていたと思います。この作品においてとても大切なシーンなので、長崎音響監督も指導甲斐があったんじゃないでしょうか。今回、キャスティングやスタッフィングの段階から、学校のような空気がキャスト&スタッフの中で生まれたらいいなと考えていました。そういう意味で、長崎音響監督は本当に先生のようでしたし、キャスト同士も本科生・予科生で先輩・後輩という空気感が生まれていたのが感じられてよかったなと思いました。あと、個人的に印象に残っているのが、さらさが先生たちのモノマネをするシーン。(さらさ役の)千本木(彩花)さんには何回かテイクをやっていただいたんですが、千本木さんのモノマネショーみたいになっていて、とても面白かったです(笑)。

——制作の裏側を知ることができる貴重なお話をありがとうございました。最後に、読者へメッセージをお願いします。

諏訪 TVアニメ『かげきしょうじょ!!』は、米田監督をはじめとするクリエイターやキャストの皆さんの愛情がたっぷり詰まったフィルムになっています。僕も一人のファンとして、この作品を皆さんに届けられるうれしさを感じています。全13話、どうぞ最後までご覧いただけますと幸いです。
(C)斉木久美子・白泉社/「かげきしょうじょ!!」製作委員会

アニメージュプラス編集部

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